<2007/May/16 updated>
Report第32回日本脳卒中学会総会

第32回日本脳卒中学会総会

杏林大学医学部リハビリテーション医学教室
杏林大学医学部付属病院脳卒中センター
 山田 深


本年度日本脳卒中学会総会は2007年3月22日から24日まで、福岡市Sea Hawkホテルで開催され、脳卒中センターのスタッフ13人とともに参加して参りました。 初日は同僚の脳外科医とMRI(磁気共鳴映像法)のセッションで演題を発表しました。t-PA(組織プラスミノーゲンアクチベーター)の認可を受け、いかに迅速かつ正確に虚血領域を描出しうるかが話題の中心で、続いて発表した医療システムのセッションでも、やはりt-PA投与を迅速に行うための組織運営上の工夫が討論されていました。 午後はシンポジウム「脳卒中のリハビリテーションと社会復帰」に参加しましたが、豊田章宏先生は多施設共同研究の結果から、リハ介入の有無で急性期の死亡率に差があったことを示され、「Stroke Unitの運用に最も重要なものはリハも含めた多職種で構成される診療体制である」と結ばれました。 大会全体を通じては急性期管理に対する関心の高まりを強く感じ、その中で早期リハ介入とチームアプローチの重要性が改めてクローズアップされてきた印象です。このような流れを背景としてか、今大会の一般演題はコメディカルからの発表も多く目立ちました。私共のセンターもPT(理学療法士)、OT(作業療法士)、MSW(医療ソーシャルワーカー)がそれぞれ1題、看護師が2題の演題を発表いたしましたが、他病院の同じような立場の方々と議論を深めることができ、スタッフのモチベーションにもつながる大きな収穫となりました。 最後に余談ではございますが、穏やかな春の日差しと潮風の中、空いた時間に波止場でボーっと博多湾を眺めることができ、何よりの息抜きとなりました。のんびりとした時間の流れを束の間ですが味わうことができ、先進の知識とともに、改めて急性期リハに取り組むエネルギーを蓄えることができた総会でした。