<REPORT>
第34回日本臨床神経生理学会学術大会
市川市リハビリテーション病院
阿部玲音

第34回日本臨床神経生理学会学術大会が、古賀良彦大会長(杏林大学医学部精神神経科学教室教授)のもと、ホテル日航東京(東京都港区台場)にて2004年11月17日(水)〜19日(金)に開催された。
日本臨床神経生理学会とは、筋電図・脳波などを中心とした臨床的な神経生理を研究している学会で、以前は日本脳波・筋電図学会という名称だったが、2000年に名称変更されて現在に至っている。会員数は2,656人で、臨床系の会員が2,070人、そのうちリハ科の医師は135人である(2002年1月10日現在)。
今回の学術集会は、『ここまでできる臨床神経生理 Back to Clinical Neuro-physiology』をテーマとして、一般演題以外にも、臨床神経生理を基礎から応用まで広く学べるよう、多くの教育講演やシンポジウム、ハンズオンセミナーなどが開催された。特別講演では、チューリッヒリサーチセンターのDr. Finkが空間認知について、ハーバードメディカルスクールのDr. McCarleyが統合失調症における臨床神経生理について、東京大学大学院医学系研究科の上野先生が脳磁気科学の新しい展開について、それぞれ貴重な講演をされた。
一般演題については、ポスター形式で400もの演題が集まり、今回の演題発表は、セクションごとに座長ではなくdiscussantを設け、各発表者とdiscussant、あるいは参加者との間で熱心かつ自由な形での討論が繰り広げられていた。さらに2日目の夕方に催された懇親会の席上で、一般演題の中から優れた発表を行った方に対しての表彰があった。
学術大会中に執り行われた総会では臨床神経生理学会における認定制度についての審議が行われた。その結果、学会の活性化や、臨床神経生理検査や研究の質の保証および水準の向上を図るために、認定制度の構築を推進することが決定された。今後近いうちに、臨床神経生理に関する認定医制度が制定されることになるため、関心のある方は留意すべきことかと思った。
次回第35回の学術大会は、2005年11月に福岡国際会議場で開催される予定とのことである。臨床神経生理に興味のある先生方は参加を検討されてはいかがでしょうか。
(リハニュース24号:2005年1月15日)