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リハニュース No.32

2007年1月15日

  1. 特集:診療報酬改定の影響について―リハ関連5団体の場合

  2. 第44回学術集会:演題募集中

  3. INFORMATION

    編集委員会

    認定委員会

    社会保険等委員会

    診療ガイドライン委員会

    北海道地方会

    近畿地方会

    東北地方会

  4. 専門医会のコラム:学術集会報告

  5. REPORT:国際福祉機器展ほか

  6. 医学生リハセミナーに参加して

  7. 質問箱:CPG

  8. 医局だより:札幌医科大学

  9. 広報委員会より

  10. 事務局だより

特集:診療報酬改定の影響について―リハ関連5団体の場合

日本リハ医学会の場合

日本リハビリテーション医学会理事 才藤 栄一
藤田保健衛生大学医学部リハビリテーション医学講座

 診療報酬改定から数か月が経過したが、安定状態に入ったとは言いがたい状況にあるのはご存知のことと思う。恐らく後日、今回の改定はリハ医療の大きな変曲点として認識されることになるだろう。改定内容について私個人が最も重要と考える点は、1)疾患別の単位化、2)総合リハ施設基準の廃止を含む施設基準の単純平坦化、3)各療法の独自算定の廃止、4)代替者の導入の大幅緩和、5)算定日数上限の設定であり、それ以外で注目すべき改定は、集団療法廃止、急性期患者の1日単位上限の緩和、従事者1日単位上限の緩和、回復期入院日基準の早期化、障害児・者のリハの新設、摂食機能療法の算定日数拡大、訪問リハの単位化である(総合リハビリテーション34巻5号「巻頭言」2006年)。

 ここでは、本医学会の社会保険等委員会特任理事(当時)として実際に関係諸機関と7か月間交渉にあたった立場で得た公にされていない事実にも私の責任において触れながら、私見を述べる。

 道免和久先生や患者さん方の算定日数制限に対する反対運動には敬意を表する。今までのリハ医療においてこのような運動は存在しなかったし、タイムリーだと思う。権利を主張しないと一部の勢力の利権で事が容易に決まってしまうほど「公」の機能が低下しているからである。ただし一点だけ指摘したい。私の知る事実から考える限り、日本リハ病院・施設協会の石川誠先生に対する批判は誤りである。彼が算定日数制限を誘導したのではない。また、除外規定も諸批判が噴出したために作られたのではなく、それ以前に彼が厚生労働省(厚労省)に働きかけて拡大したものである。もし彼がいなかったら、今回の改定はもっと酷いものになっていたであろう。非難すべき相手を間違ってほしくない。

 私見では、たとえ算定日数について規制が必要だとしても、リハ医療に精通した医師が診察診断した上でのリハ処方は認める、規制は頻度制限で行うなど、もっと柔らかな方法を導入すべきで、一律で繊細さに欠ける今回の改定はお粗末であった。そして、私たちがこのようなお粗末な結果しか得られなかった最大の原因は、言い訳がましいと言われるのを覚悟で弁明すれば、今回の改定が「私たちがコミットする以前に、既に多数の問題をもつ異質な大枠が決められていて、それに対して、限られた期限の中、種々の力関係の中で、軽んぜられながら、反駁に終始しなければならなかった過程」だったことに由来すると考えている。従って、最近になって厚労省が今回の改定について頻発している「関連学会の意見を聞いた上で~」というコメントにあるこの「関連学会」の主たる団体はリハ医学会ではない。昨年の9月の時点で、彼らがリハ関連4団体としたのは、整形外科学会、臨床整形外科医会、運動器リハ学会、リハ医学会であり、リハ医学会はやっと最後に挙げられていて、もちろんリハ病院・施設協会や各療法士協会は入っておらず、厚労省担当課長も実際このような認識であった。そのために急遽、「リハ関連5団体」を作ったのである。

 今回の改定で長期的に見て深刻な問題は、疾患別の単位化と各療法の独自算定の廃止だと思う。リハ医療は本来、各科による疾患別治療という「縦糸」に対する障害治療という「横糸」として存在すべきものであり、疾患別という概念が大前提のように議論されてきたのは根拠のないもので詭弁である(詳細は省く)。また、各療法での算定がなくなったのは、専門性軽視以外の何物でもない。つまり、改定過程が示したのは、未だにリハ医療がほとんど理解されていないということであった。

