里宇明元教授の就任以来、スタートからの全力疾走(本人は軽いジョッギングのつもり?)に総勢46名の医局員一同、臨床から教育、研究活動に至るまで追走に必死の毎日ですが、今回は慶應義塾が21世紀におけるグランドデザインとして掲げる「感動教育実践」「知的価値創造」「実業世界開拓」のキーワードをもとに、私たちの医局を紹介したいと思います。
●社中協力と感動教育実践:慶應義塾を構成する教職員等のすべては「社中」と呼ばれ、「社中協力」の精神は医局員の強い絆にも息づいています。今春はレジデントを中心としたリクルートが実り、2名の専修医と脳外科からの転科1名を迎えることができました。教える者と学ぶ者の分を定めず、それぞれの分野で一日の長のある者が教えるという「半学半教」(師弟ノ分ヲ定メス教ル者モ学フ者モ概シテコレヲ社中ト唱フルナリ。)を実践すべく、多数の特色ある研修施設の協力を得た質の高い教育プログラムにより、本年度も5名におよぶ独立自尊の専門医を輩出することができました。
●自我作古と知的価値創造:「我ヨリ古(いにしえ)ヲ作(な)ス」とは、前人未到の分野に挑戦し、困難や試練に耐えて事態に当たる勇気と使命感を表し、慶應義塾の主義が記された『慶應義塾之記』の中で、前野良沢、杉田玄白らの医学書翻訳事業を讃えた言葉として用いられています。私たちは新たなエビデンスの創出へ向け、中枢神経可塑性による運動機能改善、神経幹細胞移植における神経機能再構築などの先端医療に関わる研究や、半側空間無視に対するプリズム療法をはじめとしたランダム化比較試験などを推進しています。
●人間普通日用に近き実業世界開拓:『学問ノスゝメ』には「人間普通日用に近き実学」を社会で生かすことの重要性が説かれています。リハ医学はまさしく経験や実証に基づいた実際に役立つ学問であり、私たちはその具現者として、個々の症例への細やかな対応はもとより、地域に根ざした組織的なリハの体系作りにも取り組んでいます。2004年からは地域リハ支援センターの指定を受けるなど、東京を中心とした都市型リハ診療体制の構築へ向けて大規模プロジェクトを展開しています。
これらの理念を根底とし、和気あいあいとした雰囲気の中で、当教室はリハ医学の未来への先導に挑戦しています。
(山田 深)
<慶應義塾に関わる引用>慶應義塾ホームページ URL :
http://www.keio.ac.jp/index-jp.html" target=outsrc(2006年3月7日引用)
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http://web.sc.itc.keio.ac.jp//rehabil/index-jp.html(リハニュース29号:2006年4月15日)