(2001.05.21)
<医局だより>
日本医科大学リハビリテーション科

日本医科大学リハ科は附属4病院のうち2病院に設けられています.川崎市の附属第2病院には平成3年に,千葉県印旛沼の千葉北総病院には平成11年にリハセンターとともに診療科が開設されました.講座にはなっておらず,内科学第2教室(神経内科・腎臓内科)に所属しています.第2病院リハ科には竹内孝仁教授以下助手3名と研究生1名が所属し,千葉北総病院リハ科には北村純一講師以下助手2名が所属しています.診療や研究などの活動はそれぞれ独立して行っています.
第2病院リハ科について紹介いたします.川崎市中原区の市街にある370床の病院で,徒歩5分の私鉄駅からは約20分で渋谷と横浜に行ける好立地です.古くから地域の中核病院としての機能を担っており,リハ科に関しても在宅復帰への援助など地域に根ざした診療活動が望まれています.医師5名(うち専門医2名)を中心に,リハセンターには訓練士9名(PT 5,OT 3,ST 1),MSW 1名のスタッフが所属し,施設認定1を取得しています.
リハ科の病床は病院全体が原則フリーベッド制をとっていますので,10〜15床で,この他に他科入院の患者30〜40名が加わり,常時40〜50名の患者にリハ医療を行っています.リハ科入院の80%は脳血管障害ですが,他科入院患者(内科43%,外科27%,脳外科26%,小児科2%)は脳血管障害49%,パーキンソン病など中枢神経疾患12%,術前後を含む呼吸リハ9%です.この他に高齢・重症患者の廃用症候群が17%を占め,年々増加傾向にあります.障害評価,治療・訓練,住環境や介護支援の調整に至るまで復帰へ向けた援助・介入は入院所属科を問わず行っており,スタッフを交えた木曜日のケースカンファでは各部門の情報を交換してリハ方針の確認や決定を行っています.外来は一般診療の他,電気生理学的検査を行う筋電図外来は週4日対応で院内外から紹介を受け,月曜日には装具外来を行っています.
研究活動では,厚生科学研究補助金(長寿科学総合研究事業)を継続中で現在は高齢者の「閉じこもり」に焦点をあてて調査を行っています.その他,高次脳機能障害をADL面から評価した行為障害の分析,超音波を用いた横隔膜運動評価を進めています.
卒前教育では残念ながら実習の科目になっておらず医学教育の場はありませんが,学生などから見学の希望があればいつでも懇切丁寧に対応しています.リハ医を目指してくれる人が一人でも多くあればとの思いからです.なお,当科では新卒・既卒問わず,入局者は大歓迎します.(穐山尚子)
日本医科大学附属第2病院リハビリテーション科/〒211-8533 神奈川県川崎市中原区小杉町1-396/TEL044-733-5181(内線301),FAX044-711-9562
(リハニュース9号:2001年4月15日)