 リハ医学会には、リハ病院・施設協会や各療法士協会と連携を図りながら、国民により良いリハ医療を提供するためにより適切な制度の提言をしていく責務がある。

日本リハ病院・施設協会の場合

日本リハビリテーション病院・施設協会副会長 石川  誠

 平成18年の診療報酬は、平成15年3月に閣議決定された「医療に関する基本方針」、平成17年12月の「医療制度改革大綱」を基盤として、平成20年度から施行される「医療費適正化計画」を前倒しする形で実施された改定と考えられる。

 当協会には平成17年8月末に厚労省保険局医療課から改定案の原型が示された。これをみた幹部は愕然とした。「リハ施設基準の疾患別体系への再編と算定日数制限」が示されていたからである。運動器リハ学会、臨床整形外科医会から運動器リハ施設基準の新設要望があるためとの説明を受けたが、算定日数制限や総合リハ施設基準の廃止に関しては理解できず、断固反対と繰り返し主張した。しかしリハ病院・施設協会の単独交渉では成果が期待できないと判断し、リハ医学会、理学療法士協会、作業療法士協会、言語聴覚士協会に連帯を呼びかけた。幸い各団体とも同様の考えであり、平成17年11月に「リハ関連5団体」として結束し交渉にあたることになった。

 以降、各団体から数名の幹部により構成される会議において、密な情報交換を行い、徹底的な議論の上、共通の要望を掲げ厚労省と交渉していった。入院の算定日数制限には同意したが、外来は日数制限ではなく回数制限とすること、総合リハは存続させることを主張し、平成18年3月ぎりぎりまで厳しい交渉が続いた。

 しかし、残念ながら総合リハ施設は形骸化し疾患別施設基準に決定された。ただし、算定日数制限には除外規定が設けられた。除外規定に関しては当初多くの誤解が生じ現場では混乱が続いた。失語症や高次脳機能障害を伴わない脳卒中片麻痺は180日でリハ打ち切りと考えた医療機関が多かったのである。厚労省は3月末~4月末にかけて疑義解釈の通知を連発したが未だに混乱は収まっていない。しかし、リハの集中実施期間は短縮されたとはいえ日々の提供量は増加し、状態悪化時を起算日とできること、介護保険では算定日数制限はなく、短期集中リハ加算が新設されたことは若干の救いとなった。

 今回の改定で最も重要な点は、急性期・回復期リハは医療保険、維持期リハは介護保険に整理されたことである。したがって、診療報酬の次回改定で平成18年度改定の問題解決を要望するとともに、介護保険のリハの重点整備が大きな課題となろう。各医療機関が介護保険によるリハの充実に努力するとともに、「リハ関連5団体」が結束し継続的に厚労省に働きかけることが一層重要になったと考える次第である。

日本理学療法士協会の場合

日本理学療法士協会副会長 日下 隆一 

日本理学療法士協会調査(以下、協会調査)n=132、北海道理学療法士会調査(以下、北海道調査)n=84、東京都理学療法士会調査(以下、東京都調査)n=198を基に、施設基準のあり方について考察した。なお、協会および東京都調査は、集計途中のデータである。

  • 新たな施設基準を取得した施設の割合は、運動器リハI85%、脳血管リハII 60%、呼吸器リハI 51%、脳血管リハI35%、運動器リハII 14%、呼吸器リハII 11%、心大血管リハI 5%、心大血管リハII 2%であった。
  • 調査施設全体の点数の増減(昨年度と今年度の6月の比較)は、北海道調査では-5.4%、協会調査では-4.1%であったが、個別にみると、点数減施設57%、点数増施設25%、点数不変施設11%であった。
  • 点数減施設の特徴は、
    急性期リハができなくなった 10%
    維持期リハができなくなった 65%
  • 点数増施設の特徴は、
    急性期リハができるようになった 32%
    回復期リハができるようになった 40%
    維持期リハができなくなった 42%
  • 患者数の増減でみると、点数減施設の66%、点数増施設の24%で患者数の減少がみられた。
  • 常勤理学療法士数の増減は、東京都調査では平均0.2人の増であるが、協会調査では点数減施設0人(増減なし)、点数増施設1.5人増であり、理学療法士を募集して満たせた施設は全体の37%であった。
  • 施設基準の面積用件に関して取り組んだ施設は全体の11%であるが、点数減施設では6%、点数増施設では18%であった。

 調査結果は、新たな施設基準取得への施設の積極性が点数にも影響を与えていることを示唆するものであったが、突出した運動器リハI施設数の状況は施設基準に問題があったものと思われる。特に、脳血管リハI施設が極めて少ない状況は、単に点数に関わるだけでなく、急性期リハの充実、さらには在宅ケアにおけるリハ提供体制にも影響を与えるだけに、見直しが必要と思われる。この場合、面積用件に取り組める施設状況ではないこと、面積用件の重要性が低下していることなどを勘案すると、面積用件を大幅に緩和し、人的用件に関しても社会情勢に相応し緩和からの逓増性という考え方が必要と思われる。これは、リハ拡充に消極的な施設のリハ提供拡充を促すものであると考えられる。また、理学療法士の需給問題は、次第に好転していると思われた。

