<REPORT>
第18回日本義肢装具学会
産業医科大学リハビリテーション医学講座 牧野健一郎

2002年11月23〜24日,アクロス福岡にて蜂須賀研二大会長(産業医科大学リハ医学講座)のもと,第18回日本義肢装具学会が開催されました.穏やかな天気に恵まれ,2日間通じての参加者は1,100名超(有料入場者約1,050名)と多くの方々にご参加いただきました.今大会は「義肢装具学の科学性」をテーマとしておりましたが,それに相応しい内容が多くみられ,本学会の科学性が高まりつつあることを感じる大会でした.
より活発なディスカッションが行えるようにと,今回は一般演題の発表形式を,口演については7つのテーマごとに数演題ずつのミニシンポジウムという形で行い(30演題),一般演題におけるポスター発表の比率を高くいたしました(81演題).ミニシンポジウムの会場では,立ち見もでる盛況ぶりでしたし,ポスター会場もこれまでにない多さで,各演題とも時間を超過してのディスカッションが行われました.ポスター発表は,会期中を通じて参加者の方が見られること,発表時間には演者の先生とのディスカッションが深まりやすいことが優れていると考えております.また,ポスター展示(12演題)では義肢装具の実物を展示して手に取っていただくことで,その特徴がより伝わりやすくなっておりました.どの会場も盛況であったことから,今回のような試みで,学会発表の一つの可能性を示すことができたと考えております.
一方,商業展示の方も大変盛況で,24日の閉会直前まで人の流れが絶えることがありませんでしたし,マニュファクチャープレゼンテーションでは,商業展示と離れた場所で行わざるを得なかったため,当初は参加者が少ないかもしれないと危惧しておりましたが,予想を超える盛況ぶりで,100席では不足するような状況でした.
しかし,複数のフロアに会場が分散してしまうため分かりにくい,車椅子での移動が困難(場所によっては不可能)とのご指摘もございました.
ほかにもこの週末は,大相撲九州場所の千秋楽,有名歌手の福岡ドームコンサート,駅伝などのイベントが重なっており,宿泊場所の確保にご苦労された方が多く,宿泊できないために1日でお帰りになられた方もおられたと伺っております.宿泊施設とともに中州の街も混雑していたようで,期待していた九州の味を口にすることができなかった方もおられるのではないでしょうか.
最後にこの場をお借りして,特別講演,教育講演,座長などの労をおとりいただきました先生方にお礼申し上げます.
(リハニュース16号:2003年1月15日)