Journal of Rehabilitation Medicine(以下JRM)は、Olle Hk教授(1998年まで編集長)によって1969年に初めて刊行されました。その後1999年以降は、Gunnar Grimby(筆者)が編集長を務めています。
刊行当初、当誌はScandinavian Journal of Rehabilitation Medicineという名称であり、その掲載論文も主に北欧各国からのものでしたが、そのかかげた目標と科学的な厳密さによりその後すぐに国際的に認知されるようになり、また日本をはじめとする世界各国から多くの投稿数を数えるようになりました。JRMと日本リハ医学会との連携、また日本の研究者とのますますの協力関係は大変喜ばしいことであります。現在、日本から2名の著名な研究者(千野直一教授、蜂須賀研二教授)に編集委員を務めていただいています。個人的にも、私自身が2000年に日本リハ医学会のHonorary memberにしていただいたことは大変光栄でありました。将来的に、両者の専門的な結びつきがよりいっそう強固になることを望んでいます。
JRMは隔月で出版されており、すべての投稿論文は少なくとも2名の異なる国の査読者により専門的に査読されます。当誌は、スウェーデンの非営利専門団体であるFoundation
of Rehabilitation Informationによって運営され、また世界を代表する学術出版社の一つであるTaylor
& Francis社により出版されています。2001年には、JRMはUEMS(Union Europenne
des Mdecins
Spcialistes)のEuropean Board of Physical and Rehabilitation Medicineの公式雑誌となりました。
JRMは原著論文、総説論文、症例報告、新規の興味深い知見もしくは試験的研究に対する短報、特別寄稿、投書を掲載しています。当誌は、様々な患者集団における臨床研究、機能評価法や特定の介入治療に関する研究、生体およびリハ医学における方法論的論文、障害状態における疫学的研究、リハの職業および社会医学的側面に関する研究等々を含む、リハ医学におけるさまざまな研究領域のひとつの討論の舞台となることを目的としています。また当誌は、Index Medicus /MEDLINE、Current Contents/Clinical Practice、Excerpta Medica/EMBASE、Biological Abstractsといった、多くの検索および抄録データベースに載っています。
当誌には、世界中の研究者から原稿が投稿されていますが、依然としてヨーロッパ各国からの原稿が主であります。しかしながら、日本からの投稿原稿の数については、2000年は5本だったものが2002年には16本と増えつつあります。
購読者は世界各国にわたり、現在では1,000以上を数えています。そのうち、200以上がオセアニア(オーストラリア、ニュージーランドおよび近隣諸国)、日本であり、中でも日本は最大数(137)の貢献をしています。また、アメリカがほぼ300で、その他がヨーロッパ諸国です。
すべての原稿は、少なくとも2名のその研究分野における専門の研究者と、また多くの場合、1名の統計学の専門家によって査読されます。目標は査読期間を3ないし4週間以下とすることですが、現状では約6週間かかっています。受諾後、掲載までにかかる時間は校正にかかる時間によって決まりますが、この校正作業には再査読と、それに加えて、編集、植字および校正刷りの確認が含まれます。受諾から掲載までの平均的な時間は6カ月でありますが、3から8カ月の幅があります。当誌においては、投稿原稿の約65%が受諾されず、他のリハ医学関連の学術誌と比べてやや高い掲載拒否率となっています。これにより、高い科学的水準を維持すると当誌は認知されていますが、また逆に、当誌の主領域から幾分外れた内容の論文は、少なくとも当誌を通しては、リハ関係の読者が利用しやすいとはいえないともいえるでしょう。
近年、インパクトファクター(以下IF)について論じられることが非常に多く、また研究・助成金団体は、一部このIFを評価や援助に利用しています。リハ医学や臨床的研究を目指した比較的小さな専門領域を扱う学術誌においては、IFは不幸にも、また不相応にも、他領域の学術誌と比較して小さい値にとどまってしまいます。それにもかかわらず、JRMは過去数年間IFが増加しており、また現在、リハ医学関連の“すべての”学術誌のなかで第2位に格付けされていることは喜ばしいことです。Archives of Physical Medicine and Rehabilitationだけがこれより上位にあります。IFは通常、ある年(たとえば2002年)において、その前2年(すなわち2000年と2001年)に掲載した論文が引用された数を、この2年間に掲載した総論文数で割ることにより計算されます。当誌の2002年のIFは1.333であり、これは2001年(1.101)よりわずかながら増加しています。また何年も前に掲載され、現在でも引用されている論文もかなりの数があり、これはそれらの論文が変わりなく重要であることの証明であります。
我々の将来的な目標のひとつは、ヨーロッパ以外の諸国からの原稿をより多く掲載することであり、また現在特に日本の研究者に対して我々の雑誌に投稿していただくように案内をさせていただいております。我々はあなたの研究結果発表が世界中の対象とする読者に届くことを保証し、またあなたの投稿が当誌の評価を高め、ひいては購読者を世界中に増やすことにつながると確信しています。
論文の見本例に関しては、
http://www.acta.dermato-venereologica.c.se/JRM/JRM.htmのサイトでご確認ください。このサイトでは、1冊分の論文が利用可能であり、また見本例を送付するように注文することもできます。また他にも、当誌に掲載された論文(英語)の日本版もいくつかのせてあります。このサイトに掲載されたその他の情報についてもご参照ください。
(リハニュース20号:2004年1月15日)