日本作業療法士協会の場合

日本作業療法士協会副会長 中村 春基

今回の診療報酬の改定に対して、(社)日本作業療法士協会(以下、協会)では、昨年6月と9月に影響調査を行ったのでその一部を紹介する。

  • 調査対象および調査方法:調査は旧リハ施設基準が作業療法I、作業療法IIを各150施設、発達障害領域50施設を無作為中抽出し、アンケート調査を行った。回答数は98施設(28%)で、うち身体障害系は86施設(29%)、発達障害系は12施設(24%)であった。
  • 結果:疾患別リハ施設基準取得状況は、旧Iの施設は、脳血管I、運動器Iをほぼ全施設で取得していた。呼吸器リハIは58%、心大血管リハIは13%であった。旧IIでは、運動器Iが88%、脳血管Iが46%であった。
  • 1カ月間の部門実績集計は、作業療法実施対象者数は、脳血管リハI(75,823人、2,001,589単位)、運動器リハI(19,696人、319,879単位)、脳血管リハII(49,024人)、運動器リハII(692人)、呼吸器リハI(327人)であった。訓練時間は2単位実施が49%、3単位以上実施が18%、1単位実施が33%であった。
  • 疾患別リハの実施内容では、呼吸器リハを除き、「運動」が最も多く、ADL、上肢動作の順で実施されていた。呼吸器リハでは身辺処理が最も多かった。
  • 在宅訪問リハ指導管理料の実施件数の変化では、増加が12%、変化なしが88%であった。実施単位数では1単位が58%、2単位が40%、3単位以上が1%であった。その実施内容をみると、運動、起居・移動が最も多く、次いで上肢動作、感覚・知覚へのアプローチ、生活・社会適応、代償手段の適応等の順であった。
  • 算定日数制限については、3月時点での対象者の50.5%が日数制限対象者であった。3月時点での修了者の54%は介護保険関連事業へ移行し、サービス等利用なしで在宅生活となったケースは19%であった。OT対象者の46%がリセットの対象となり、6.8%が訓練終了となった。10月の日数限定による修了者対象者は1,710名であり、修了者中90.2%は継続して訓練が必要と捉えられている。また、修了者中38.9%は介護保険への移行が困難であった。
  • 集団訓練については、63.4%が改定後集団訓練を廃止し、集団訓練導入者の34.5%は個別訓練移行している。しかし、22%の施設で現在も集団の形態を活用しており、集団の特性を活用した訓練の必要性を認めている。
  • 収益の増減では、旧Iでは、増収57%、減収34%、増減なしが9%であった。旧IIでは、増収36%、減収59%であった。

 以上、中間報告の概略を紹介したが、協会はこれらの調査結果を踏まえ、リハ医学会が要望した4項目*に加え、(1)心大血管リハおよび呼吸器リハ対象者への作業療法を提供できる体制、(2)急性期リハの充実のために、発症後一定期間を対象に、集中的、総合的なリハが提供できる体制の充実、(3)療法別報酬体系の設置、(4)集団作業療法の設定、(5)訪問リハステーションの設置等について重点的に取り組んでいく。

 最後に、次回改定に向けてはリハ医療関連団体が一枚岩になり関係団体に働きかけることが必須であると認識している。作業療法士有資格者数は現在33,696名で、5年後は5万人を超える職能集団となる。国民の健康と生活の向上に寄与できる集団として、協会は今後も「質」と「量」を担保していきたい。

*リハ医学会が要望した4項目については、学会HP、学会誌43巻12号をご覧ください。

日本言語聴覚士協会の場合

日本言語聴覚士協会副会長 長谷川賢一

 昨年5月の時点における現状は脳血管Iの施設は約50%、言語聴覚士のみで施設基準Iの施設は約2%、基準IIは約28%、基準なしの施設が約7%となっている。Iの施設はほとんどがそのままIに移行したが、IIの施設はIに移行が約42%、移行なしが約44%である。Ⅲの施設は約40%がIもしくはIIに移行したが、残りは施設基準が取れていない。医療と介護分野における言語聴覚士の数を比較すると、改定前後で変化はなく、ほとんどが医療分野で、介護分野は10%に満たない。現在の言語聴覚士数は約11,300名であるが、絶対数が不足している現状にある。

