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リハニュース No.15

2002年10月15日

  1. 機能評価とリハ医学用語の動向リハビリテーション医学における評価法と用語の課題

  2. 評価法動向調査

  3. 全国脊髄損傷データベースの構築は可能か

  4. 新理事紹介

    関連専門職委員会  担当理事 住田 幹男

    認定委員会・試験問題作成委員会 担当理事 木村 彰男

  5. INFORMATION

    認定委員会

    教育委員会

    国際委員会

    社会保険等委員会

    障害保健福祉委員会

    北海道地方会

    中国・四国地方会

  6. 医局だより

    兵庫県立総合リハビリテーションセンター

    東海大学医学部リハビリテーション学教室

  7. INFORMATION

    リハビリテーション医学白書委員会

    関東地方会

    平成15年度からの科学研究費補助金 「リハビリテーション科学・福祉工学」の申請

    第40回日本リハビリテーション医学会学術集会

  8. REPORT

    ISPRM理事会報告

    第7回認知神経科学会報告

    第56回米国脳性麻痺学会報告

  9. INFORMATION

    2nd World Congress of the ISPRM

    広報委員会より

  10. 事務局コーナー:事務局からのお願い

機能評価とリハ医学用語の動向リハビリテーション医学における評価法と用語の課題

日本リハビリテーション医学会 評価・用語委員会 委員長
 大橋 正洋 (神奈川リハビリテーション病院)

 現在の評価・用語委員会は,それまでにあった2つの委員会,すなわち評価基準委員会と学術用語委員会が,平成11年3月に合体して活動を開始したものです.リハビリテーション(以下,リハ)評価法とリハ用語が重要であることは,リハ医学会員であれば誰でも認識していると思うのです.かといって「この評価法あるいはこの用語を使いなさい」と,リハ学会は強制できない,ある種のもどかしさを抱えている点で,評価法と用語には共通な部分があります.すなわち評価・用語委員会は,リハ医の活動を概観した上で,標準的な評価法や用語を学会として認知する作業を行ってきたのです.

 ところで,すでにご存知のように,WHOは,新しい評価法としてICFすなわちInternational Classification of Functioning, Disability and Healthを提唱しています.これは,評価はこうあるべきという理念を決めて,この理念に基づいて作成した評価法です.
 学会は,WHOが行ったように,一定の理念に基づいた評価法や用語を定め,それを普及させる役割があるという考え方の先生もおいでかと思います.そうであるなら,WHOが提唱したICFも,そのような考え方で作られた評価法なので受け入れなければならないのか? 現時点では,日本リハ医学会がICFをどのように受け止めるか,まだ方針は示されていません.今後,ICFの取り扱いに関して当学会が示す結論は,評価・用語委員会の活動にも影響を及ぼすと考えています.

  ICFの問題はさておき,最近の評価法の問題については,園田 茂先生が活動経過などを報告されています.そこで私は,用語の問題をご紹介することにします.といっても紙面の都合で,多くは述べられません.詳しくは,現在編集作業中の「リハ医学白書」に,リハ医学用語に関する一文を担当しましたので,やがて白書が完成したときにご一読いただけると幸いです.

 ここでは,現在改訂中のリハ医学用語集2002年版の宣伝を少し.リハ医学用語集が,冊子化されたのは平成4年度版からです.用語集は,5年ごとに改訂される方針となり,現在は1997年版(B5判48頁)が使われています.用語集の改訂には,評議員の先生方や,一般会員の先生方のご意見を反映させることになっています.2002度版の改訂については,語数を増やして欲しいとの要望が多く,1997年版の用語集880語を基盤としたうえで,大幅に用語を追加し,B5判70頁程度とすることを計画しています.

 この発刊と送付は平成14年度末までに完了する予定です.今回の用語集改訂作業は,近藤和泉先生がプロジェクトリーダーとして活躍されています.そして委員会の作業には,電子メールが頻繁に活用されています.これは2002年版の改訂作業の特徴ともいえます.
 リハ医学用語集は,リハ医学会員全員に配布されますが,同時に全国のPT,OT,ST養成校にも配布される予定です.リハ医療は,リハ医だけでなくリハスタッフとのチームワークで成り立っています.同じ概念の事柄に,職種が異なるごとに違う用語が用いられることは避けられなければなりません.そこで,この用語集はリハ医学会員以外にも配布されるのです.  

 この考え方を進めると,リハ用語集は,インターネット上で公表されるべきだと思います.そうすることで,行政,福祉,教育,職業などの専門家も,共通のリハ用語を用いてくれる可能性があるからです.用語集をインターネットで開示しているのは,日本救急医学会だけのようです.しかし,リハ医学会も,とどめることのできない情報技術の流れを是非活用して欲しいものです.

評価法動向調査

評価・用語委員会 前委員 園 田  茂 (藤田保健衛生大学七栗サナトリウム)

 私は評価・用語委員会で評価法動向調査のまとめ役をしていましたので,この文を書く機会が与えられました.話はまず私が評価基準委員会(現在の評価・用語委員会)に初めて出席したとき(平成10年度)に遡ります.議論の内容が「この委員会では何をしたらいいのか」でありました.
 その混沌のなかから,現状把握は有用だという結論が出て,評価法動向調査が開始されました.リハの主要雑誌に出てくる評価法をリストアップ・データベース化しようという作業です.評価法抽出作業は,初年度の一人の委員が業務放棄をしたものの,他はスムーズに進行しました.結果の表出手段にインターネットを使おうとの意見は,上部機関で時期尚早とされました.

 公的にはリハ医学に3回(1年分溜まるごとに)発表するに留まりました(リハ医学2001;38:796).あとは電子メールで請求いただければデータベースを送ります,とのメッセージをリハニュースに載せました.調査結果はファイルメーカーを使ったデータベースですから,紙に要約を載せるのでは情報価値は本来の1/10に下がってしまいます.データベースのまま使えば,例えば「慢性関節リウマチ」と「ADL」を掛け合わせて使われている評価法を検索する,逆に,Beck depression inventoryがどんな分野に用いられているか調べるなどが可能となります.

 リハ医学会「脳卒中ガイドライン策定委員会」でも文献のデータベースを現在作成していますが,これらのデータベースは学会員の財産です.是非活用しなければいけません.CD-ROMでの配布が現在理事会に図られています.また,インターネットのweb(ホームページ)上でのデータの配布・ダウンロード(個々のパソコンへの取込)が安価で簡単な方法です.「インターネットを見られない人に不公平だ」との意見もあるようですが,これは,逆にインターネットでダウンロード可能な人が簡単に資料を入手する権利を奪っているとも考えられます.
 今のリハ医学会のサーバーではダウンロードファイルを置く能力がないそうです.これは別のサーバーを借りることで解決します(実際http://member.nifty.ne.jp/reha/hyokayogo/に該当ファイルを置いてあります).

