[リハ医学 第 40巻第9号, pp. 600-609 (2003); 原 著]


ヒトにおける長橈側手根伸筋から上腕二頭筋への神経投射

牛場 潤一,  正門 由久  小宗 陽子  富 田  豊

慶應義塾大学大学院理工学研究科

(受付: 2003年4月21日; 受理: 2003年8月6日)

要 旨: 長橈側手根伸筋(ECRL)から同側上腕二頭筋(BB)の運動神経への神経投射を,post-stimulus time histogram法を用いて調べた.被験者は健常者10名である.針電極を用いてECRL筋枝に電気刺激を与えたところ,計100個の運動単位のうち15個に抑制,10個に促通が観察された.両者ともECRLの運動閾値より低い刺激強度でも観察された.両者の潜時を検討するため,表面電極による肘関節部での正中神経刺激によって単シナプス性Ia促通を観察した.潜時比較の結果,ECRL筋枝への刺激により得られた反応は,単もしくは二シナプス性投射であると考えられた.

キーワード: post-stimulus time histograms, biceps brachii(上腕二頭筋),extensor carpi radialis longus(長橈側手根伸筋),human(ヒト)


[English abstract]