 検討すべき課題としては疾患別施設基準、算定日数制限、施設基準IIの診療報酬、回復期リハ病棟への言語聴覚士の位置づけなどが挙げられる。中でも今回の最大の変更点である疾患別施設基準は、疾患から派生する様々な障害に対応するというリハ分野の特性から検討を要する点が多い。特に脳血管疾患は合併する障害も多く、包括的な施設基準のほか、人員配置も含め検討の余地があると考える。

 介護保険においても言語聴覚士は様々なサービスに位置づけられ、活躍の場が広がってきた。しかし、訪問看護ステーションからの言語聴覚士による訪問サービスでは業務内容に制限が設けられている。当協会が行った在宅サービスの実態調査によると、利用者は多彩な障害を持っており、また嚥下障害以外に様々な訓練ニーズを持っている。言語聴覚に障害のある方が、限定した訓練しか受けられない状況は問題であり、制限条項を削除すべきと考えている。

 今後の方針としては、改定直後の調査に続き、今年1月には第2回目の実態調査を行い、現状を把握するとともに今後の対策についてまとめることにしている。これをもとにリハ関連5団体とも連携を図りつつ幅広く活動していく考えである。保険以外の取り組みとしては、介護保険分野、小児・聴覚分野、教育・福祉分野への取組み促進のほか、障害児・者の多様なニーズに対し、質の高い専門的サービスで応えられるよう生涯教育を更に充実し、言語聴覚士の資質向上を図っていく方針である。

実学としてのリハビリテーションの継承と発展

 新年あけましておめでとうございます。

 さて、昨年末は例年になく暖かく過ごしやすい冬を迎えましたが、皆様如何お過ごしでしょうか。現在、会長および日本リハ医学会近畿地方会は、組織委員会を立ち上げ、鋭意、学会準備を進めております。

 本年の学会は6月6日(水)~8日(金)の3日間、神戸市にある神戸国際会議場・神戸国際展示場にて開催いたします。会場は新幹線(JR新神戸駅)、飛行機(神戸空港)とアクセスが容易で、神戸市街へもポートライナーでつながっており、交通至便な場所にあります。

 神戸国際会議場(写真上)ではシンポジウム、ワークショップ、教育講演などの口演発表を行い、一般演題は隣接する神戸国際展示場(写真下)で全てポスター形式として発表していただきます。ポスターは広い展示場のなかに全会期を通じて展示し、また、機器展示のスペースとあわせて十分な休憩、討議場所も確保しておりますので、発表時だけではなく、いつでもポスター演題をじっくりと読むことができ、実のある討議、討論をしていただけるものと考えております。

 特別講演は兵庫県こころのケアセンターの加藤先生に「トラウマと心のケア」をお願いしております。また、海外から5名の招待講演、シンポジウム7企画、パネルディスカッション8企画を鋭意準備中です。御協力いただいております座長および演者の先生方にこの場をお借りしてお礼申し上げます。また、教育講演(日本リハ医学会専門医・認定臨床医、日本整形外科学会専門医の資格維持のための単位取得可能)を充実させ、日中、学術集会に参加が難しい先生方のためにも、初日および2日目は夜にも開講いたします(各2講演)。さらに、初めての試みですが、初学者向けのハンズオンセッション(リハ実学コース)も企画しております。参加申込み方法などは学会ホームページ(http://www.jarm2007.jp/)に随時掲載、更新いたしますので、ご覧ください。

 一般演題はポスター演題のみとさせていただいておりますが、例年通りオンライン登録をお願いしています。

 1月31日(延期しました)の締切日間際には、アクセスが集中しご迷惑をお掛けすると思いますので、まだ演題登録をされておられない方は、早目に登録を願い申し上げます。

 6月は季節もよく、学術集会にあわせて大阪、京都、奈良、和歌山、滋賀と近畿各地への観光にも好都合です。また、本学術集会に引き続きソウルでの「第4回ISPRM世界会議」への参加も容易です。皆様の多数のご参加をお願い申し上げます。

(第44回学術集会会長 住田幹男)

INFORMATION

編集委員会

 学会誌の中でもお知らせしておりますが、会誌名が2007年1月発行の第44巻第1号から「The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine」と英文に変わりました。これにより本医学会誌が英文論文で引用されやすくなると思われます。従来の「リハビリテーション医学」は副題として残りますが、引用する場合は英文正式名称をお使いください。なお、略称は「Jpn J Rehabil Med」となります。また、J-STAGEで会誌を公開しておりますが、J-STAGEでは他の検索エンジンとの提携を増やしており、英文誌名への変更との相乗効果で、会誌に対する世界での知名度と評価が高まることを期待しております。J-STAGEへのアクセス方法につきましては、学会誌第43巻第4号および第12号をご覧ください。