 データベースに限らず,リハ医学会は学会の集めた統計資料などを会員が自由にダウンロードできる機能を整えなければ,他学会や社会に置いていかれてしまいます.既に学会抄録登録はインターネッで行われているわけで,インターネットを使わないリハ学会員の肩を持つことは,電話のない人のことを考慮して電話での受付をしないと宣言するようなものではないでしょうか.情報面でのリハ医学会の発展を祈念しつつ,評価法動向調査の報告を終わります.

 最新情報:10月1日に本学会のサーバー上にファイルを置くことが可能との技術的返事を得ました.

全国脊髄損傷データベースの構築は可能か

燕労災病院リハビリテーション科 真 柄  彰

 私的な考えで単なる思いつきと言われてしまうことを覚悟のうえで述べますが,どうかお聞きください.
 真柄は小粒未熟児で生まれたために左右大脳半球機能に偏りがあるに違いない.論理的思考は一応できるのだが,なぜか漢字が書けず,カルテもリハオーダーも他人には読めない.じつは少年時代の私はラジオ少年でその後もパソコンとつきあいながら生きてきました.リハ医となり,今は亡き荻島秀男先生にバスマジアンのアトランタエモリー大学リハ研究センターへ送り込んでいただきましたが,エモリーではソファにひっくり返ってプログラミング雑誌を読み,朝までキーボードにしがみつく生活をして「英語版脳卒中リハデータベース(RDB)1号機」を完成させました.帰国後燕労災病院勤務,沖電気if800でようやく「日本語脳卒中リハオーダーファイルシステム」が完成.当時のデータは1例につき256バイトを超えず無理矢理データ圧縮技術を開発,これが現在まで改良を重ねているためデータの軽さは誇れます.上田敏先生直伝の12グレード使用,チェックリストは上田らの脳卒中改善剤プロトコルを22年間まだ使い続けております.Quick Basicにより脳卒中版に加え脊損版RDBも使用しています.

 10年前から住田幹男,徳弘昭博らと「全国労災脊損RDB」の開発に着手.ファイルメーカープロによる入力システムは富永俊克らにより開発されていますが,各病院で後方視的に調査項目を入力するのは意外と楽な作業でありません.このことは「脊髄損傷のoutcome」(医歯薬出版)を見ていただければよくわかると思います.真柄式RDBと合体し,患者さんを評価しながらリハオーダーを出し,退院時ケース会議用評価をすればそのデータがセンターへ自動で送られるシステムの開発を思いついたのです.こうすれば研究が前方視的研究に変身するともいえるではないか.そこでVisual Basicによる開発にトライするも,自分が50歳を越えたことに気づき頓挫.労災リハ工学センターと長岡技術科学大学院の児玉直樹の協力を受け,2年かけてVB版を一応完成しwww8.ocn.ne.jp/~magaraに公開しましたが,汎用性と柔軟性にいまいち自信がない.
 例の診療報酬改定でリハ総合実施計画書の自動出力の必要性が発生しました.自作の旧版ではすぐに自動出力可能になりリハ医は大助かりだが,この旧版は全国データベースと調査項目が一致しないため公開困難である.

 そこで思いつき的私案を提案いたします.

  • 現在ある程度までVisual Basicで開発ができている「燕労災型脊損リハオーダーファイルシステム」の柔軟性と完成度を高め,全国どこの病院でも使えるものとして完成させる.
  • これを全国のリハ医が自由に使えるようにする.
  • 入力項目は各病院でカスタマイズできるが,基本的調査項目に関しては調査データの統一のためカスタマイズできないようにする.

 入院時評価と,退院時評価をこのシステムを使用して入力すると,リハオーダーや入院サマリーその他なんでも自動出力されます.当然のことながら,

  • 患者さん本人の同意と承諾が得られた場合には調査に必要な項目データを暗号化してセンターに送信する.
  • とくに氏名などのプライバシーには充分注意するか氏名は送らないこととする.
  • 統計センターにおいてデータの蓄積を行い,研究参加施設には蓄積データを配布できるものとする.
  • できれば日本医師会で開発中の電子カルテシステムORCAとの接続も検討したい.

 と考えてみたが“言うは易し行うは難し”ということは身にしみております.特に全国レベルでこのようなことを行うには,しっかりしたシステムの開発,統計センターの管理など,とても個人や労災病院のみで行うことは困難であります.では学会でこんなことをやろうとしてもそうそう簡単なことではないように思えます.

 当面は,労災病院内でこのようなシステムの構築と運営の継続が可能かどうか挑戦してみて,うまくいきそうなら,また全国リハ学会員に提案したいと考えます.ついでに,リハ医学会が過去に作成した脳卒中アンケート用紙をもとにして,脳卒中版も作りたいところです.脳卒中症例のほうがずっと多いのでシステムの普及推進力に必要と考えるからです.

 よけいなお世話と言わないでください.これからどれくらい時間がかかるかわかりませんが,ご助言いただければ幸いです.

新理事紹介

関連専門職委員会  担当理事 住田 幹男

 (関西労災病院リハビリテーション科)

   多くの諸兄姉のご支援によりこの度新理事となりました.外傷外科学,とりわけ老人の骨折に関わる中で高齢者の問題を,その後小児,特に脳性麻痺児の療育に関わる中でリハの多面的なアプローチの必要なことを痛感させられていました.丁度20年前関西労災病院のリハ科に一人副部長として赴任する機会が与えられて本格的なリハ医療に携わることになりました.労災病院リハ科は,労災医療を政策とする特殊法人ですが,地域のなかでそれぞれ特有の領域をもち,小児の通園施設や養護学校,保健所リハ事業などにも積極的に関わってきました.しかし地域リハ活動の牽引者としてだけでなく,全国労災病院での早期リハの確立とリハ医の育成をめざすようになったのは専門医になってからでした.全国労災病院では,脊髄損傷を中心としたoutcome研究とdatabase centerの立ち上げによるリハ科の活性化を図ることに力を注いできました.兵庫県では兵庫県医師会の中に分科会としてリハ医学会の形成によるリハ医の組織化に着手してきました.近畿地区ではリハ医養成を組織的に形成していく場は少なく,ある程度他科での臨床経験のある医師が多く,整形外科や神経内科医,内科医の出身である.今後大学リハ医学教室出身者が増加すれば近畿地区での若手のリハ医は大きく飛躍していけると考えています.

