<医局だより>

藤田保健衛生大学医学部リハビリテーション医学講座


 藤田保健衛生大学では,学内リハ関連6部署,すなわち,医学部リハ医学講座,大学病院リハ部,第2病院リハ部,七栗サナトリウムリハセンター,リハ専門学校,藤田リハ医学・運動学研究会を総勢130名を超える「リハビリテーション部門」として統合し,積極的かつ有機的な活動を行っている.
 その中核であるリハ医学講座は,才藤栄一教授,園田茂教授をはじめ,27名の医局員からなる(専門医9名).学内での評価は高く毎年卒業生が1〜3名入局する(平成14年は3名).また,他大学出身者も多く(学外15名,11大学),学閥にとらわれず,自由かつ活動的な医局といえる.
 臨床は,特徴ある3病院で多岐に渡るリハが展開されている.1,510床の大学病院には,救命救急45床,脳神経外科108床,整形外科108床,神経内科58床,リハ科15床などがあり,リハ対象病床数は400床,年間初診患者数は1,800例を超える.また,大学病院にもかかわらず発症から在宅まで連続して診療できる症例も多い.これらの症例の経時的データは医師・療法士共有データベースで管理され,日常診療はもちろん,研究にも活用されている.
 七栗サナトリウムリハセンターは回復期リハ病棟52床を含め約130床のリハ病床を有する.2000年より脳卒中リハとしてハード・ソフト両面を熟慮した画期的なFIT(Full-time Integrated Treatment)programを実践している.病棟にフルサイズの訓練室を配置することで,訓練室と病室での生活の較差を解消し,スタッフ間の定期的かつ確実な情報交換を行う.情報交換は,LAN上のデータベースで補強する.また,療法士複数担当制による休祭日なしの週7日訓練を実施する.最短期間で最高の訓練到達度を目指すこの「統合的高密度リハ病棟プログラム」の有効性はすでに明らかとなりつつあり,国内外より注目されている.
 研究は,脳卒中・外傷性脳損傷機能予後,装具開発,歩行分析,運動学習,嚥下障害など多岐に渡り,公的研究費獲得も多数ある.摂食・嚥下リハでは,日本摂食・嚥下リハ学会事務局が当講座内にあり,日本における中心的な存在となっている.
 当大学における卒前・卒後リハ医学教育は質量共に充実していると自負している.また,療法士教育の新しいプログラム(COSPIRE)が開始された.
 今日救えない患者を明日は救えるようになるため,私どもは,考え得る最高のリハ医学・医療の創生し,その文化を普及・発展させることで,社会,患者に貢献することを目標に活動している.入局希望は大歓迎で,問い合わせは常時受け付けている.更新性の高い当リハ部門ウエブページを是非参照されたい.(馬場 尊)
藤田保健衛生大学医学部リハビリテーション医学講座
〒470-1192 愛知県豊明市沓掛町田楽ヶ窪1-98
Tel 0562-93-2168,Fax 0562-95-2906,E-mail: rehabmed@fujita-hu.ac.jp
HP: http://www.fujita-hu.ac.jp/ ~rehabmed/
(リハニュース14号:2002年7月15日)