<医局だより>

いわてリハビリテーションセンター


 当センターは1992年4月1日に岩手県,岩手県市町村会,岩手県医師会および岩手医科大学を出資母体とする財団法人(理事長:岩手県副知事)が設立され,リハ医療における県内唯一の公的中核病院として,1993年10月1日に50床から当センターを開設,翌年4月1日より現在の100床にて全面稼動しました.当センターは岩手県岩手郡雫石町にあり,盛岡市の中心部より車で西に30分の所で,小岩井乳製品で有名な小岩井農場の手前に位置し,周辺には繋温泉などの温泉地も多く,また雫石スキー場などのスポーツ施設も近接し,環境には非常に恵まれた所にあります.このような環境のもとで現在107名の職員が働いており,医師は高橋明センター長(専門医)を含め5名,PTおよびOTは各8名,STは3名,臨床心理士およびMSWは各1名が常勤しております.標榜科はリハ科と整形外科であり,共に学会の認定施設となっております.
 当センターは4部門より構成され,いわゆる病院にあたる診療部,県内58市町村に職員を派遣し,リハの啓発と普及の実践および地域リハの推進を目的に活動を行う地域支援部,医師を含めたリハに関係する医療従事者や学生に対する指導および研修を行う教育研修部,そしてリハに関する調査,研究および開発を活動の目的とする研究開発部からなっております.これらの部門は常勤の職員が兼務し活動するため,非常に忙しい毎日ではありますが,県民の方々からは年を経るごとに高い評価をいただいており,やりがいのある仕事でもあります.さらに岩手県は非常に広大な面積を持つことより,三陸沿岸部の2市とのテレビ会議システムを導入しリハの指導を行っているほか,近年「岩手県リハビリテーション支援センター」に指定され,介護保険行政の推進と共に地域リハの中核施設として,県内の医療・保健・福祉を纏める重要な役割を果しています.
 診療の面では,脳卒中患者のみならず,外傷(脊髄損傷,骨折や切断および頭部外傷),神経疾患や循環器・呼吸器疾患患者も多く,クリティカルパスを導入し,在院日数の減少に努めています.毎週月曜日は機能診(入院時評価)と装具診,水曜日は車椅子診,金曜日は総回診と評価会議(症例検討会)があり,その他随時スタッフ会議を行い,筋電図検査等研修も充実しております.一緒に勉強したい方の希望を心よりお待ちしております.(大井清文)

いわてリハビリテーションセンター/〒020 -0503 岩手県岩手郡雫石町七森 16-243/Tel019-692-5800,Fax019-692-5807,E-mail: irc@rnac.ne.jp,URL: http://www.rnac.ne.jp/~irc/
左から大井,徳永,柏木,高橋,立木 各医師
(リハニュース17号:2003年4月15日)