当センターは、1955(昭和30)年に全国17番目の肢体不自由児施設として長野県諏訪市に開設されました。1981(昭和56)年には下諏訪町に移転新築され開設50周年を迎えようとしています。経営母体は社会福祉法人で民立民営の施設ですが、県立の養護学校小学部から高等部までが同じ建物にあり、医療と教育が一体となった全国でもめずらしい形態を生かして、脳性麻痺を中心とした障害児療育を実践しています。民営の施設ではありますが、県からも県の中心的な療育施設として支援をいただいています。
現在、肢体不自由児施設と重症心身障害児施設あわせて127床で運営しています。医師は常勤5名、その他非常勤各科医師25名、リハスタッフはPT 11名、OT 9名、ST 4名、臨床心理士2名が所属しています。病棟スタッフは看護師44名、保育士26名で訓練室での専門的な訓練指導を、子供の意欲を引き出す工夫をしながら日常生活に取り入れていく努力がなされています。学校生活にもカンファレンスや情報交換により、立位歩行訓練の実施や統一したかかわり・指導が実施できるように、学校との連携も密にしています。入院児障害の重度化により登校の準備に時間がかかるため、学校の先生と病棟スタッフが一緒になって準備介助し、子供たちを登校させる風景が毎朝展開されています。
入院の適応に関して、重症児は長期入院となりますが、発達期に実施する約1カ月の母子入院、平均2カ月の入院集中訓練、年長脳性麻痺児者の機能維持のためのリフレッシュ入院など、在宅生活を支援する療育メニューを充実させています。田中長野県知事の配慮で入院児はインターネットでいつでも院外との情報交換ができるようになっています。立地条件も諏訪湖に近く、標高は750 mで夏は涼しく、風呂には温泉が引かれており、入院児や母子入院の保護者にも好評で、県外からの入院希望も増えています。
対外的な事業としては、地域療育等支援事業の県の療育拠点施設、諏訪地域の支援施設に指定されており、保健所で実施されている心身障害児早期診断クリニックなども積極的に実施しています。子供たちの意欲を高め、持っている能力を最大限発揮させるためのリハのあり方を確立すべく、それぞれの専門性を生かしたチームアプローチを実践しております。小児、特に脳性麻痺のリハに興味のある方はぜひご連絡ください。
(朝貝芳美)
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信濃医療福祉センター
〒393-0093長野県諏訪郡下諏訪町社 6525-1
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http://www.shinano-iryo.or.jp(リハニュース21号:2004年4月15日)