 2007年からの会誌の表紙は英文の正式誌名が上に、副題は下に小さく表示されています。若干の配色の変更がありますが、表紙全体の雰囲気は変わっていません。中の紙はやや光沢を抑えた見やすいものに変更しました。投稿規程を第43巻まで毎号掲載しておりましたが、ホームページにも掲載されていることから、第44巻からは年2回の掲載といたします。ご理解のほどお願い申し上げます。

 最後になりましたが、会員諸氏の会誌へのご投稿をお待ち申し上げております。

(委員長 生駒一憲)

認定委員会

1. 専門医・認定臨床医生涯教育基準および細則の改正について
平成19年度から専門医・認定臨床医生涯教育基準および細則が改正・施行されます。主な改正点は、

  1. 項目および単位数が変更されること
  2. 更新に際して5年間で200単位の取得が必要となること(平成19年3月末日までに取得した単位は10倍化される)
  3. 専門医生涯教育基準においては活動報告書の提出と年次学術集会および専門医学術集会への参加が必須になること
  4. 認定臨床医生涯教育基準においては年次学術集会あるいは地方会学術集会への参加が必須になること

です。詳細については学会誌第43巻12号またはホームページをご覧ください。

2. リハビリテーション科専門医および研修認定施設
平成18年11月25日現在で、日本リハ医学会リハ科専門医は1,293名、研修施設は414施設が認定されています。各名簿をホームページ上に公開しておりますのでご参照ください。

3. 委員長・委員交代
平成18年9月末日、長谷公隆委員長が任期満了に伴い退任され、10月1日付で菊地尚久委員が委員長、石田健司委員、山口淳委員が新たに就任しました

(委員長 菊地尚久)

社会保険等委員会

 日本リハ医学会は、平成18年11月21日に「平成18年診療報酬改定におけるリハ料に関する意見書」を厚生労働省に提出いたしました。その内容は、本医学会ホームページと学会誌「リハ医学」43巻12号に掲載しています。

 厚生労働省の担当課から当医学会に対して、診療報酬改定の結果検証に係る中医協特別調査「リハ実施保険医療機関における患者状況調査」についての協力依頼がありました。12月に調査が実施され、その結果が平成19年2月の中医協に報告される予定です。調査票の記入依頼がありました施設の先生方におかれましては、ご協力をよろしくお願いいたします。

 内保連においては、リハ関連委員会の委員長に里宇理事が就任し、12月中にリハ医療に関連する他学会の意見を集約し、平成19年4月に向けた希望書の取りまとめに向けて活動を行っています。

 昨年11月13日に、厚生労働省の介護保険担当課長と社会保険等委員会担当理事は意見交換を行いました。介護保険報酬の改定も見据えて、当委員会では水間理事を中心に積極的に取り組んでいます。当面は、介護予防事業の見直し、維持期におけるリハ医療の立場からの取り組み、地域を含めたリハ医療連携のモデル、地域スタッフの教育等について継続的に審議していく予定です。

(委員長 田中宏太佳)

診療ガイドライン委員会

本委員会は各種調整を行うコア委員会と実際の策定に携わる策定委員会から構成されています。以下で紹介する初めの2つの策定委員会は昨年8月に立ち上がりました。

  • リハビリテーション連携パス策定委員会では「脳卒中リハ診療連携パス―基本と実践のポイント―」の刊行を計画しています。執筆をお受けいただいた先生がたは本年1月の原稿締め切りにご協力ください。
  • 臨床研究・調査のためのガイドライン策定委員会は昨年10月に「脳卒中に関する臨床研究・調査のためのガイドライン」を完成しました(学会ホームページに全文掲載)。最小限の内容で「第一歩」との位置づけです。第44回リハ医学会学術集会の演題募集にも推奨として記載していただきました。
  • 脳卒中リハガイドライン策定委員会は「脳卒中治療ガイドライン」の改訂版原稿をほぼ完成させました。諸学会との合同ガイドライン委員会は「これから論文検索、共通filemakerの作成をする」とのことで待機状態です。
  • 脳性麻痺リハガイドライン策定委員会は平成19年1月末を目途にリサーチクエスチョンの調整、文献検索中です。
  • 呼吸リハガイドライン策定委員会が関与した、呼吸管理学会、呼吸器学会、理学療法士協会との共同作成の「患者教育・栄養指導マニュアル」が完成間近です。
  • 安全管理ガイドライン策定委員会は出版したガイドラインの普及活動を行っています。

