大阪医大のリハ部門は1954(昭和29)年に整形外科物理療法室として始まり,1968(昭和43)年には理学療法室と改称されるとともに技術員の増員と設備の拡充が図られました.しかし,現在のリハ科の母体は1981(昭和56)年に中央診療部門として新設された「リハビリテーションセンター」であり,今年で22年目を迎えます.
現在の当科医局の専任スタッフは,助教授1,講師1,助手2,専攻医1,研修医2,非常勤講師1,非常勤医師1,診療教育教授1,同助教授1の計11名(リハ専門医5名)です.このほかのリハスタッフは,PT13,OT5,ST4,MSW3,PO1,視能訓練士6,リハ看護師2,技術補助員7の計41名です.
診療面では,総合リハ施設として各科の外来・入院患者に対して急性期〜亜急性期のリハ医療を実施しています(当科新患数は年間約1,200例).脳血管疾患,骨関節疾患,脊椎脊髄疾患,神経筋疾患のほか,手の外科疾患や小児の肥満症,起立性調節障害なども扱っています.また専門外来として糖尿病,関節リウマチ,呼吸器疾患,手の障害のリハがあります.さらに医療相談部との連携で退院前訪問指導や各種社会資源の積極的活用により患者様の在宅復帰の支援に努めています.このほか院外活動として,近隣の老人保健法機能訓練事業や肢体不自由児療育にも積極的にリハ医を派遣しています.
卒前教育では,リハ医学の系統講義(9コマ),クリニカルクラークシップ,basic
OSCEおよびadvanced OSCE実習,PBLチュートリアル,公衆衛生実習(地域リハ),生理学系統講義のほか,他大学(関西医科大学)からの臨床実習生の受け入れや各種専門学校の講義を担当しています.また日本リハ医学会の夏期リハセミナーにも参加しています.
卒後教育では,すでに数年前から臨床研修制度にスーパーローテート方式を導入し,神経内科,整形外科,脳神経外科,小児科,救急医療,外科,麻酔科,循環器内科,呼吸器内科などを卒後2年間に研修できるようにしています.また関連各科からのローテータ,他施設からの研究生や非常勤医師を受け入れています.
研究面では,高齢者の転倒による骨折予防システム(転倒感知装置の開発:特許出願中),骨密度に影響を与える生活様式因子の疫学的研究,老人保健法機能訓練事業に関する研究,装具の研究・開発(すでに「大阪医大式」の名を冠した装具がいくつか開発され,なかでも「オルトップAFO」は全国で年間平均約7,000装具の作製実績),シドニー大学医学部リハ研究所と日豪リハ医学教育の共同研究,糖尿病の運動療法,などを行っています.
2004(平成16)年春には回復期リハ病棟(約40床)が開設され,教員ポストの拡大が予定されています.今年の阪神タイガースのように,「近畿のリハをレベルアップしたるでぇ」とお考えの方は,是非とも下記にお問い合わせ下さい.
(山口 淳)
大阪医科大学リハビリテーション医学教室
〒569-8686 大阪府高槻市大学町 2-7
Tel 072-683-1221(代),Tel 072-684-6510, Fax 072-684-6336(医局直通)
E-mail: reh000@art.osaka-med.ac.jp
URL:
http://www.osaka-med.ac.jp/deps/reh/index.html
(リハニュース19号:2003年10月15日)