日本リハ医学会は2001年度から,海外リハ専門医の日本国内研修を始めました.この制度は海外の前途有望な若手リハ医を日本に招き,日本のリハ施設を見学してもらうとともに,自らの専門の研究分野について研修施設において発表していただき,日本と海外のリハ医の交流を図ることを目的としています.研修生は年間2名以内で40歳以下(2002年度からは45歳以下)のリハ専門医であることが条件となっています.欧米からの先生には30万円,アジアからの先生には20万円の補助を行います. 2001年度研修に来られたのは,米国からNorthwestern大学Rehabilitation Institute of ChicagoのPaul H. Lento先生,韓国からYonsei大学のDeog Young Kim先生です.Kim先生は2001年11月26日〜30日の間,北海道大学リハ医学講座,神奈川リハ病院を,Lento先生は12月10日〜14日の間,昭和大学リハ科,岡山大学整形外科・リハ部で研修しました.Kim先生36歳,Lento先生35歳といずれも次代のリハ界を担う若手のリハ専門医です. Kim先生は1990年韓国のYonsei大学を卒業.1998年韓国リハ医学会の専門医になり,現在Yonsei大学リハ科のFull time instructorで,脳卒中のリハと運動解析を専門としています.北海道大学においては「リハ分野におけるボツリヌストキシンの使用」,神奈川リハ病院では「臨床歩行解析」の発表が行われました. Lento先生は1992年米国のTemple大学医学部を卒業.2000年にアメリカリハ医学会の専門医となっています.現在Northwestern大学Rehabilitation Institute of ChicagoのClinical Instructorで,スポーツ外傷,脊椎疾患のリハを専門にしています.昭和大学においては「腰痛・神経根症に対する硬膜外ステロイド使用」,岡山大学では「疲労骨折の診断と治療」の発表が行われました. 両者ともその研究分野に合わせ日本リハ医学会で研修先を選定しましたが,活発に討議が行われたと聞いています.研修終了後のアンケートでも研修者,研修受け入れ施設双方ともに好評で,所期の目的は達成できたと思います.国際交流の一環として,今後もこの事業を続けていきたいと思いますので,本学会各先生のご協力をお願い申し上げます. 最後になりましたが研修を快く受け入れてくださった北海道大学の眞野先生,生駒先生,神奈川リハ病院の大橋先生,昭和大学の水間先生,岡山大学の千田先生に深謝いたします. (リハニュース13号:2002年4月15日) |
Deog Young Kim先生 (北海道大学にて)
Paul H. Lento先生 (昭和大学にて) |