[リハ医学 第
平 田 淳
高知県立子鹿園
(受付:
要 旨: 移動能力として四つ這い以上の機能を獲得した脳性麻痺児102例(痙直型73例,アテトーゼ型29例)について,運動発達経過を比較検討した.最終移動能力である独歩と杖歩行について,寝返り,坐位,四つ這いの各粗大運動の獲得時期だけでは両群間の有意差は認められず,寝返りから四つ這い獲得までの期間において両群間に統計学的有意差があった.痙直型,アテトーゼ型とも,この期間が1年以内の症例の多くは独歩を獲得したが,2年を越える症例では歩行不能例が多かった.杖歩行例は1年から2年の間が最も多かった.寝返りから四つ這い獲得までの期間は抗重力姿勢の発達勾配を反映し,脳性麻痺の移動能力を予測するのに有用である.
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