<医局だより>

財団法人 宮城厚生協会 坂総合病院


 当協会は、宮城県内に4つの病院(坂総合病院、長町病院、泉病院、古川民主病院)を持ち、各々にリハ施設を有しています。2005年度に3病院が総合リハ施設になる予定です。坂・長町は、日本リハ医学会研修病院の認定を受けており、リハ医は、回復期リハ病棟を主治医として管理しています。
 また、協会全体は研修指定病院になっており、研修医も多く活気があります。他科の医師にもリハの必要性は認識されており、ほぼ全科より急性期から依頼が来ます。最近では、リハ科研修を希望する研修医も増えています。
 リハ医は、現在、専門医2人、専任医(専門医志望)3人です。他県の病院より研修に来ている医師もいます。なお、当協会には国内留学制度というものがあり、専門医の2人(水尻、冨山)は約15年前に横浜市大リハ科で研修をしてきました。筆者も、横浜市大・東海大・東北大・聖隷三方原病院の各リハ科で研修させていただきました。現在は、後輩が相澤病院などでお世話になっております。療法士は、現在、PT 30、OT 24、ST 6人で、来年度はPT 44、OT 33、ST 10人まで増員する予定です。
 当協会の特徴は、地域医療の最前線でリハ医療を幅広く展開していることです。対象疾患は、脳卒中急性期〜回復期、高齢者の廃用症候群が主となりますが、訪問診療も行い、在宅患者のカンファランスも実施しています。また通所リハや訪問リハなど介護予防事業にも力を入れています。
 この間、特に取り組んできた課題は、リスク管理(転倒、深部静脈血栓など)、病棟リハ、FIMの導入、摂食嚥下リハなどです。転倒対策では、入院時及び転倒発生時に必ずカンファランスを実施しています。病棟リハは、正規の訓練以外に個別訓練メニューを計画し、訓練量の維持に努め、CI療法(強制的麻痺肢使用訓練)なども積極的に取り入れています。FIMは、研修会に看護師も参加し、病棟や通所リハで活用しています。摂食嚥下リハは、聖隷三方原病院に習って、嚥下造影検査や嚥下内視鏡検査で評価しアプローチを検討、栄養士と連携し段階的な嚥下訓練食も導入しました。
 今後の課題は、脳外科とのタイアップによる脳卒中急性期リハの充実です。
 地域のニーズに応えるためには、まだまだ課題は多いですが、縦にも横にもチームワークが良く、幅広く内容の濃い研修ができるところです。
(金成建太郎)
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財団法人 宮城厚生協会 坂総合病院
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(リハニュース24号:2005年1月15日)