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インタビュー

リハビリテーション科専門医を目指す若手医師とその指導にあたる医師の姿をご紹介してまいります。今回は浜松医科大学医学部附属病院リハビリテーション科病院教授の山内克哉医師と専攻医の医師にお話を伺いました。

浜松医科大学医学部附属病院リハビリテーション科
病院教授 山内克哉医師

質問1 貴施設での研修の特色について簡単にご説明ください。

浜松医科大学は、人口375万人の静岡県にある唯一の大学病院です。そのため、多くの症例が経験でき、専攻医の多様な希望にこたえられるプログラムとなっています。

全科に渡る診療科からリハビリテーション依頼があり、入院患者の約半数がリハビリテーションを施行しています。丁寧に診察、リハビリテーション処方を実践することで、数年で経験していない疾患はなく、診断や治療の技術も自ずと身につくことになります。急性期のリハビリテーションも積極的に行い、障害を予防しています。また手術患者は、外来からのリハビリテーション介入を多く行い手術前はより元気に、退院時には更に元気になる事を目指しています。各診療科と連携した臨床研究も積極的に行い力を入れています。大学病院で幅広い知識と技術を習得し、連携する地域の一般病院や回復期病院、在宅医療などで、主治医としての力を発揮させるプログラムを組んでいます。また、ライフスタイルに応じて、働き方や職場を選択できる柔軟な対応も取り入れていますので、女性の子育て世代も100%復職可能になっています。

質問2 リハビリテーション科医を教育・育成する上で重視しているポイントについて教えてください。

リハビリテーション科医は、常に全身を視野に入れ、病気だけではなく病人を診る姿勢と活動を育む姿勢を身につけることを第一に考えています。そのために、救急対応、急性期の全身管理、内科的治療、心臓リハビリテーション、呼吸リハビリテーション、外科処置、機能、能力改善、装具・義肢の選択や調整、嚥下治療、栄養指導、高次脳機能、社会復帰のサポート等多岐に渡り対応し、実践する力を養う必要があります。

きめ細かい指導のため、毎朝の全患者の回診とカンファレンスを行い、患者に対する相互理解、治療方針の共通認識を深め、臨床医としてのブラッシュアップに努めています。その上で、疑問点を見いだせる問いかけをして、臨床研究も積極的に行う環境を整えています。

質問3 リハビリテーション科医を教育・育成するやりがいや苦労する点などについて教えてください。

リハビリテーション科医は、学ぶべき事が非常に多くあります。臨床能力、社会資源の理解、他科や地域との連携、リハビリテーションのチームリーダーとしての統率力やコミュニケーション能力など多岐に渡っています。優れた臨床医で人格者が理想であり、そういった人材が育ち、仕事を共にして、地域や社会に貢献できることを身近に感じられる喜びがあります。多くの医師がリハビリテーション科医を希望していただけるような情報発信に苦慮しています。

専攻医に聞く

質問1 リハビリテーション科の専門医を目指(選択)した理由について教えてください。

どの時点からリハビリテーション科を専門としようと思ったか振り返ってみると、学生実習で脳外科を回っている時に担当した方のリハビリテーションを見学した際に、リハビリテーションの重要性を実感したことが大きかったのではないか思います。治療だけでは以前の生活に戻れない中でリハビリテーションの果たす役目の大きさを感じ、その中にかかわっていくリハビリテーション科という存在を知ったことで興味を持ちました。

質問2 実際のリハビリテーション医療の現場に立って感じたこと、思うことなどについて教えてください。

急性期治療が終わり、あとはリハビリテーションだけだとされる方が抱える、医療的や社会的な問題点の重さや多さは、リハビリテーション科医師としての視点を得ることでより実感されます。リハビリテーションの重要性が叫ばれる中でもその領域に関する知識や認識は未だに不十分であり、その中で自分たちリハビリテーション科医師がより一層の努力をしてその差を埋めていくことが今後必要になってくることも感じています。

質問3 リハビリテーション科の専門医について関心を持っている医師に向けて推薦のメッセージをお願いします。

リハビリテーション科は内科や外科に比べて華のある科ではないですが、リハビリテーションを行う患者さんの生活を考えていく上では欠かせない科だと思います。様々な疾患に関する知識や経験が要求される上に、急性期だけではなく回復期・慢性期の治療にも携わることが必要とされるため、十分なやりがいがある科と思いますので、興味を持っていただければ嬉しいです。

専攻医ご紹介

30歳代男性 浜松医科大学卒