
当院のリハ関連部門の歴史は,1960(昭和35)年に中央診療施設として物療部が開設されたことに始まる.1980(昭和55)年には物療部の改称(理学療法部)と同時に作業療法部が,新設された.2003年4月,これら2部門に言語聴覚療法,精神科作業療法が加えられ「リハビリテーション部」と改称し,中央診療施設の大きな一部署となった.診療業務を行う医師はリハ専門医3名〔助手(筆者),保健学科教授(立野勝彦,染矢富士子)〕のほか,他院からの研修医1名(高橋友哉)が週一回来院しリハ研修中である.コメディカルスタッフはPT
7名,OT 4名(うち精神1名),ST 1名,受付事務1名のほか,保健学科よりPT 4名,OT
5名,ST 1名が診療業務にあたっている.
新患外来は週3回設けている.年間新患件数は1989(平成元)年度600件,1993年度800件,1998年度1,000件と年々増加の途をたどり,2002年度は1,300件を超えた.急性期の患者が多いが,疾患等の内訳は開胸・開腹術後,廃用症候群,悪性疾患,脳神経外科疾患,神経内科疾患,皮膚科疾患(主に強皮症),糖尿病・肥満の運動療法,CPハイリスク児,切断,整形外科疾患,特殊疾患など多岐にわたる.
当リハ部の院内診療活動として,脳神経外科学教室のカンファレンスや病棟回診への参加,皮膚科膠原病班や内科糖尿病班のカンファレンス参加,嚥下障害患者に対するNSTとの連係,ICUやHCUのNsに対する呼吸理学療法の実技レクチャー,NICUにおける新生児の寝かせ方や抱き方指導などがある.中央診療施設として病院全体に貢献すべく各部署との連係を大切にし,ならびに専門的リハを追求する姿勢をもち診療にあたっている.
当院リハ部の週間スケジュールには,新患報告会,コメディカルを含めた症例検討会,保健学科との合同抄読会などがある.またリハ医は院内回診を行っているが,当部が担当する入院紹介患者は随時約80人と極めて多いため,週2回に分け回診している.4人のリハ医は皆,回診を通して院内全体のリハ対象患者を把握でき,自分の担当以外の患者についても関心が持てる.患者の治療方針に関するリハ医どうしのディスカッションは活発である.
新しくなった金沢大病院リハ部の見学や研修は随時受け付けております.研修医にとっては,幅広い領域にわたる急性期リハの研修を豊富な症例数をもって行えると考えています.伝統と文化の金沢に興味ある方,スタッフ一同歓待いたします.(八幡徹太郎)
金沢大学医学部附属病院リハビリテーション部/〒920-8641 石川県金沢市宝町13-1/Tel076-265-2000,Fax076-234-4372(保健学科理学療法学 立野宛)
(リハニュース18号:2003年7月15日)