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リハビリテーション科女性医師ネットワーク(RJN)

RJN企画【第1回秋季学術集会 シンポジウム1】報告

第1回日本リハビリテーション医学会秋季学術集会
シンポジウム1「生活期リハビリテーションにおける装具療法の課題」報告

平成29年10月28日大阪市の国際会議場で行われた第1回日本リハビリテーション医学会秋季学術集会において、RJN委員会は10月29日午前8時30分から10時まで、シンポジウム1「生活期リハビリテーションにおける装具療法の課題」を企画・開催しました。

生活期における装具療法の現状を振り返り、課題について確認する企画でした。
シンポジストは、「義肢装具士の現場」、「生活期の成人の装具」、「ポリオ経験者の装具」、「小児の装具」に詳しい演者にお願いしました。
座長は、RJN委員長の中馬 孝容(滋賀県立成人病センター)とRJN委員の土岐 めぐみ(北海道道立心身障害者総合相談所)がつとめました。

シンポジウム第1題は株式会社小豆澤整形器製作所 義肢装具士の川場 康智先生から、「生活期脳卒中患者の在宅対応を行う中で見えてきた課題と対策について」と題してお話がありました。装具の破損などに対し、迅速に現場で対応する工夫が提示されました。また、装具が必要なのに装着していない場合や、装具が不適合であることが患者の機能低下につながっている状況をご紹介いただきました。装具をチェックする「みる目を増やす」ことの重要性や、装具に関する職種の連絡等が記された「装具ノート」の活用の経験についてもお話がありました。

第2題は千葉県千葉リハビリテーションセンターの吉永 勝訓先生より、「生活期で使用する装具とその問題点」について提示されました。基本的な装具処方の知識の他に、更生相談所での判定業務のご経験などを交え、医師の意見書の活用など、医師の立場での関わりのご提案がされました。

第3題は京都府立医科大学の沢田 光思郎先生より、「ポリオ経験者に対する装具処方と生活期リハビリテーション医療」のお話がありました。ポリオ経験者の装具調整で、装具の継続使用時の適合の工夫に加え、壮年期に未使用で生活されていて、新規に装具を導入する際の処方のポイントをご教示いただきました。具体的な症例の動画により、聴衆の理解が深まりました。

第4題は、座長でもある筆者が「成長とともに変化する小児期の装具」の題にて、小児の装具環境の特徴を示しました。小児の場合、成長に合わせた対応が必要であり、重症度の高い小児の姿勢ケアの考え方、股関節や側弯への装具療法の試みを紹介しました。

質疑応答では、生活期に医療機関で装具の定期的な経過観察が受けられない環境の問題点や、そのような患者さんをどのように、拾い上げて対応していくべきか討論がすすみ、今後の課題の一端が示されました。

短い時間でしたが、シンポジストの提示を受け、それぞれの地域で問題点を再考し、解決にむけて取り組む必要性を認識できるよい機会になったのではないでしょうか。ご参加頂きました皆様、誠にありがとうございました。

今回、このような機会をいただくことができ、大会長の菅本 一臣先生ならびに、ご講演を賜りました各先生に深謝いたします。

 

北海道立心身障害者総合相談所 土岐 めぐみ