<専門医コーナー>
第12回リハ・カレントトピックス&レクチャー報告
獨協医科大学リハビリテーション科学教室 古市 照人
平成12年11月18日〜19日に日本リハ医学専門医会の主催する第12回リハ・カレントトピックス&レクチャーが,関西労災病院リハ診療科住田幹男先生の幹事により大阪市立大学医学部講義室で開催されました.
初日はシンポジウムに先立ち,大学・リハセンター連絡協議会ワークショップが国立部会と私立部会の2会場に分かれて開催されました.国立部会では,病院経営からみた大学リハ部門の検討を北海道大の渡部一郎先生,大学リハ部門におけるリスク管理を鹿児島大の下堂薗恵先生が発表されました.私立部門では,在院日数2週間に向けての私立大学リハ科の基本戦略をテーマに産業医大の佐伯覚先生からリハ医の役割,獨協医大の古市照人からリハ科の役割,川崎医大の塚本芳久先生から病・病連携についての発表が行われました.
引き続き行われたシンポジウムは,「21世紀リハ医療,どこからどこへ」と題して専門医の立場からリハ専門医制度の問題点と今後の展望について討論されました.
まず,認定委員会活動の観点から出江紳一委員長より,続いて,生涯教育の観点から間嶋満教育委員会委員長より,慶應大の正門由久先生からは急性期・回復期リハ多施設間研究からの問題点等が提言されました.千野直一理事長からは日本医学会の各学会専門医制度の検討経過と今後の動向についての報告がなされ,科学的な根拠を基本とした教育・研修制度の重要性が強調されました.専門医会からは,これまでの専門医会の歩みと抱えてきた問題について伊藤利之副会長が,専門医会と大学・リハセンター協議会とのあり方については石神重信会長が報告されました.最後に,指定発言として米本恭三初代専門医会会長からリハ医学の発展についての提言がなされシンポジウムは終了しました.
シンポジウム終了後,恒例の懇親会が会場近くの都ホテルにて行われました.会場には85名を超える参加者があり,新たに専門医になられた方々からの頼もしい挨拶が多く聞かれました.
プログラム2日目は専門医コースレクチャーとして,それぞれの専門分野からの成果が専門医会総会をはさんで,午前と午後にわたって13題発表されました.分子生物学的手法のリハ医学への応用として,骨格筋の反復ストレッチ刺激や脊髄切断による大脳皮質の反応について最初期遺伝子等を用いた解析結果を報告された鹿児島大の池田聡先生には,住田幹男幹事から会長奨励賞が贈られました.他の演題もそれぞれ充実した内容で21世紀でのリハ医学の発展を予感させられました.
総会では,新会長に川崎医大・椿原彰夫教授が就任され,その他の役員も改選されました.
次回の第13回リハ専門医学術集会は,古市照人が大会長となり東京大田区立池上会館において,平成14年1月26日(土),27日(日)に開催することになります.多数のご参加をお待ちいたしております.
2001.7.15: リハニュースNo.10