<医局だより>

市川市リハビリテーション病院リハビリテーション科


 当院は,千葉県北西部の市川市に1998(平成10)年に開設した「リハビリパーク」の愛称で呼ばれる市川市保健医療福祉センターの中核をなす施設で,病床数100床のリハ専門病院です.当センターは,リハ病院に加え,介護老人保健施設,訪問看護ステーション,デイサービスセンター,在宅介護支援センターを併設し,市川市の地域医療,福祉の中核をなしており,施設内で介護保険や身体障害者手帳の申請も可能となっています.人口45万人の市が経営母体となり,このような複合福祉施設を運営している自治体は類を見ず,当院の概要を紹介するうえでの大きな特徴の一つとなっています.このため地域の福祉啓蒙活動も重視し,市内の高校生のボランティアの受け入れの場ともなり,研修会を実施し,夏祭りやクリスマスなどの行事に参加してもらっています.
 当院の病棟構成は一般病床50床,回復期リハ病棟50床で,現在のリハ科医師は5名で,うち専門医が3名となっています.リハ科以外には整形外科,内科(消化器科),歯科を標榜しており,整形外科,内科医師各1名,歯科医師1名,リハスタッフはPT 12名,OT 10名,ST 3名,臨床心理士1名,医療ソーシャルワーカー2名が勤務しています.
 対象疾患は脳血管障害患者がリハ科入院患者の8割程度を占め,他は脊髄損傷,外傷性脳損傷,廃用,切断,神経筋疾患などとなっています.脳血管障害患者は近隣の救急病院からの紹介による患者が大部分を占め,発症後2〜6週程度で転院してくる患者がもっとも多くなっています.当院での医師研修は,基本的に慶應義塾大学医学部リハ科の卒後教育の一環として行われています.主に卒後3〜6年目の専修医過程の医師が,リハチームのリーダーとしての役割を十分果たせるだけの実力を身につけることを目的として研修にあたっており,そのための配慮として,外来,新入院患者への対応などを午前中に集中して行い,カンファレンス,装具診察や電気生理,嚥下造影,膀胱機能検査,神経ブロックなどは午後に全員が立ち会い,指導医の指導を受けながら経験を積むことができるようにプログラムを設定しています.
 「リハビリパーク」は高齢者福祉政策に熱意を注ぐ市川市の熱い期待と重い責任を背負って誕生した施設です.まだ,日も浅く,十分な市民サービスを提供しているとは言えませんが,今後もよりよいリハ医療と福祉サービスの向上をめざして努力していきたいと考えております.(赤星和人)

市川市リハビリテーション病院リハビリテーション科/〒272-0802 千葉県市川市柏井町4-229-4/Tel 047-320-7111,Fax 047-339-7520/病院HP: www.city.ichikawa.chiba.jp/net/hoken/reha/index.htm
(リハニュース18号:2003年7月15日)