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介護保険検討委員会

−介護保険検討委員会の発足について −


 1. 介護保険制度の見直し
 介護保険制度は、2000年の4月に導入されてから、まもなく4年になります。昨年9月に世論調査を行った読売新聞は、介護保険制度について、評価している(58%)が、評価していない(34%)を大きく上回ったと報告しています。これは趣旨や制度についての認知度が高まり、制度によるサービス利用者が増しているためと分析されています。
 一方2000年4月末に218万人であった要介護認定者は、2003年10月末には371万人と70%増加しています。認定区分別の増加割合を見ると、2000年4月末と2003年10月末を比較した場合、要支援:91%、要介護1:115%、要介護2:55%、要介護3:47%、要介護4:54%と、要支援および要介護1の増加率が高い特徴がありました。これにともない介護保険給付費は、2000年度の3.2兆円から2004年度の5.5兆円へと増額されています。このような分析から、財政面を考えると、いまのままの介護保険制度を存続できるのかが懸念されています。
 2. 厚生労働省:介護保険部会等
 もともと介護保険制度は、法律の付則で、法律が施行されてから5年後(2005年4月1日)を目途に、必要な見直しを行うこととなっています。このため厚生労働省の社会保障審議会に、この問題を検討するための「介護保険部会」を設置しました。
 この部会では、2003年5月27日から2004年3月9日までに9回の会議を開催しています。また、本年1月には厚生労働省内に「介護保険改革本部会」が発足し、今後6月までに議論がとりまとめられるとのこと。その先は、今年の7月頃に介護保険制度改定案が示され、さまざまな手続きを経た後、来年4月に改定された介護保険制度が施行される見通しです。
 3. 制度改定の論点
 すでに述べたように、介護保険制度の財政的な側面が大きな課題ですが、それ以外にも検討すべき事柄が数多くあります。たとえば介護保険部会の第3回会議資料によりますと、
a. 介護保険と障害保健福祉施策の関係
b. 介護保険と年金の関係
c. 介護保険と医療の関係
d. 介護予防と各種ヘルス事業との関係
e. 介護事業計画と各種地域計画との関係
などがあるようです。
 介護保険部会の議事録および資料は、社会福祉審議会のホームページから閲覧することができます。(http://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/shingi.html#sya-hoken
 4. 日本リハ医学会「介護保険検討委員会」
 介護保険は、リハ医学と極めて関連が深い事柄です。そこで日本リハ医学会では、「介護保険検討委員会」を新たに発足させることにしました。この委員会の役割は、今後、 介護保険がどのように改定されるのか、それが高齢者や障害者のリハにどのように影響を及ぼす可能性があるのか、などについて情報を集めることです。検討結果は、本学会ホームページや学会誌上、あるいはリハニュースなどに逐次報告する予定です。しかし即時性がある情報は、まずホームページ上に掲載することになります。
 2004年3月10日に、準備のための会議が行われ、活動を開始します。この件について、会員の皆様からのご質問・ご要望をお寄せください。

(委員長 大橋正洋)
(リハニュース21号:2004年4月15日)