[リハ医学 第 34巻第4号, pp. 271-276 (1997); 原 著]


運動療法の脳血管障害患者のリンパ球サブセット,リンパ球反応性及び血清サイトカイン濃度に及ぼす影響

倉 林  均  久保田一雄  町 田  泉  白倉 卓夫

群馬大学医学部附属病院草津分院内科リハビリテーション部

(受付: 1996年10月2日; 受理: 1996年12月24日)

要 旨: 脳血管障害による片麻痺患者11例について2か月間の運動療法による免疫学的パラメータ及び血清サイトカイン濃度の変化を測定し,運動療法を中断した同疾患患者4例(対照群)と比較検討した.運動療法群では対照群に比しCD4/8比,マイトジェンに対するリンパ球反応性,サプレッサー・インデューサーT(CD4+×CD45R+),ヘルパー・インデューサーT(CD4+×CD29+)は有意に上昇した.また,運動療法群ではADCC活性,インターロイキン(IL)-2レセプターは有意に増加したが,NK細胞活性,IL-2,IL-6は両群間で有意差はなかった.脳血管障害患者では運動療法を継続すれば免疫機能は亢進し,中断すれば免疫機能が低下する可能性が示唆された.

キーワード: 理学療法(physical therapy),免疫機能(immune function),サイトカイン(cytokine)


[English abstract]