 さて本題の理事としての私の業務として与えられているのは関連専門職委員会です.委員会の任務はリハ医療においてはチームアプローチが不可欠であり,それぞれの専門職が対等の関係で,専門職同士の連携と共生をめざすこととしており,専門職会議の連絡調整や,在宅訪問リハ講習会,PT・OT養成施設等教員講習会の運営に携わってきていることは会員においても周知のところでしょう.それぞれの職種が国家資格を与えられ,今後のリハ医療のニーズの高まりの中で新たなチームを形成していくことは緊要の課題です.しかしながら臨床心理士・MSW・PSW,福祉介護専門職などの資格制度の動向などはまだ明らかでなく,いまなお大きな課題です.我々としては医療保険診療報酬項目や厚生労働省への要望など関連する委員会と連携を取り合いながら,既に会合連絡調整を進めてきており,今後も適時連絡調整を柱としながら調査活動を活性化して会員諸氏にフィードバックしていきたいと考えています.会員諸氏からのアイデアなども事務局を通じて活発な活動にしていきたいと考えていますのでよろしくお願いいたします.

認定委員会・試験問題作成委員会  担当理事 木村 彰男

(慶應義塾大学月が瀬リハビリテーションセンター)

 このたび日本リハ医学会の理事を拝命いたしました木村です.若輩者ですが,どうぞ宜しくお願いいたします.

 診療報酬の改正をはじめとする医療制度の改革,卒前・卒後教育の改革,認定臨床医の資格更新,地方会制度の確立,国際学会の充実など,数々の問題を抱えている学会の難しい時期に執行部の一翼をになうことには,いささか荷が重い気がしていますが,理事長,常任理事をはじめ各役員の先生方,事務局の皆様と協力して,少しでも学会のお役に立てばと考えております.幸い事務局幹事や各種委員会での委員として学会活動を多少は行ってきましたので,この経験を生かしてゆきたいと考えています.

 私の担当領域は,教育関連の認定委員会と試験問題作成委員会に決まりましたが,この領域だけを取り上げても難しい問題が山積しています.例えば本年度に初めて資格更新の時期を迎えた当学会の認定臨床医制度に関して言えば,専門医の広告解禁に伴い他学会の専門医制度との整合性を図るため,更新制度の見直し作業に取りかかる必要性が生じてしまいました.また脊髄損傷や筋電図など学会主催の実習コースの開催などにも,他の関連委員会と協力しながら取り組んでおります.さらに試験問題については,プール制の導入などの問題があります.おかげで5月の学術集会以来,週末はほとんど学会の委員会などに費やされる日々が続いています.正直言ってかなり大変ですが,理事の中では一番の若手ですので,正面から種々の問題に取り組み,学会員の皆様のためになる制度への改革を推進してゆこうと思っております.

 以前は,理事というと名誉職のように考え,あまりご自身で活動をされていない方もお見かけしましたが,最近では上記のような種々の問題があるため,理事の方々も積極的にそれぞれの分野での学会活動に努力しておられます.私も自ら汗をかくことをモットーに,自分の担当領域のみならず少しでも貢献できる領域があれば,できるだけのことはしたいと考えております.学会員の皆様の現場の意見をできるだけ反映していこうと思っておりますので,問題のある際にはどうぞ遠慮なく忌憚のない意見をお聞かせください.明るく開かれた学会活動を目指して,皆様と役員会を結び付ける橋渡しとして私を利用していただければ幸いです.

INFORMATION

認定委員会

 1. 認定臨床医の資格更新が始まりましたが,資格更新に必要な所定の単位(10年間で40単位)を取得していない先生方がいらっしゃいました.そこで資格更新が不適格とされた場合でも資格更新の期間を2年間保留することができるようになりました.措置についてはリハ医学39巻8号(2002年8月)のお知らせを参照して下さい.2年間の保留期間を過ぎても単位を取得できなかった場合は,認定臨床医資格は取り消されます.また,同時に専門医資格を所持している先生は,認定臨床医資格を維持できなければ,専門医資格も喪失します.認定臨床医資格更新に関する細目はリハ医学39巻9号(2002年9月)に掲載されています.

 2. 本年度より実習を含む研修会(医師卒後実習研修会)が開催されるようになりました.認定臨床医の方はこの研修会参加により,2単位が取得できます.また,研修会受講により,専門医受験にかかわる特例が利用できます.

 3. 日本リハ医学会地方会参加により1単位(筆頭演者は自己申請によりさらに1単位取得可能),認定臨床医生涯教育研修会受講により1演題1単位,学会が認定した研究会などの講演受講により1単位が取得可能です.学会誌のお知らせに会の案内が掲載されます.奮って参加してください.

 4. 認定臨床医の更新期間の猶予制度が存在します.留学・疾病・出産などで更新期間の延長を希望する場合,学会事務局にお問い合わせください.

(委員長 猪飼哲夫)

教育委員会

 1. 認定臨床医生涯教育研修単位が不足している先生方の救済措置として,本年度も2回の全国研修会を予定しています.東京での研修会は平成14年10月26日(土)~27日(日)に飯田橋レインボーホール・家の光会館で開催の予定です.大阪での研修会は平成14年12月21日(土)~22日(日)にWorld Trade Centerコスモタワー(WTCホール)で開催の予定です.いずれも,認定単位は2日で計8単位を予定しています.詳しいプログラムと申し込み方法は本学会誌(8月号・10月号)をご覧ください.

 2. 教育委員会では認定臨床医の生涯教育に関して,地方会を中心とする研修会なら国研修会についてガイドラインを作成しました.近日中に,実習コースについてもガイドラインを作成し,認定臨床医を目指す多くの先生方に知識と技術を身につけていただく機会を提供する予定です.さらに,卒前ならびに卒後のリハ医学に関する教育のあり方を検討し,教育大綱を築き上げることが重要な課題です.会員の先生方からのご意見をお待ちしております.

(委員長 椿原彰夫)

国際委員会

 11月末の締切りで平成15年度海外研修助成募集(リハ医学39巻7号)をしております.本年度までの助成決定者は8名で,地域別では北海道1名,関東1名,中部・東海2名,近畿2名,九州2名となっています.助成内容は学会発表と施設訪問が5名,学会発表単独が2名,施設訪問単独が1名です.本制度の主要な目的は国際交流とその礎となる若手リハ医の育成にあります.したがって,過去の業績も必要な基準を満たしていれば問題なく,むしろ国際交流に積極的な姿勢がある若手リハ医を選出したいと思っています.

 ただし,学会発表助成においては学会の質,すなわち演題採否のための審査が厳しい学会か否かに重点が置かれます.なお,特定の施設・病院に助成が偏らないこと,すなわち過去の被助成者の地域分布も加味して選出することになっています.すでにお知らせいたしましたように,学会助成のみの応募に関しては演題採択通知が締切りに間に合わない場合が多く,平成15年度募集からは採否未決の状態でも応募可能といたしました.その場合は,国際委員会内で1次審査した状態で待機し,採択が決定した段階で順次,理事会に助成の適否を最終決定していただきます.