(委員長 園田 茂)

北海道地方会

 北海道地方会では、年2回の学術集会と年3回の専門医・認定臨床医生涯教育研修会を開催しております。これからの予定をご案内しますと、平成19年3月10日(土)13時から専門医・認定臨床医生涯教育研修会を北海道大学学術交流会館で開催します。詳細は決定次第、北海道地方会ホームページ(http://www.med.hokudai.ac.jp/~reha-w/rehati.htm)でご連絡しますが、3演題を予定しております。その次は、平成19年4月21日(土)に第15回北海道地方会を開催します。これは例年通り、北海道リハビリテーション学会との共催になります。同日に専門医・認定臨床医生涯教育研修会も予定しております。日時は未定ですが、9月または10月に地方会と専門医・認定臨床医生涯教育研修会の同日開催を予定しています。秋の地方会は北海道医学大会の分科会として開催します。北海道医学大会は北海道で開催される40の地方会が参加(平成18年度実績)して9月から10月の2カ月間に学会を開催し、北海道の医学研究を共に盛り上げようとするもので、北海道医師会がその中心となって行われています。リハ医学の知名度を上げるべく当地方会も参加しております。

(代表幹事 生駒一憲)

近畿地方会

 来る2007年3月21日(祝日)に第22回近畿地方会学術集会を大阪府枚方市の関西医科大学附属枚方病院で開催いたします。今までは土曜日の開催が慣例でしたが、診療があり十分に参加できないとのご意見もあり思い切って開催日を祝日にしました。是非、多くの先生に参加していただきたいと願っています。午前中は、9時30分から一般口演を予定しています。お昼には痙性麻痺(バクロフェンポンプ)、嚥下、装具、骨粗鬆のランチョンセミナーを予定しています(各セッション15分)。午後からは3題の教育研修講演を予定しています。1題目は東北大学大学院医学系研究科機能医科学講座肢体不自由学分野講師 近藤健男先生による「MRI拡散強調画像による脳内神経線維の評価―リハビリテーションへの応用」でリハ医にとっては非常に興味深い分野です。

 2題目は吉備国際大学保健科学部教授 河村顕治先生による「Closed kinetic chainの理論と臨床応用」で日々の臨床に役立つ内容と期待しています。3題目は2006年6月に当大学リハ科教授に就任した吉田清和先生による「日米リハ比較―祖国日本よ、これでいいのか、日本のリハビリテーション―」で、20年ぶりに日本に帰って感じた日本のリハ医療に対する思いを話していただきます。以上、いずれもすばらしい講演になると思います。奮ってご参加ください。では、当日会場でお会いしましょう。

(第22回近畿地方会学術集会会長 菅 俊光)

東北地方会

 平成18年10月28日(土)に、第20回日本リハ医学会東北地方会、専門医・認定臨床医生涯教育研修会(主催責任者:東八幡平病院理事長 及川忠人先生)が盛岡市・岩手県医師会館で開催されました。一般演題12題が発表され、活発な討議が行われました。同日に開催された幹事会では、「平成18年度第2回地方会連絡協議会」報告に続き、代議員制に関するアンケート集計結果の発表や審議などが行われました。■次回の東北地方会・生涯教育研修会(主催責任者:太田総合病院附属太田熱海病院リハ科 小池知治先生)は、平成19年3月24日(土)、午後1時から郡山市・郡山市民交流プラザで開催されます。教育講演は、1.「骨粗鬆症の運動療法」東北大学大学院医学系研究科整形外科学分野教授 井樋栄二先生、2.「地域完結型の脳卒中リハビリテーション―急性期医療と地域連携パス―」熊本市立熊本市民病院神経内科部長 橋本洋一郎先生を予定しています。奮ってご参加のほどよろしくお願いいたします。

(代表幹事 上月正博)

専門医会のコラム:学術集会報告

第1回リハビリテーション科専門医会学術集会◎報告

 2006年11月19日(日)に東京慈恵会医科大学中央講堂において、第1回リハビリテーション科専門医会学術集会を開催しました。当日はあいにくの雨天で肌寒く、参加人数に不安がありましたが、幸い200名弱の参加があり、ほっとすると同時に来ていただいた先生のご期待に沿えるように座長・講師とも気合を入れて行いました。司会には東京慈恵会医科大学の橋本圭司先生が担当され、専門医会担当理事である土肥信之先生、代表世話人および関東地方会世話人の挨拶の後に5講演および臨時総会を行いました。以下に講演概要について報告します。

