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障害保健福祉委員会

委員長 伊藤利之


障害保健福祉情報(2)〜今,何が問題になっているか?〜
 身体障害者福祉法の「障害認定のあり方」を検討中!
 介護保険制度の導入に伴い,障害者向けのサービスとしてもケアマネジメントが必要であるとの立場から,現在,各地で障害者版のケアマネジャー養成研修が行われている.これは,「障害者に対する介護サービスについても,高齢者に対するサービスと遜色ないものにする」という趣旨から,介護保険と障害者基本法との整合性を保つために必要な施策である.しかし,この施策は同時に,2005年の介護保険の見直し時期に合わせて,障害者に対する「介護サービス」も社会保険方式を取り入れて充実すべきだという動きに繋がっており,その関係からも,身体障害者福祉法における「障害認定のあり方」の見直しが迫られている.
 一般に,われわれ臨床家が「障害認定のあり方検討」と聞くと,「身体障害者認定基準―障害程度等級表―」の見直し論議かと思うが,現段階において厚生省が行おうとしている「あり方検討」は,「身体障害者認定基準」のような「施行規則」やそれに伴う「厚生省社会局通知」の内容を見直すという細部にわたるものではない.「身体障害者福祉法」が内包している「リハビリテーションに関するサービス」と「介護サービス」の大枠をどのようにするかという議論であり,「障害認定の範囲や認定方法」に関する検討が焦眉の課題とされている.
 そこで,障害保健福祉委員会としては,現在「障害認定のあり方」に関する意見のとりまとめと,われわれが直面している現場の課題として,「身体障害者認定基準―施行細則&社会局長通知」の問題点を検討しており,今年度中にその検討結果を厚生省に提案するとともに,会員の皆様に広報する予定である.