 訪問研修先については応募者の自由ですが,国際委員会ではHonorary・Corresponding Memberに打診して現在までに,(1)Jefferson Medical College and Moss Rehab Ctr〈Philadelphia, USA〉―主に歩行解析や運動コントロール基礎研究,(2)Rehab Hospital of the Pacific〈Hawaii, USA〉―分野限定無し,(3)Baylor College of Med〈Texas, USA〉―主に疼痛リハ,脳卒中,脊損,頭部外傷,切断,(4)Univ of Minnesota〈Minneapolis, USA〉―分野限定無し,(5)McMaster Univ School of Med〈Ontario, Canada〉―分野限定無し,(6)Royal Perth Hospital〈Shenton Park, WA, Australia〉―脊損,頭部外傷,脳卒中,(7)Klinik Berlin, Free Univ〈Berlin, Germany〉―歩行評価,片麻痺上肢機能訓練,嚥下評価,(8)Lowenstein Rehab Ctr〈Raanana, Israel〉―整形・神経疾患リハ,心理テスト,職リハ,から受入れの内諾を得ています.多くの助成応募をいただければ幸いです.

(委員長 岡島康友)

社会保険等委員会

 4月の診療報酬の改定に伴い,6月に緊急アンケート調査を実施しましたので,その結果について報告いたします.

 アンケートの対象は評議員190名とリハ学会員から無作為抽出した210名の勤務する計400施設.アンケート回収率26%(104件/400).72.1%の施設が,今回の改定はリハ医療の発展を阻害すると回答しています.その阻害要因として,①訓練時間が減少する,②書類業務が増え診療時間を圧迫する,③急性発症の疾患に偏って利益誘導されていることを半数近くが指摘しています.実施計画書は不評で,やや不適切,大変適切でないを合わせると69%が適切でないと回答しています.計画表の問題点として,①記入項目が多過ぎる,②項目が脳卒中に偏っている,③評価方法が不明,④用語が不明確,⑤心理面の項目が不適切であることを挙げています.早期加算については58%の施設から「必要とされる機能訓練の濃密度は疾患名でなく病態によるので,すべての疾患においてリハ医の判断にゆだねられるべきだ」と回答しています.

 今回の改定に伴って,「患者さんの不満を感じる」と回答したのは,骨関節疾患の回復期では57%と高率でしたが,それ以外ではあまり不満を感じていませんでした.訓練効果についても不変との回答が大半を占めていました.このことと,改定後の業務量は,リハ医,PTの半数,OTの40%,STの34%で増加し,診療報酬が請求できない時間の35%をサービス訓練に当てていることから,職員の努力によって,何とか従来のサービスを維持している実態が浮き彫りになりました.

 以上の結果を踏まえて,厚生労働省及び医師会へ要望書を提出いたしました.(集計結果の詳細と各施設からのご意見につきましては,ホームページに掲載いたしましたのでご参照ください.

(高塚 博,委員長 本田哲三)

障害保健福祉委員会

 身体障害者福祉法による補装具給付に関する意見書について
 身体障害者福祉法による補装具給付の判定は厚生労働省社会・援護局 障害保健福祉部長通知「補装具給付事務の取り扱いに関する指針について」の別紙「補装具給付事務取扱指針」(平成12年3月31日障第290号)により行われています.

 同指針では,補装具の交付または修理を業者に委託する場合,補装具給付の要否について,更生相談所が医学的に判定する種目と更生相談所の判定を必要とせず市町村が判断できる種目とに分けられています.前者はさらに直接判定を要するものと,医師の意見書で判定できるものとに,後者は医師の意見書により判断できるものと意見書なしに市町村が判断できるものとに分けられています(表).

補装具交付に係る判定事務の取り扱い
更生相談所が判定 市町村が判断
更生相談所に来所 医師の意見書により判定 医師の意見書により判断 市町村のみで判断
義肢 
装具 
座位保持装置 
車いす(オーダーメイド) 
電動車いす
弱視眼鏡 
補聴器 
車いす(レディメイド) 
頭部保護帽(オーダーメイド)
遮光眼鏡 
矯正眼鏡 
コンタクトレンズ 
義眼 
人工喉頭(笛式) 
歩行器 
手押し型車いす(レディメイド)
盲人安全つえ 
色めがね 
点字器 
人工喉頭(電動式) 
収尿器 
ストマ用装具 
歩行補助つえ 
頭部保護帽(レディメイド)

 本委員会が,補装具給付に関わる医師の意見書について,全国の更生相談所(64か所)にアンケート調査を行い,回答は全施設から寄せられました.

 意見書を作成できる医師の要件を定めている更生相談所は37施設であり,定めていない相談所は27施設でした.医師の要件としては,身障法第15条指定医を挙げた施設が37施設,第19条の更生医療指定機関における担当医師を挙げた施設が11施設でした.その他に補装具適合判定医師研修会修了者,リハ医学会認定臨床医等も挙げられていました.
 意見書の記載項目や内容にみられる問題点として

  1. 障害の状況と処方内容が合っていない.

  2. 具体的処方内容の記載が不十分である(意見書作成医師の補装具に関する知識不足,法の基準の理解が不十分なためと考えられる).

  3. 義肢と座位保持装置に関する意見書は,業者主導の意見書・見積書が多い.

  4. 要介護者へのオーダーメイド車いすの要否判定依頼の理由が明示されていない.

 などの指摘が多く寄せられました.

 補装具給付事務取扱指針では,重度の障害をもつ者または遠隔地に住む者等の利便を考慮する必要があるときは,更生相談所長は身障法第15条第1項に基づく指定医,または同法第19条の2第1項に基づく更生医療指定医療機関において当該医療を主として担当する医師の中から関係医療学会等の意見に基づいて選定した医師に医学的判定を委嘱できるとされています.本学会員にはこれら補装具給付に関する意見書や処方箋を作成したり,更生相談所から交付判定や適合判定などの医学的判断を委嘱される機会が今後増えていくことが予想されます.会員の皆様に,補装具に関する知識と診療経験をもつ専門家として,身体障害者の医療・福祉において相応の役割を果たしていただくことを希望します.

(委員長 山口 明)

北海道地方会

 三上会長のもと第39回日本リハ医学会学術集会が大成功され,いよいよ来年我々北海道大学が担当する第40回学術集会の番となります.第39回事務局の先生方には親切に引継ぎ・ご指導いただき,UMINの演題登録の件や展示,運用の方法など方向性が見えてきました.また5月末には評議員の先生方から,教育講演やシンポジウム・パネルディスカッションについての貴重なご意見を多数いただきありがとうございました.皆様のご期待に添えるよう,準備に全力を注ぎたいと思います.

