[リハ医学 第
問 川 博 之
慶應義塾大学医学部リハビリテーション医学教室
(受付:
要 旨: ラットの前脛骨筋およびヒラメ筋を対象に,刺激針電極と表面電極列を一体化させた小型電極を用いて30秒間の持続的電気刺激を行い,等尺性張力と筋活動電位ならびに筋線維伝導速度(MFCV)との関係を検討した.またPAS染色を用いて筋線維グリコーゲンの減少状態を調べ,活動化された筋線維の広がりを形態学的に検索した.持続的強縮刺激下では,張力の減少に先行して活動電位の振幅の低下,潜時の遅延,およびMFCVの低下が認められた.振幅低下の割合は筋種と刺激周波数の違いをよく反映しており,疲労をモニターするための簡便な指標となり得ることが示唆された.筋線維グリコーゲンの消耗は刺激電極を中心に楔型の限局した範囲で生じ,本研究の刺激方法が筋内神経刺激というより直接的な筋刺激であることが確かめられた.
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