1. 旧専門医会から新専門医会への提言

浜松市医療公社 石神重信先生

1982年に第1回専門医試験が行われ、第1期合格の米本恭三先生を初代代表世話人として専門医会を結成されたことに始まり、専門医の学会での立場の変革について述べられた。学会として専門医は作ったもののその役割や展望がはっきりせず、また当時のリハ学会幹部の多くは専門医でないために専門医の要望・意見との間にねじれが生じていたこともあって、学会外部組織として旧専門医会を作り活動してきたこと、その後理事の多くが専門医となったために、今回ようやく学会内部の組織として専門医会が発足したという経緯について話された。新専門医会への提言としては①専門医育成に関する教育が不十分であること、②専門医の臨床的な能力が不足していること、③専門医が学会をリードしていくという自覚が足りないことについて述べられた。

石神先生の提言はまさに今回の専門医会の目的と一致するところであり、今後上記の提言に対していかにこれを発展させていけるかを専門医全体で考えていきたい。

2. 専門医会に望むこと

慶應大リハ医学教室 里宇明元先生

 専門医としてどのような活動をすべきであるか、その上で専門医会はどのような役割を果たすべきであるかについて述べられた。第1は質の高いリハ医療の提供を行うことで、ピアレビューによる質の確保、急性期から地域生活までのリハ医療のネットワーク化、診療ガイドラインの策定によるリハ医療の標準化を通じて貢献していく必要性について述べられた。第2はリハ医学の進歩への牽引を行うことで、運動障害・認知障害の軽減・克服のために、多施設共同研究の基盤整備などにより質の高い基礎研究、臨床研究を推進し、成果を発信する責任について述べられた。第3は教育・啓蒙活動に関する活動の必要性で、専門医育成については特定の疾患・障害に対するリハ技術を高めるためにその技術を得意とする施設で研修できるプログラムユニットの必要性について述べられた。第4はリハ医学を志す者を増やすための活動について述べられた。また専門医会の活動は全国の大学・施設間の協力体制のもとに行えること、専門医は質の高い機動性のある集団であることを強調されていた。

 専門医会として上記の全てを行う必要性は理解できたが、全てを同時に始めることは実際には困難であるのでガイドライン策定への協力や多施設間研究から手をつけていくのがよいのではと考えている。

3. rTMSと脳血流変化

帝京大リハ科 羽田康司先生

 経頭蓋磁気刺激(TMS)に対する脳血流変化の評価として近赤外分光法(NIRS)を用いた方法について述べられた。先生のグループが市販の磁気刺激コイルとNIRSプローブを組み合わせた装置を用いて評価した結果についてPET、SPECT、fMRIでの研究と比較しながら考察され、空間分解能と時間分解能の違いで結果が異なる可能性について述べられた。NIRSの装置が非常に高価であることから装置を常に使用できない困難さについて話されたが、そのような状況でも何とか工夫すれば良い研究ができる実例と思われた。

4. FIMの効能と限界

杏林大リハ科 山田深先生

 リハの世界では今や誰もが用いているFIMに関して、その有用性と使用に関する問題点を中心に述べられた。統計学的分析にはFIMは順序尺度であるので、原則として平均値を用いることが適当でないこと、運動と認知の項目はまとめない方がよいこと、Rasch変換を行うことの有用性などについてわかりやすく述べられた。また回復期ではかなり確立されているが、今後急性期あるいは維持期においてどのように利用していくかが課題であると述べられた。FIMの有用性と問題点について再認識させられた講演であった。

5. 食道入口部通過における生理学的左右差の臨床的意義

都立墨東病院リハ科 瀬田拓先生

嚥下造影検査(VF)正面像における健常者の左右差について以前の教科書的報告に疑問をもち研究を行ったという講演であった。結果として男性の中高齢者に左右差を認める症例が多い(左が多い)ということで、今回はこの事実に留まらず、この臨床的意義についても考察されていた。最後に専門医会に対する建設的意見についても述べられ、今後専門医会の中で積極的に活動していただきたい若手の先生という印象をもった。

尚、来年は代表世話人が北海道大学 生駒一憲先生となり、その次は九州地区として産業医科大学 佐伯覚先生と鹿児島大学 池田聡先生となりました。来年以降は2日間開催を予定しており、内容をさらに充実させるとともに、専門医間の交流をより深めるものにしていきたいと考えています。また平成19年度からは専門医資格更新に対して専門医会学術集会参加が必須となります。来年はさらに多くの先生方に参加していただければと思います。

今回参加された先生方、担当理事の土肥先生、講師の先生方、運営をお手伝い頂いた東京慈恵会医科大学、昭和大学、横浜市立大学リハ科関連の先生方に専門医会幹事を代表して深謝いたします。

