<医局だより>

帝京大学医学部リハビリテーション科


 帝京大学医学部は昭和46年に開設され,現在は東京都板橋区,千葉県市原市,神奈川県川崎市(溝口)の3カ所に付属病院を擁しています.今回は,板橋本院のリハビリテーション科について紹介いたします.当リハ科を創設され育ててこられた岩倉博光教授が急逝され,その後を三上真弘教授が引き継いだのが1990年のことです.それから早11年,医局員の人数と活動範囲は,徐々に拡大しています.リハ科の入院ベッドは19床で,脳卒中,切断,脊髄損傷,神経筋疾患等の幅広い疾患を有する患者さんの診療を行っています.外来は救命センター,脳外科,神経内科,形成外科,CCU,心臓外科,内科,外科等各科から,毎週20名を超える新患診察依頼があります.予め計画された四肢の切断に関しては,整形外科からの術前コンサルトが多いのも特徴的です.訓練部門は中央診療部門として総合リハ施設基準をもつリハ部を擁し,理学療法士15名,作業療法士5名,助手1名が頑張っています.現在の医局の実働スタッフは,三上教授,栢森助教授以下,助手2名(助手以上の4名はみなリハ専門医),大学院生1名,修練生2名.医局員の出身大学はみなバラバラであり,医局の雰囲気は極めて和やかです.大学病院ではありますが,土地柄,町医者的な要素も多分に持ち合わす病院でもあるので,発症直後の脳卒中などリハの基本である疾患を診る機会も多く,当院の研修だけでリハ専門医試験に必要なすべての疾患の診療ができるのも特徴の一つであるかもしれません.以前,他の医局の先生から「帝京といえば切断」と聞かされたことがあります.確かに,外傷や腫瘍,そして近年増加している動脈硬化性疾患に伴う切断患者はかなり多く,以前は当科医局に日本義肢装具学会(JSPO)事務局が,現在は国際義肢装具協会(ISPO)日本支部事務局が設置されています.三上教授は現在,ISPOの日本支部長を務めており,丸野助手とともに主に義肢・装具について,最近は機能的MRIや薬剤負荷心筋シンチ等を用いた研究も行っています.帝京は切断だけかと思いきや,栢森助教授は顔面神経麻痺などの末梢神経障害に造詣が深く,筆者が興味をもつ中枢神経障害に関する臨床電気生理学的研究にも貴重な助言をいただいています.教育に関してですが,帝京大学医学部,帝京看護学校,国立リハセンター学院義肢装具学科などで講議を行うとともに,北区や板橋区などの健康医療相談や脳卒中教室を通じて地域住民の教育・啓蒙活動も活発に行っています.どの医局でもそうでしょうが,少ない人数でいろいろなところを走り回っているような毎日です.そこにやってきたのが,来年度のリハ医学会学術集会の主催…….学会員の皆様にもいろいろとご協力いただくことになると思いますが,よろしくお願いいたします.(羽田康司)
(リハニュース11号:2001年10月15日)


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