<医局だより>

兵庫県立総合リハビリテーションセンター


 兵庫県立総合リハセンターは,昭和21年7月引揚者・戦災者の応急援護施設「兵庫県玉津寮」として発足,以来身体障害者授産施設,特別養護老人ホームなどが順次設置され,病院は昭和44年10月リハセンター附属中央病院として開設されて発展し,現在では県のリハ中核病院として位置付けられております.10万m2以上のセンター敷地内には,9つの組織機構および3つの関連施設(表)が設置されており,統合体としての機能を発揮しつつ医学的リハ・社会的リハ・職業的リハについての多様なニーズに応え,患者・利用者の処遇サービスの向上に努めることを基本理念とし,各施設間の相互協力と密接な連携により総合リハ・アプローチを推進しています.
 センター組織の中心となるリハ中央病院は,300床を有するリハ専門病院で,整形外科・泌尿器科・内科・循環器科・神経内科・リウマチ科・麻酔科・リハ科が常設されており,眼科・歯科が非常設科として診療しています.病院の理念として『患者さんの立場に立ったチームアプローチによるリハ医療』『入院から在宅までの一貫したサービス』『質の高い先導的なリハ医療の追求』を掲げ,診療科の医師31名(写真)全員が,澤村誠志名誉院長の提唱されてきたリハ・マインドを持ち連携して診療に当たり,リハ・チームリーダーとしての役割を果たしています.医師は各所属学会の専門医・認定医ですが,リハ専門医は5名,認定臨床医は14名が所持しています.
 入院病床300床のうち整形外科100床は一般病棟で,人工関節置換術を中心に年間800〜900例の手術件数を記録しています.脊損と切断の病棟(50床)と神経難病を中心とした病棟(50床)は特殊疾患療養病棟として認定されています.残り100床が本年7月1日より算定が許可になった回復期リハ病棟で,脳血管障害や頭部外傷後遺症を中心に対応しており,専従医・専従セラピストによる会議を月1回開き反省と改善への努力を続けていく所存です.当院はリハ総合承認施設であり,理学療法士26名(他に各施設に5名配属),作業療法士14名(他に各施設に5名配属),言語聴覚士6名,臨床心理士1名がリハ療法部に在籍しています.診療報酬の改定など厳しい環境の変化にも,看護部・事務部門を含めたチームワークで対処していきたいと考えております.
(中野恭一)
総合リハセンター組織機構
  ・リハビリテーション中央病院
・重度身体障害者更生援護施設   (自立生活訓練センター)
・勤労身体障害者体育館
・家庭介護・リハビリ研修センター
・福祉のまちづくり工学研究所
・職業能力開発施設
・身体障害者授産施設(あけぼのの家)
・救護施設(のぞみの家)
・特別養護老人ホーム(万寿の家)
関連施設
・兵庫県立身体障害者更生相談所
・兵庫県立障害者高等技術専門学院
・兵庫障害者職業センター

兵庫県立総合リハビリテーションセンター/〒651-2181 兵庫県神戸市西区曙町1070/Tel 078-927-2727,Fax 078-925-9203,HP: http://www.pure.ne.jp/~hrch/
(リハニュース15号:2002年10月15日)