<医局だより>

関西労災病院リハビリテーション科


 当院は、人口46万人余りを有する尼崎市に位置し、急性期高度医療を提供する中核病院として、勤労者医療と地域医療の推進に積極的に取り組んでいます。19の診療科を有し、病床数670床、1日平均外来患者数1,600人の急性期一般病院です。
 その中で、リハ科は1953(昭和28)年開院当初から理学診療科として始まっています。現在、専従医としてリハ専門医2名(日本リハ医学会理事住田幹男先生、筆者)、研修医1名の3名がいます。コメディカルスタッフはPT 12名、OT 5名、ST 3名、外来看護師1名、PT助手3名です。
 外来では、各種疾患の通院リハ診療に加え、他科入院患者のリハ診療も担当しています。疾患は、脳血管障害、脳腫瘍、神経筋疾患、循環器疾患、胸腹部術後、咽喉頭腫瘍、骨関節疾患、廃用症候群などと多岐にわたっており、特に神経内科、脳神経外科とはそれぞれ週1回カンファレンスを行い、情報交換を密にし、よりよいリハを提供するよう心がけています。また患者・家族、主治医、リハ医、看護師、担当訓練士、MSWによるスモールカンファレンスを設け、治療方針、ゴール、入院期間についてより詳細な協議を行っています。
 嚥下造影検査、電気生理学的検査も行っており、特に嚥下障害については急性期脳血管障害から高齢者、反回神経麻痺、咽喉頭腫瘍、舌癌患者などさまざまな患者が紹介され、耳鼻咽喉科・歯科口腔外科・栄養管理士と連携をとりながら診療しています。装具診では各種装具、義肢、車椅子の処方も行っています。
 当科は18床のベッドを有し、脊髄損傷、切断、脳血管障害などの入院患者の主治医となっています。近年は近隣に回復期リハ病床が増えたためか脳血管障害患者は減少し、脊髄損傷患者(特に頸髄損傷)の占める割合が多くなっています。人工呼吸器管理を必要とする高位頸髄損傷患者の呼吸器離脱訓練やパソコン・環境制御装置使用訓練なども積極的に行っています。在宅医療室と協力し、家族への介護指導や各種制度の調整を行い、地域医療機関と連携し自宅退院までサポートしています。
 急性期一般病院のリハ科としてまだまだ課題も多く、毎日があわただしいですが、幅広く、内容の濃い研修ができる病院です。見学・研修は随時受け付けています。連絡をお待ちしています。 (土岐明子)

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独立行政法人 労働者健康福祉機構
関西労災病院リハビリテーション科
〒660-8511兵庫県尼崎市稲葉荘3-1-69
TEL 06-6416-1221, FAX 06-6419-1870
HP: http://www.kanrou.net/index.html
(リハニュース22号:2004年7月15日)