2006年夏期セミナー参加者の感想 |
医学生リハセミナーに参加して
横浜市立大学
私は医学部入学前に福祉機器に関わる仕事をしており、ずっとリハに興味を持っていました。しかし、大学の講義ではリハに関わるものは少なく、リハセミナーのポスターを発見したときには嬉しくなり今回参加させていただきました。
大学病院では、病棟の回診から外来診察、義肢装具クリニックなどの臨床の場で、小児から高齢者まで幅広い疾患を実際に見ることが出来ました。その中で実際に患者さんの話を聞いたり、許可をいただいて身体を触らせていただいたりして、大学の授業だけでは学びきれないものを学べました。特に、リハ医学とは患者さんの悪い部分を見つけて治す治療の医学とは違い、完全には回復しきれない状態で如何に患者さんの可能性を最大限に引き出しQOLを高めるかということであるということを教えていただき、その為には患者さんとのコミュニケーションやセラピストなど医療チームの充実が本当に重要であるということを改めて実感できました。外来診察においても一人ひとりの患者さんに十分な時間を取っており、先生方が一人ひとりの患者さんの情報を細かく把握しているのが印象的で、なかには何十年も関わっている患者さんもいるというのも驚きでした。
横浜市立大学リハ科は関連施設が多いのも特徴的ということで、今回は横浜市総合リハセンターと横浜市南部地域療育センターも見学させていただきました。リハの領域は、医学から社会福祉の分野まですべてが幅広く関わってこそ真のリハが成り立つものだということを痛感し、このようなリハの充実が全国に拡がっていって欲しいと思いました。
亀田総合病院
たとえ機能回復の可能性が少なくても、リハスタッフの何とかしようという絶対にあきらめない姿勢は、これから私が医師人生を歩む上での大きな励みになりました。片足が動かなければ、他の機能や、道具を使いつつ、その障害を補っていく。患者さんが歩きたいとおっしゃれば、できる手段を考えて努力する。たとえ歩くことができなかったとしても、患者さんと共に考え、共に努力して立ち向かっていく姿は、ある意味で生き甲斐を作ったり、人間関係を広げたりと、大きな力を生んでいると思います。一方で、歩きたくないけれども、日常生活をできる限りこなしたいという患者さんに対しては、早めにオーダーメイドで車椅子を処方し、車椅子を便利に使えるよう指導しつつ、上肢の機能を高める訓練をする。家族の方の要求にも必ず耳を傾け、皆が喜べるような目標を設定する。一人ひとりの違ったニーズを満たすため、家族、社会、環境などの背景も考えながら、教科書には載っていないような考え方で目標設定をし、多職種のスタッフがそれぞれの専門領域を生かして、皆が目標に向かって努力をする。リハは、本当にすばらしい職業だと思いました。本当の医療のあるべき姿は、ここにあるのではと強く感じました。
この度のセミナーを通して、多くの先生方、スタッフの方々のように、将来は、疾患だけをみるのではなく、患者さんの全身を診療でき、家族や社会のことも考えられるリハ医になりたいと思いました。このように考えられる機会を与えてくださったことに、大変感謝しております。
金沢大学
私が今回のセミナーに参加した理由は、BSLでリハ部を見学したときに「リハ医療とは人間らしさを求める医療である」という言葉を聞き、そういう医療に携われたらすばらしいと思い、実際リハ医がどういうことをしているのかを知りたかったからです。
1日目は加賀市民病院、2日目は大学病院で主に急性期リハの外来、回診を見学しました。患者さんを診ているうちに急性期リハ医は、術前・術後の呼吸の管理(指導)をしたり、急性期患者さんの運動療法や作業療法などを処方して、理学療法士(PT)や作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)につなげる役割を担っていることが分かりました。3日目はやわたメディカル病院で回復期リハを見学しました。そこでは、患者さんはリハのために入院していて、患者さん一人につきそれぞれ医師、看護師、PT、OT、ST、ソーシャルワーカーが一人ずつ担当しチームを作っていて、患者さんの障害を把握し、より良い日常生活、社会生活が送れるようにチームでカンファレンスを行っているのを見て、これがチーム医療なのかと実感しました。
普段講義などでは、疾患があれば診断して治療するということまでしか教わっていませんでしたが、このセミナーではその後のこと、すなわち障害の把握をし、患者さんがその障害をもちながら生きていくための訓練や援助をすること(リハ)はとても重要であり、必要なことだと教わりました。
鹿児島大学
4月に入学したばかりの医学科1年生ですが無理を言ってこの度の夏期リハセミナーに参加させていただきました。ヘルパーや看護助手として、デイケア施設や入院病棟で働いた経験があるので、障害やリハを身近に感じていたため、とても勉強になりました。霧島リハセンターでは沢山の患者さん、PT、OTそれになんといってもドクター達までがリハ室でとても長い時間を過ごしていることに驚きました。以前の病院ではリハ室で医師を見かけることもめったになく、患者さん達は数十分のリハが終わったら、そそくさとまた自分のベッドに戻って一日中過ごすといった姿とはとても大きな差があり、これがリハの本来の姿なのだと感激しました。
デイケアで働いていた時は何らかの理由で入院した利用者さん達が必ずADLが大幅に落ちた状態で退院してくる事実にいつも疑問を感じていたので、「病院が寝たきりを作っている」というリハ医としての言葉、「現在は専門性重視の縦の考え方でリハの考え方は横の考え方、みんながリハの意識を持って医療を行なえば沢山の患者が救われる」という話など心に響くお話を沢山伺うことができ、とても考えさせられ、勉強になる4日間でした。
将来離島医療に携わることを夢見る私にとって、過疎化・高齢化の進む離島での医療はリハがとても重要な位置を占めることになると思うので、今回はとても貴重な体験でした。1年生という立場で医学的なことはまだまだわからないことだらけでしたが、リハの心を日本全国へ・世界へ発信していくのだという鹿大リハ科の意気込みを感じることができました。これから勉強に励み、将来どんな形で医療に携わるにしろ、ここで学んだリハの心を忘れず、医療を行っていきたいと思います。
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教育委員会 医学生リハセミナー担当 中馬孝容