 今年の秋,北海道ではリハ関連のイベントがいくつか続いています.まず9月6~7日には札幌かでる2・7にて「リハ・ケア合同研究大会・札幌2002」医師・療法士・看護師などリハ関連職種による全国最大の学術集会が開催されました.また今年は4年に一度の(ワールドカップの開催年:同時にわが国初めて)「2002年第6回DPI世界会議札幌大会」が,10月13~20日に札幌きたえーる,JICA北海道国際センターなどで開催されています(DPI: Disabled Peoples' International).どちらも,医療者だけでなく,療法士・看護師・福祉・行政関係者・障害者など多数参加する大会であり,ますますリハ医療の関心が高まってきていることを感じます.

 なお12月14日12:50より北大学術交流会館で第6回地方会を開催します.札幌医大脳外科寶金清博教授,藤田衛生保健大学才藤栄一教授の教育講演を予定しています.一般演題締切は10月末日で,ホームページ http://www.med.hokudai.ac.jp/~reha-w/rehati.htm を参考に,1,000字以内のテキスト本文をe-mailで isek20@med.hokudai.ac.jp へお送りください.

(渡部一郎/北大リハ科)

中国・四国地方会

 中国・四国地方会では,年に2回(夏冬)の学術集会を行っています.冬の大会は,コメディカルを中心とする中国四国リハ医学研究会との同時開催です.次回の第10回地方会は,平成14年12月8日(日)9~17時を予定しています.会場は香川県民ホールの多目的ホール(5F)で,大会長は香川医科大学整形外科教授の乗松尋道先生です.特別講演は,香川医科大学周産母子センター講師の日下隆先生に「リハビリテーションにおける近赤外分光法の基礎と臨床応用」を,和歌山県立医科大学リハ科教授の上好昭孝先生に「骨粗鬆症に対する運動療法―リュックサック療法を中心に―」をお話しいただくこととなっています.一般演題は,日本リハ医学会会員であれば,どなたでも発表可能です.抄録の提出締切は10月18日(金)です(香川医科大学整形外科教室:TEL 087-891-2196).第17回中国四国リハ医学研究会との同時開催となりますので,コメディカルの皆様のご参加もお待ち申し上げています.

(椿原彰夫/川崎医大リハ医学教室)

医局だより

兵庫県立総合リハビリテーションセンター

 兵庫県立総合リハセンターは,昭和21年7月引揚者・戦災者の応急援護施設「兵庫県玉津寮」として発足,以来身体障害者授産施設,特別養護老人ホームなどが順次設置され,病院は昭和44年10月リハセンター附属中央病院として開設されて発展し,現在では県のリハ中核病院として位置付けられております.10万m2以上のセンター敷地内には,9つの組織機構および3つの関連施設(表)が設置されており,統合体としての機能を発揮しつつ医学的リハ・社会的リハ・職業的リハについての多様なニーズに応え,患者・利用者の処遇サービスの向上に努めることを基本理念とし,各施設間の相互協力と密接な連携により総合リハ・アプローチを推進しています.

 センター組織の中心となるリハ中央病院は,300床を有するリハ専門病院で,整形外科・泌尿器科・内科・循環器科・神経内科・リウマチ科・麻酔科・リハ科が常設されており,眼科・歯科が非常設科として診療しています.病院の理念として『患者さんの立場に立ったチームアプローチによるリハ医療』『入院から在宅までの一貫したサービス』『質の高い先導的なリハ医療の追求』を掲げ,診療科の医師31名(写真)全員が,澤村誠志名誉院長の提唱されてきたリハ・マインドを持ち連携して診療に当たり,リハ・チームリーダーとしての役割を果たしています.医師は各所属学会の専門医・認定医ですが,リハ専門医は5名,認定臨床医は14名が所持しています.

 入院病床300床のうち整形外科100床は一般病棟で,人工関節置換術を中心に年間800~900例の手術件数を記録しています.脊損と切断の病棟(50床)と神経難病を中心とした病棟(50床)は特殊疾患療養病棟として認定されています.残り100床が本年7月1日より算定が許可になった回復期リハ病棟で,脳血管障害や頭部外傷後遺症を中心に対応しており,専従医・専従セラピストによる会議を月1回開き反省と改善への努力を続けていく所存です.当院はリハ総合承認施設であり,理学療法士26名(他に各施設に5名配属),作業療法士14名(他に各施設に5名配属),言語聴覚士6名,臨床心理士1名がリハ療法部に在籍しています.診療報酬の改定など厳しい環境の変化にも,看護部・事務部門を含めたチームワークで対処していきたいと考えております.

(中野恭一)

総合リハセンター組織機構 

  • リハビリテーション中央病院
  • 重度身体障害者更生援護施設   (自立生活訓練センター)
  • 勤労身体障害者体育館
  • 家庭介護・リハビリ研修センター
  • 福祉のまちづくり工学研究所
  • 職業能力開発施設
  • 身体障害者授産施設(あけぼのの家)
  • 救護施設(のぞみの家)
  • 特別養護老人ホーム(万寿の家)

関連施設

  • 兵庫県立身体障害者更生相談所
  • 兵庫県立障害者高等技術専門学院
  • 兵庫障害者職業センター

兵庫県立総合リハビリテーションセンター
〒651-2181 兵庫県神戸市西区曙町1070
Tel 078-927-2727,Fax 078-925-9203
HP: http://www.hwc.or.jp/hospital/index.html

東海大学医学部リハビリテーション学教室

  「名医より良医」をモットーとする東海大学は昭和56年4月に本邦で4番目(総合大学では初めて)のリハ学講座を設立した.現在は第二代の石田暉教授をはじめ26名の医局員がおり,多彩な経歴(脳外科,神経内科,内科,心身医学の認定医など)のある他大学出身者(10大学)を含む「開かれた医局」となっている.医学部と併設する1,133床の東海大学病院(本院)は総合承認施設であり,2005年にリニューアルオープンする.他にリハ医常勤の付属病院として50床のリハ専有病床を持つ大磯病院,2002年にオープンした八王子病院(500床)があり,さらにリハ医非常勤の東京病院(155床)がある.

 診療において本院のリハ科総件数は年間92,414名(平成13年度)であり,「早期からインテンシブなリハ」を命題に救命救急センターから対応を開始し,内部障害にも力を入れている.また骨髄移植後のリハやボツリヌス毒素も用いた治療も行っている.臨床各科との協力体制は良く,研究もしやすい環境にある.

 過去5年間の当教室における研究活動で文部省科学研究費を例にとると「急性期脳卒中リハ有効性に関する研究」「脳卒中患者のQOLの評価と治療」「脳卒中排尿障害患者の評価とリハ」「音声分析装置による嚥下障害の評価」「脳の非侵襲的刺激による運動機能の回復」等があり多彩な内容になっている.現在も脳出血のリハや脳外傷の高次脳機能,摂食・嚥下や磁気刺激などに関する研究が取り組まれている.学位取得の主査は石田教授であり,論文博士も取得可能である(リハ学は内科系大学院に所属).

