<医局だより>

相澤病院リハビリテーション科


 相澤病院(463床)は、急性期医療(新型救命救急センター併設、急性期特定入院加算、平均在院日数約15日)に特化しつつ、さらに地域医療支援病院として、二次医療圏内のかかりつけ医(登録医数約400件)との連携を重点としている。リハ医療は急性期病院であるから必須との位置づけがなされ、在院日数の短縮と在宅復帰率の向上に寄与している。リハ科は、ベッド30床、医師3名、歯科医師1名、理学療法士49名(19名)、作業療法士23名(6名)、言語聴覚士10名、歯科衛生士1名(カッコ内は訪問看護ステーションに所属するローテート訪問リハ担当者数)などで構成されている。
 当リハ科の主要領域として、1) 急性期病院としての早期リハ(365日均質のリハ実施、病棟でのリハ)、2) 就労など社会的再統合を追求する高次脳機能障害のリハ、3) 摂食嚥下障害のリハ、4) 在宅訪問リハ、の4つを掲げている。
 脳卒中リハでは病型別離床プログラムとクリニカルパスを用いた早期リハを実施、平均30日の在院日数で75%の自宅復帰率(2004年度、脳外科と併せた実績、N=579)などをあげている。また自宅退院後のリハに関しては、訪問リハにて継続するシステムを作成し、在宅診療・在宅リハをくまなく網羅する地域リハモデルを年々バージョンアップしている。
 高次脳機能障害では県外からの紹介患者も多く、長野県高次脳機能障害支援事業拠点病院として診断・リハから始まり、職業センター(長野センター、幕張の総合センター)との連携を恒常化、就労への援助まで継続実施している。
 急性期病院におけるリハ科医師の存在は不可欠であり、365日切れ目なく継続する院内のリハと診療を担うことは、正直言ってしんどいものがある。一方、急性期脳卒中リハや高次脳機能障害リハの治療実績をエビデンスとしてまとめる作業も課題である。その意味からもリハ科医師確保とリハ科専門医育成は最も重要な課題と感じている。当院での初期臨床研修医の中からリハ科に興味を持つ医師を増やすことが懸案であり、今年度入職初期研修医の中にはリハ科志望医師が既に研修を開始しており、漸く曙光が差しつつあると感じる今日この頃でもある。
 今夏期セミナーに訪れたのは、リハ科と当院ER見学をセット希望する学生であった。当院独自のシステムをアピールし、地域志向のリハ科医師を育成したいと感じている。        (原 寛美)
*****************************************
特定医療法人慈泉会相澤病院リハビリテーション科
〒390-8510長野県松本市本庄2-5-1
TEL 0263-33-8600, FAX 0263-33-8609
URL:http://www.ai-hosp.or.jp/

(リハニュース27号:2005年10月15日)