心(臓)疾患のリハビリテーション:イラスト1心疾患の重要性

厚生労働省の平成23年人口動態統計の概要によると、心疾患は悪性新生物(がん)に次いで、わが国の死亡原因の第2位で、1年間におおよそ19万人が心臓病で亡くなっています。心疾患のリハビリテーションは、心疾患のなかでも、心筋梗塞や狭心症などの虚血性心疾患の患者さんを中心に発展してきました。虚血性心疾患の原因となる動脈硬化の発症には、高血圧や高脂血症や糖尿病などの生活習慣病が深く関わっています。そのため、心疾患の発症を予防するために生活習慣病をしっかり治療することも重要になります。

心筋梗塞後のリハビリテーション

以前は心筋梗塞になると、最低3週間以上の安静臥床が必要とされていましたが、その後の研究や医学の発展によりその安静期間は大きく短縮され、現在では合併症のない場合では、発症当日か、もしくは翌日から座ったり、自分で食事を取ったりするようになり、4~5日で、病室内をゆっくりと歩くことを行うようになっています。入院期間も2~3週間程度と短縮されています。また、退院後も、心臓の運動耐容能を検査しながら徐々に運動量を増やしていくことで、社会復帰や娯楽などの生活活動範囲を広めていくことが可能です。このような過程を安全かつ効率的に進めていくことが、心筋梗塞後のリハビリテーションと呼ばれているものです。

適応のひろがり

これまで、心疾患のリハビリテーションの発展は心筋梗塞を中心に進んできました。そのために、当初は心疾患治療や長期臥床に伴う運動耐容能低下に対する早期離床や機能回復訓練が中心でした。しかしその後、患者さんの生活の質(QOL)や長期予後の改善、あるいは循環器病の発症予防までを含めて、より多面的・包括的に考えられるようになりました。現在では、他の心臓・血管の病気や、心臓の手術後などにも広く行われるようになっています。また、最近では、心疾患の発生の原因となる動脈硬化を予防し、心疾患の発生を防ぐことにも力が注がれており、運動療法のみならず、食事療法、心理カウンセリングなどを含めたリハビリテーションプログラムが研究されています。また、高齢者や障害者、さらにより重度の心疾患に対するリハビリテーションの研究も進められています。

2014年4月改訂