 教育ではリハ学教室にて医学部5年生全員に1週間のクリニカルクラークシップを行っている.またモデルコアカリキュラム作成にいち早く参画し,リハ教育項目の拡充を図っている.毎年宮古島においてサマーエクスターンを行っているが,本年度は「地域医療とリハ」の研修に7名(学内3名,学外4名)の参加があった.リハ科志望研修医は卒後2年間に内科を中心としたスーパーローテーションを行いプライマリーケアからリハまで行える医師を養成している.卒後3年目以降はリハ科専門医の指導のもと3年間の臨床助手となる.臨床教育は神奈川・東京都内の関連病院にて行い,認定臨床医,専門医に必要な技術や能力を漏れなく獲得できるよう工夫している(例えば筋電図は専門医取得までにマスターできる).

 我々の医局には「純血は体力を弱める」,「できるだけヘテロで幅広い能力をもったリハ医の集団を作る」というモットーがある.他大学からのリハ科入局希望者はいつでも大歓迎である.気軽にご連絡をいただきたい.

(小山祐司)

東海大学医学部リハビリテーション学教室
〒259-1193 神奈川県伊勢原市下糟屋143
Tel 0463-93-1121(代) 内線2485,Fax 0463-95-8248(リハ教室直通)
E-mail: rhishi@is.icc.u-tokai.ac.jp
URL: http://reha.med.u-tokai.ac.jp

INFORMATION

リハビリテーション医学白書委員会

 学会の歩みを中心に現在執筆中です.全会員に配布する予定で準備が進んでおります.

関東地方会

 第21回関東地方会は日本医大附属第2病院で竹内孝仁教授が主催された.学術集会に合わせて世話人会が持たれたので,その内容を報告する.

 日本リハ医学会では地方会について検討を進めている.その内容は以下のとおりである.(1)日本リハ医学会会員は本医学会の何れかの地方会に所属する.(2)日本リハ医学会は地方会に対して事務局運営費の一部を補助する.(3)地方会は会員の知識技術の維持を目的に生涯教育講習会を開催することが検討されている.(4)地方会は地域市民の啓発活動を目的に市民公開講座を開催することが検討されている.

 以上の検討結果を受けて当日の世話人会で以下の議論が行われた.①地方会に新たに運営委員会を置く.運営委員会の構成は次期事務局長が案を作成・提出して次回の世話人会で検討する.運営委員会は日本リハ医学会の基本方針に従って地方会の業務運営を企画立案する.②地方会の事務局運営費は日本リハ医学会が補助するので地方会は会員から会費を徴収しない.学術集会の開催経費は参加者から参加費を徴収して当てることができる.③事務局を横浜市大(事務局長:安藤德彦)から,慈恵医大(事務局長:宮野佐年)に移す.事務局と事務局長は再任を妨げない任期制にする.④世話人会の構成を運営委員会で再検討する.世話人会の世話人は地方会学術集会を主催する.⑤日本リハ医学会の方針に従って地方会会則を変更する.会則の検討は運営委員会で行う.⑥学術集会の開催案内を全会員に対して周知する方法を再検討する.⑦第22回関東地方会学術集会:10月12日(土),東京慈恵会医科大学大講堂,担当:大橋正洋氏,認定臨床医生涯教育講習会を同時開催,当日は世話人会(今回は現世話人)を開催.事務処理支援を今回は横浜市大が行う.

(安藤德彦/横浜市大リハ科)

平成15年度からの科学研究費補助金 「リハビリテーション科学・福祉工学」の申請始まる
総合・新領域系
分野 総合領域
分科 人間医工学
細目 リハビリテーション科学・福祉工学
細目番号 1303

 平成15年度から新しく認められた「リハビリテーション科学・福祉工学」に関する科学研究費補助金の申請に当たっては,文部科学省及び日本学術振興会のホームページに掲載されている留意事項を確認の上申請してください.会員皆様の積極的な応募を期待いたします.
申請書提出期間……平成14年11月18日から11月21日まで
【各大学での締切日にご注意ください】

第40回日本リハビリテーション医学会  学術集会開催のお知らせ
会期 2003年6月18日(水)~20日(金)
会場 札幌コンベンションセンター
テーマ リハ医学の挑戦的な研究とリハ医療の積極的な展開
トピックス 日本リハビリテーション医学会の40年をふりかえって,脳卒中のEBMに基づくガイドライン,頭部外傷後遺症のリハビリテーション,痙縮のコントロール,障害評価の統一データベース,地域リハビリテーション,ほか
招待講演 祖父江逸郎(名古屋大学名誉教授),木村淳(Iowa University)ほか
◎一般演題募集は学会誌11月号に掲載予定
事務局 北海道大学大学院医学研究科リハビリテーション医学 
TEL 011-706-6066 FAX 011-706-6067 
E-mail: jrma2003@med.hokudai.ac.jp 
HP: http://www2.convention.co.jp/jrma2003/

第40回日本リハビリテーション医学会学術集会 会長 眞野 行生

 第40回という節目の記念すべき日本リハ医学会学術集会を札幌で開催できることは大変喜ばしいことであります.第20回日本リハ医学会学術集会は祖父江逸郎会長のもとで開催され,記念講演が多くなされました.私は第20回学術集会の時には学術集会幹事をさせていただき,その後の20年間のリハ医学会の進歩を振り返ると意義深いものがあります.祖父江逸郎先生には国立中部病院での国立長寿科学センターの立ち上げ,愛知医科大学学長と医学会のリーダーとして活躍されており,この20年間の過去と将来について語っていただく予定です.
 リハ医学の発展は訓練やブロック療法,髄注バクロフェン療法の導入により痙縮のコントロールでは格段の進歩が期待されます.頭部外傷後の認知障害のリハでは亜急性期での訓練プログラムと,慢性期での支援プログラムの道筋がみえてきました.脳血管障害やパーキンソン病のリハではEBMにもとづくガイドラインが最近公表されています.
 これらの多くの問題について,今回の学術集会でさらに深められたらと思います.札幌での第40回の記念すべき学術集会がリハ医学の21世紀での大きな発展の礎になると確信しています.北海道の6月は,北の大地の大平原が緑一杯になり,最も美しい季節であります.札幌でお会いできるのをお待ちしております.

REPORT

ISPRM理事会報告

 2002年6月25日イタリアSiracusaにてISPRMの理事会が開かれ,J. Melvin会長から1年間の活動報告があり,M. Lissensより会計報告があった.

