平成16年度第1回
介護保険検討委員会報告

 


 4月15日発行のリハニュースNo. 21に,介護保険検討委員会発足についてお知らせしました。その後,平成16年4月8日に第1回介護保険検討委員会が開催されましたので,そのときの主な議論の内容を以下にご紹介します。
 出席者は,伊藤利之(担当理事),大橋正洋(委員長),大塚友吉,近藤克則,高橋紳一,米満弘之でした。(敬称略)

 1.介護保険制度の検討の前に,脳卒中などの疾患により突然障害が発生した人に,医療保険におけるリハビリテーション治療が適正に行われているか,あるいはこの「リハビリテーション前置」の原則が確実に行われるためには,どのような仕組みが望まれるのかを議論しました。結果,医療保険に関わる制度の改善については「社会保険等委員会」の分担であることが確認されました。すなわち当委員会は,医療保険に基づくリハビリテーション治療が提供された後の,介護保険における地域リハビリテーションについて,それが適正に提供されるシステムを検討することを確認しました。

 2.介護保険におけるリハ前置を促進するための議論の中では,いくつかのアイディアが示されました。
たとえば,現在地域リハの実質的な担い手であるケアマネージャーは,ケアプラン作成のために訪問調査を行います。このときに,対象者が医療リハを受けてきた人であるかを必ずチェックするように,システムを改正すること。
 またケアマネージャーは,今以上にリハマインドとリハに関する知識を備えて,対象が,QOL向上を図る必要がある人であるのか,あるいは医療リハの適応があるのかなどを判断し,適宜「地域リハ広域支援センター」や,リハ病院などの専門機関に相談できる能力を備えること。
 さらに介護保険のもとで,地域リハビリテーションが適正に提供されるためには,国の施策である「地域リハビリテーション広域支援センター」に,リハ医が積極的に関わる仕組みが作られること,などです。

 3.今後の方針
 次回委員会は平成16年5月20日に開催を予定しています。このときは厚生労働省の方に出席して頂き,介護保険制度についての意見交換を行います。

 4.ご意見など
 ご意見などを学会事務局までお寄せ下さい。

文責:大橋正洋