[リハ医学 第
森 信 芳 後藤 葉子 黒 澤 一 松本香好美 吉田 一徳 南 尚 義 金澤 雅之 上月 正博
東北大学大学院医学系研究科内部障害学分野
(受付:
要 旨: 脳死肺移植前後のリハビリテーション(リハ)4例を経験した.経過に伴う運動耐容能,精神心理機能,QOL,ADLの変化を分析し,今後の注意点の提示を含め考察した.いずれの症例も初診時は廃用のために四肢筋力の低下があったが,移植前のリハが運動機能やADL拡大・維持に効果があった.しかし,リハを継続しても待機期間が長引くにつれて,運動耐容能が低下しADLは縮小した.移植後は呼吸機能,運動耐容能に大きな改善がみられ,健康関連QOL,ADLにも改善傾向がみられたが,精神心理機能はいずれとも相関が見られなかった.術後合併症・金銭面・家族関係などでのストレスも多く,今後は心理状態をも十分考慮した慎重なリハ的対応と待機期間の短縮のための対策が求められる.
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