 会計報告では会費を払って加盟している団体数は22で,個人会員は750人であり,収入は25,000ドル,支出は35,000ドルで,収入増加の方法について,会員数の増加・寄付・会費値上等の議論があった.

 第2回ISPRMの準備状況についてH. Ringより説明があり,イスラエルの国内事情によりチェコのプラハで2003年5月18日~22日開催予定とのことであった.演題募集の締め切りは2002年12月3日である(web site: www.kenes.com/phsical).

 また,第3回ISPRMについてブラジルのL. Batistellaより多数の参加を期待しているとのことであった.

 2002年6月から2年間の役員が選挙され,千野直一先生がSecretaryに,石神重信先生・宮野佐年が理事に選出され,その他役員は別表のとおりである.

 6月28日に新しいISPRMの理事会が開かれ,会費の値上げの是非が投票され,個人会員20→30ドルに,団体会員が1人につき2→3ドルに,団体会員の上限が2,000→2,500ドルへの値上げが決定された.尚,日本からは上田敏・石神重信両先生,宮野佐年の3人が理事会に出席した.

(文責 宮野佐年)

President  Haim Ring
Past President  John Melvin
President Elect  Linamara Batistella
Vice President  Chang-il Park
Treasurer  Mark Lissens
Secretary  Naoichi Chino
Assistant Secretary  Önder Kayhan
V.P. for Asia&Pacific  Shigenobu Ishigami
V.P. for Central&South America  Matilde de Mello Sposito
V.P. for Europe  Daniel Wever
V.P. for Middle East&Africa  Abdulla A.M. Eyadeh
V.P. for North America  Alberto Esquenazi
Member at Large for Societies  Sae-il Chun
Member at Large for Individual Members  Satoshi Miyano
第7回認知神経科学会報告

防衛医科大学校病院リハビリテーション部 新舎 規由

 去る7月13日(土)~14日(日),東京霞が関の灘尾ホールで,石神重信会長主催のもと第7回認知神経科学会が開催されました.今回は東京大学から初めて会場を移して行われたのですが,梅雨の季節にもかかわらず幸いにも天候にも恵まれ,予想をはるかに上回る人数(約450名)の参加がありました.参加者はリハ医だけでなく神経内科,脳神経外科,精神科,小児神経の医師に加え,臨床心理士,言語聴覚士,作業療法士,理学療法士といったコメディカル及び学生の参加が目立ちました.

 今回の目玉の一つとして「高次脳機能検査はこうして」と題し,認知神経科学の分野で重要なテーマをピックアップしてその分野の第一人者の先生にお願いして2日間にわたって講習会が開催されました.テーマを痴呆,前頭葉症状,半側空間無視,記憶,知能,失語,失行,発達障害,疾患別の高次脳機能障害など興味深い話題に絞り,実践的な話が聞けるとあってか,初日から閉会までずっと立ち見が出る程の盛況ぶりでした.また,初日の18時からはナイトセミナー「やさしい高次脳機能障害のみかた」として,臨床的にしばしば高次脳機能障害が問題となる脳卒中と頭部外傷の2疾患を取り上げ,前者は小林祥泰氏,後者は大橋正洋氏から初心者でもわかりやすい明快な講義がありました.

 招待講演ではドイツのTuebingen大学からBruno Preilowski氏,アメリカのNew Jersey Medical SchoolからScott R Millis氏が招かれ,ドイツ・アメリカにおける臨床神経心理学の現状と課題について講演がありました.シンポジウムでは1日目は「皮質下損傷の失語」で坂東充秋氏,森悦朗氏,渡辺俊之氏の,「医療における神経心理」では小池敦氏,平林一氏,井上雅子氏の発表がありました.2日目は「損傷研究と画像研究の矛盾点」で杉下守弘氏,福山秀直氏,高山吉弘氏の発表がありました.一般演題は初日は前頭葉,精神,電気生理のセッションに計12演題,2日目は発達障害,動物モデル,失語,リハ,言語訓練のセッションで計15演題の発表が行われ,フロアとの活発な討論が行われていました.ポスターセッションは12題ではありましたが,各ポスターの前では熱心な質疑応答が行われていました.本学会初の試みであるビデオセッションでは4題の発表が行われました.言葉だけでは理解しづらい問題症例の症候を視覚的に呈示することで,疾患に対する共通認識が可能となり,より深い議論が行われました.

 2日間という短い期間に詰め込めるだけ詰め込んだといった内容でしたが,特に講習会においては2日間続けて聴講すれば認知神経科学の主要な分野を殆ど網羅できるようになっており,自分が参加者ではなく主催者側であったことが残念に思われます.高次脳機能というととかく敬遠しがちですが,我々リハ医においても診療上,高次脳機能のチェックは不可欠であります.今後多くのリハ医がこの分野に積極的に参画することで診療・研究両面でのさらなる発展が望まれるのではないでしょうか.

第56回米国脳性麻痺学会報告
The 56th Annual Meeting of American Academy for Cerebral Palsy and Developmental Medicine

横浜市立大学附属病院医学情報部 根本 明宜

 9月11日~14日の日程で米国脳性麻痺学会がルイジアナ州ニューオリンズで行われました.昨年の年次集会は直前のテロでキャンセルされましたので,2年ぶりの米国脳性麻痺学会でした.今回は米国でも有数の観光地であるニューオリンズで2年ぶりの開催ということで参加者も例年より多かったようです.欧州を中心に世界中からの参加があり,韓国からは演題も複数でていました.米国以外の参加は32カ国に渡り,外人参加者のためのレセプションも行われインターナショナルな学会でした.日本人の参加は私と名古屋からの理学療法士との2名のみで寂しかったです(他に参加されていましたら失礼をお許しください).

 米国脳性麻痺学会は整形外科医,脳外科医,リハ医,小児科医,理学療法士,作業療法士,看護師と多くの職種で構成され,小児の障害,発達を幅広くテーマにする学会です.脳性麻痺に限らず,小児の障害,発達の全般を領域としており,会期中に行われた総会でも北米障害児学会(North American Academy for Disabled Children)に名称を変更しようという議案が提出され,変更に向けて検討が進められることになりました.

 さて,今回の学会の中心となったのは2日目に行われた脳性麻痺の観血的治療に関するシンポジウムでした.プログラムにも,「見逃してはいけない」と日毎のトピックスのなかでも大きく扱われ,演者もITB治療がL. Albright, R. Armstrong,選択的後根切断術がT.S. Park, J. McLaughlin,整形外科がE. Bleck, B. Russmanとその道の第一人者が揃い踏みの贅沢なシンポジウムでした.それぞれの手術治療についてそれぞれ2名ずつの演者が利点をEBMに基づいてプレゼンテーションして必要性を聴衆に訴え,症例を呈示してディスカッションをするというシンポジウムでした.どの治療も必要なのは聴衆も含めて分かっており,それぞれの利点,留意点をお互いに確認しあい,脳性麻痺の治療の進歩のための研究のあり方などにコメントされていました.

