1928(昭和3)年、久留米市と日本足袋(ブリヂストンの前身)の協力の下、久留米大学の前身である九州医学専門学校が設立されました。現在、久留米大学には5学部11学科、2附属病院、附設中・高校の施設があり、全体で8,800名の学生、2,800名の教職員が在籍しています。リハ部門では、私が1,263床の急性期病床を持つ大学病院リハ部の責任者、梅津助教授が50床の回復期病棟を持つ300床の医療センターリハ科の責任者、リハセンターはこれら大学全体のリハ医療を統括する部門ということで、整形外科の永田教授がセンター長を兼務しています。実質的な運営は副センター長の私が行っていますが、リハ部門は常勤医師5名(教授1、助教授1、助手3)、非常勤医師4名、大学院生医師2名の陣容です。来年度からはリハセンターで3名ずつの卒後臨床研修が開始されます。少人数ですが若いリハ志望の医師がおり、彼らを一人前のリハ医にするために、梅津助教授にご尽力いただいています。
主な研究テーマは筋骨格系廃用予防ですが、無重力による廃用は興味あるものであり、(財)日本宇宙フォーラムより助成を受け、公募地上研究「宇宙環境で有効な骨格筋維持装置開発の研究」を行いました。本年9月4日の成果報告会では、筑波宇宙センターの研究員から、われわれの方法が宇宙飛行士の筋力維持に使用できる可能性が示唆され、研究を継続しています。その他、研究部門では、バイオメカ研究の充実を図っていますが、先日、企業からの依頼で最新型の洗濯機数台がリハセンター動作解析室に持ち込まれ、洗濯機の違いによる腰部負荷を梅津助教授が中心となり解析しました。このような企業からのオファーへの迅速な対応も、大学としてこれからさらに重要になると思います。なお、職員の理学療法士4名も本学の社会人大学院制度を利用し、研究に加わっています。
大学開設76年の歴史の中、久留米大学のリハ医療は新たなスタート地点に立ちました。大きな目標は、大学のリハ医学部門として、臨床、学術、人事、財政、全てにおける真の独立です。容易なことで無いことは身に染みていますが、これからも努力を続ける所存です。今後も日本リハ医学会の皆様のご指導、ご鞭撻、ご協力の程よろしくお願い申し上げます。
(志波直人)
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(リハニュース23号:2004年10月15日)