<医局だより>

獨協医科大学リハビリテーション科学教室


 獨協医科大学は「療育の父」といわれた高木憲次博士らの意志を継承して1973(昭和48)年に開学しました。当教室は翌年4月、わが国最初のリハ医学の講座として高橋勇初代教授を迎えて臨床医学系教室として開講しました。1979年には大学院が開学し、リハ科学は社会医学系として基礎医学分野に所属しています。1999年からは古市照人教授が江藤文夫教授から引き継ぎ講座を運営しています。
 現在、臨床面では大学病院1,200床の特定機能病院のリハセンター機能と27床のリハ科単独病床を受け持つリハ専門病棟機能を並行して管理運営しています。内科系、外科系一般診療科をはじめ救命救急センターからNICUを含めた総合周産期母子医療センター、痴呆疾患センターまで幅広く依頼先があり、地域医療の中核病院であることから急性期から慢性期まで、小児から高齢者まで経験症例には事欠かない状況です。2003年度の新規症例登録者数は1,300例に及びました。最近の5年間でほぼ倍増しています。内訳は、脳卒中その他376例、脊髄損傷その他66例、骨関節疾患375例、脳性麻痺79例、神経筋疾患140例、切断24例、呼吸器疾患76例、循環器疾患35例、その他嚥下障害、乳癌・腹部外科術前術後、熱傷、廃用症候群、肥満、糖尿病、痴呆症など129例です。これら正規登録症例以外に、DPC導入などによる極端な在院日数の短縮やクリニカル・パスの導入拡大の影響で問合せのみの症例があり、今後、対象症例の大幅な増加が予想されています。地域リハについては、「栃木県リハ談話会」を主催し周辺医療機関と連携し、行政面では各種審査会などで全面的に協力し、大学に隣接した保健福祉施設とは直接医療サービス面に参加して地域リハの推進にも力をいれています。
 教育面では、開学以来全国でも有数の授業時間と内容を誇り、臨床実習の中核を占め、卒後教育でも他大学から専門医を目指す医師を多数受け入れています。研究面では、日本リハ医学会だけでなく日本老年医学会、日本義肢装具学会など関連学会での活動とともに、コメディカル職種においても各領域の学会活動を奨励しています。地域密着型の病院機能を活用して急性期から地域保健施設まで一貫した研究を行えることが特徴です。
 日常診療のほか大学関連ではリハ科はアーリーエクスポージャーやオープンキャンパスの目玉コーナーであり、大学病院では中央サービス部門として、医療安全・医療サービス向上目的の介助法等の職員講習会主催など学生や教職員対象のニードも拡大の一途です。このように教職員との接点が増えていることから、毎週行っているリハ科入院以外の他科入院症例に対する教授回診も主治医や病棟スタッフがてぐすねひいて待ってくれている状態(?)で学内・病院全体での連携が大いに深まっています。(吉田健哉)

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獨協医科大学リハビリテーション科学教室 〒321-0293栃木県下都賀郡壬生町北小林880
TEL 0282-86-1111, FAX 0282-86-6943
E-mail: furuichi@dokkyomed.ac.jp
(リハニュース22号:2004年7月15日)