 会長招演も,小児の画像診断,脳の発達に係わる遺伝子の研究,脊髄損傷の新しいリハ治療と多岐に渡っていました.特に,受傷から5年をすぎてクリストファー・リーブが回復し始めたという記事の直後だったこともあり,ワシントン大のJ.W. McDonald III の講演(写真)は聴衆を集めていました.症例数は1といいながら,クリストファー・リーブの治療経過と回復の過程がASIAのMotor Scoreが0から20まで改善した等のスライドも示され大変わかりやすい講演でした.生のデータが出てきますので,個人情報保護はどうなっているのだろうなどと思いながら聞いておりました.

 全体的には,米国脳性麻痺学会としても学会誌でEBMレポートを行っていたりする流れがあり,前回の学会までで評価方法としてはPEDIやGMFMなどで定まり,その結果がそろそろ出始めてきていましたが,まだEBMとして確立しきれない中でこれまでの治療が再評価されつつあるという状況でした.

 米国の学会は朝からプログラムがあり,朝食をとりながらのレクチャーが7時からあったり,プログラムも充実して夕方までで,時差ボケと戦いながらも刺激の多い学会でした.

 また,アトラクションでニューオリンズの有名なカーニバルの再現ということで,高校生のマーチングバンドを雇って,パトカーに先導させて学会場からケージャン料理のレストランまで車道の真ん中を数百メートルパレードをしたのにはびっくりしました.アメリカ人は遊び方も派手です.アメリカ人を見習ってというわけではないのですが,時差ボケが良い方に働いたのを幸いに,学会が終わった後はフレンチクオーターのバーボンストリートで夜遅くまでジャズを楽しんだり,牡蠣や海老を満喫したり有意義に過ごした学会でした.

 来年はモントリオールで同じ時期の開催で,紅葉が少し始まる頃とのことです.日本でもITB治療の治験が始まり,いくつかの施設で選択的後根切除術が行われ,痙縮の治療が変わりつつあり,脳性麻痺の治療は変革期を迎えると期待しています.米国脳性麻痺学会にも日本からの参加者が増えて,多くのリハ関係者が米国の最新情報に触れることを期待します.米国がすべて良い訳ではありませんが,脳性麻痺の治療に関してはまだまだ一日の長が米国にあることを感じさせられた一週間でした.プログラム等はhttp://www.aacpdm.org にありますので,ご参照ください.

INFORMATION

2nd World Congress of the ISPRM
“ReflectiononAdvancesinRehabilitation―FutureChallenges”

May 18-22, 2003 in Prague, Czech Republic
The deadline for submission of abstracts: Tue., Dec. 3, 2002
The Congress website: www.kenes.com/physical
ISPRM Congress secretariat: physical@kenes.com

広報委員会より

 平成14年度より,広報委員の任を承りました赤星和人と申します.このたび広報委員としての命を受けましたのは,専門医でありながら,リハ医学会ニュースも学会のホームページもあまりきちんとはみていなかった私への厳重注意とうけとめまして,心を入れ替えて任にあたりたいと考えております.よろしくご指導のほどお願いいたします.

 さっそくながら,リハニュース15号の担当委員も仰せつかり,右も左もわからないまま,先輩の委員の先生方のご指導のもと,編集作業を進めてきました.今回のリハニュースでは「機能評価」ということで特集を組みました.EBMが重要視されるようになり,リハもその効果を明確にすることが求められていますが,当然のことながら,「評価」はその効果の検討に不可欠です.そしてその「評価」の蓄積であるデータベースが,リハ効果のevidenceを示す重要な基盤となることでしょう.リハニュース14号の特集にもあるように,診療報酬の改定により,リハ医療は現在大きな打撃をうけ,その存亡が危惧されております.この危機を打開するためには,リハ医療の有効性をより明確に,科学的に示すことが重要であることはいうまでもありません.その根拠の基礎となる「評価」とそのデータベース化,リハ医学会全体が早急に取り組むべき,重要な課題であると言えましょう.

(赤星和人)

◆立野勝彦担当理事より:本年度より広報委員会担当理事を仰せつかりました.さて一般に情報は中央と言わず地方も同じように情報を身近に得ることが可能となりました.世界の学術論文誌なども我々はオンラインジャーナルで得られることが多くなってきました.私ごとになりますが,団塊の世代に育った者にとりましては,パソコンを自由に取り扱うことは苦手で,パソコン言葉は宇宙語のように聴け,しかも一旦手技を習得すればその範囲を出ず,新しい操作を行うと取り込んだ情報が消去するのではないかと,触ることを躊躇するため,悲しいことに一向に上達しないのが現実であります.また印刷物で見ないと心配でしょうがないのも一つであります.しかし情報を得ることの一つとして,依然として全体をアナログ的に見られる印刷物はいろいろな面で貴重であります.この点で「リハニュース」はリハ医学会の動向や我々を取り巻くリハに関係する医療の現状をいち早く広報することで,情報を得るには有意義であります.気楽に肩肘張らぬよう読むことができ,さらにリハ医療の情報を的確に得られるよう,また会員の声を多く反映し,会員それぞれが参加している意識が出るよう工夫できればと考えます.ということで会員の先生方の貴重なご意見をいただければ幸いでありますし,また委員一同弛まぬ努力をしておりますので宜しくお願いいたします.

事務局コーナー

事務局からのお願い

 事務局から会員の皆様に色々な事務手続きについての通知をお出ししておりますが,なかなか期日までに回答がなく困っております.

 ご自身の身分に係ることについても回答がありません.リハ医学会からの通知関係には,目を通していただいていると思いますが……,規定通り期日を守って事務処理することは簡単ですが,会員の皆様の立場になって考えると,もう少し回答を待ってと,いつも心配の連続です.それとも会員であることに関心がないことなのか,不思議でなりません.

 1. 変更届けは速やかに(届け用紙は毎月の学会誌に掲載):会員調査表 9,300 通発送したところ,変更等のために 4,300 人の先生から回答がありました.日頃変更届けを出して手続きしていただいておれば,このように多くないはずですが愕然としました.

 2. 通知に対する回答は速やかに:600人の会員の皆様に,身分(資格)に係る通知文書を発送しました.期日までの回答は270人だけです.催促の通知を出すこと,電話で連絡すること,等々経費や時間が掛かり過ぎます.

 私ども事務局職員は,会員皆様のため日頃からいろいろ努力しているところですが,先生方についても,事務局にご協力の程よろしくお願いいたします.

(事務局長 鈴木利次)