<報告・印象記>
海外リハ医交流印象記
St. Luke's Hospital
(オーストラリア・シドニー)
Dr. Peter James Scougall
Dr. Peter James Scougall
日本リハ医学会が私を海外交流医に選んでくれたことに大変感謝いたします。美しい国日本を1週間十分に楽しみました。私は日本で多くのことを学び、自分の臨床に生かし同僚と共有したい多くのアイデアを私の国に持って帰ることができました。
南川義隆先生は日曜日に私を空港まで迎えに来ていただき、大阪でもてなしてくれました。
月曜日には大阪大学医学部を訪問し、森友寿夫先生や村瀬剛先生と共通の研究テーマであるキーンベック病の運動学、評価法、舟状骨偽関節、その他の手根部の病変について討論しました。その後研究室を訪問し大学院生の岡久仁洋先生、後藤晃先生と手根部の動きの研究について討論しました。訪問の後、岡先生、後藤先生は私を京都観光に連れて行ってくれました。その夜は南川先生の自宅に招かれ夕食をごちそうになりました。
火曜日、南川先生は私をメイフラワー病院に連れて行ってくださり、リウマチの手の手術とリハについて討論しました。午前中、外来とリハ室を訪れ、病院の療法士とリハの手技について討論しました。前腕の回旋を矯正する装具など興味深い装具や伸筋腱断裂後のバディーテーピング法など簡単でありながら効果的な手技を学びました。患者さんが手の巧緻性を示すため美しい折り紙を折ってくれました。私はそれをお土産としてオーストラリアに持って帰りました。昼食時、50人の病院職員に約50分間のベトナム、ミャンマーにおける手の手術とリハについて講義を行いました。これはRotaryが出資した事業で、シドニーのBruce Conolly 教授と一緒に関わっています。午後、私は南川先生の興味深いリウマチの手術を見学しました。私たちは手関節の手術における軟部組織の処理や指の関節に対する関節表面の人工関節置換など、南川先生のいくつかの新しい手技について話し合いました。
水曜日は北條達也先生が京都観光に連れて行ってくれました。そして夜は平澤泰介教授が素晴らしい食事で歓待してくださいました。
木曜日、私は名古屋大学医学部大学院の中村蓼吾教授、堀井恵美子先生を訪問しました。Tim Herbert 先生に指導していただいた私が特別興味をもっているキーンベック病の詳細について議論しました。私は「キーンベック病、尺骨偏位と月状骨の形」という題で発表しました。特に橈骨骨切術、血管柄付骨移植術についての中村教授との議論に興味がありました。最初にこの技術を本で知ったのは数年前でしたが、専門家からそのこつを学ぶことができて良かったと思います。中村教授はその夜素晴らしい食事に招待してくれました。
金曜日は佐久間雅之先生が名古屋掖済会病院に連れて行ってくれました。そこで私たちは手の外傷の管理、特に局所のフラップと微小血管テクニックを用いた軟部組織の被覆について議論しました。佐久間先生は多くの興味深い患者を提示していただき、彼が開発した微小血管手術後の組織潅流のモニターを標準化した素晴らしいテクニックを紹介してくれました。その後リハ訓練室に行き、何人かのハンドセラピストと訓練やスプリントについて議論しました。
素晴らしい1週間を送ることができ、この機会を与えてくれた日本リハ医学会に大変感謝しています。私は多くのことを学ぶことができました。私をもてなしてくれたすべての方々、特に南川先生、平澤教授、北條先生、中村教授の寛大さ、歓待に感謝したいと思います。11月に大阪で開かれる手の外科学会で再度訪問できることを楽しみにしています。
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翻訳;越智文雄/国際委員会海外交流医担当
リハ医学41巻4号に交流報告を掲載
(リハニュース22号:2004年7月15日)