(文責:菊地尚久)

代表世話人:菊地尚久・安保雅博
関東地方会世話人:羽田康司・笠井史人

REPORT:国際福祉機器展ほか

第33回国際福祉機器展

日本リハビリテーション医学会広報委員会 大高洋平

 第33回国際福祉機器展が2006年9月27日から3日間、東京ビッグサイトで開催されました。日本リハ医学会は、広報活動の一環として、3年前より展示ブースを出展し、リハ医療、リハ医学会の活動を一般の方々に広く知っていただくことを主目的として企画、展示を行ってまいりました。2006年も前年同様に、2ブースを利用してのパネル展示を行い、「リハ科専門医の都道府県別名簿」や、会員のみなさまからご応募いただいた「リハ科医が関わる福祉機器開発」一覧表なども配布しました。また、今年度より、新しい試みとして学会ホームページ(市民のページ)に掲載している「主な疾患のリハビリテーション」を小冊子にまとめ無料で配布し、リハ医療を広く市民の方に広報いたしました。ブースは例年以上に賑わい、リハ医療に対する興味・期待の大きさを改めて感じさせられ、今後の広報活動の重要性を強く再認識させられました。

※国際福祉機器展に関する詳しい情報は、国際福祉機器展のweb site : http://www.hcr.or.jp/でご覧ください。
※展示会にご協力いただいた以下の会員の先生方に深く御礼申し上げます。

 松井彩乃先生(埼玉医科大学総合医療センター)、関聰介先生(川崎医科大学リハ医学教室)、杉原勝宣先生(土浦協同病院リハ科)、米田千賀子先生(藤田保健衛生大学医学部リハ医学講座)、山中崇先生(川崎医科大学リハ医学教室)、岡崎英人先生(藤田保健衛生大学病院七栗サナトリウム)、土田敏典先生(恵寿総合病院整形外科)

第22回日本義肢装具学会学術大会

運営委員長(熊本機能病院) 山永裕明

 心部に位置する鶴屋百貨店鶴屋ホール・くまもと県民交流館パレアにて第22回日本義肢装具学会学術大会が、米満弘之会長(医療法人寿量会熊本機能病院理事長)のもとで開催されました。

 超高齢社会を迎えるに当たり、高齢者の疾病、障害における治療および生活機能の低下予防における義肢装具の果たす役割の重要性から、「高齢社会と義肢装具」を大会テーマに掲げました。

 学術大会前日には市民公開講座を開催し、「人生賛歌両腕を失って」をテーマに不慮の事故で両腕を失った大野勝彦氏と澤村誠志先生、米満弘之会長による鼎談を行い、会場もほぼ満席状況で大いに盛り上がり市民の皆さんに楽しんでいただきました。以下学術大会の概要を報告いたします。

 会長講演として「高齢者の整形外科的疾患と義肢装具」、招待講演はオーストラリアのラトローブ大学マイケルディロン先生に「坐骨収納型ソケットのコンセプトの再評価」についてお話いただきました。特別講演は「ユニバーサル社会への道標」 「義肢装具教育の国際的な動向と、発展途上国における国際援助活動の近況」の2題、パネルディスカッションとして「高齢高位下肢切断者と義足-地域での使用実態とメンテナンスの実際-」 「チーム医療における義肢装具士のあり方-現状と課題」の2題、シンポジウムとして「脳卒中の短下肢装具-病態によるベストの選択」 「義肢・装具材料の最近の進歩」の2題、教育講演は「カーボン装具の有用性」を始めとして6題、早朝レクチャー2題、また一般口演74題、ポスター演題21題。この大会の特徴である商業展示も、マニュファクチャラーズワークショップもそれぞれ30社、6社の出展がありました。

 本大会は参加者が熱心でどの会場も参加者でにぎわい、特に早朝レクチャーは朝が早いので出足が心配されましたが、立ち見が出るほどの盛況でした。地方都市での開催にもかかわらず参加者が1,000名を超え無事閉会しました。

第36回日本臨床神経生理学会学術大会

慶應義塾大学リハビリテーション医学教室補永薫

 第36回日本臨床神経生理学会学術大会が、黒岩義之会長(横浜市立大学大学院・神経内科学部門教授)のもと、2006年11月29日~12月1日の3日間にわたりパシフィコ横浜で開催されました。本学会では学術大会においても、脳波、筋電図に加え、磁気刺激、脳機能イメージング、認知機能についての神経生理学的研究など多岐にわたる発表がなされました。

 44題の教育講演や17のシンポジウムでは、基礎的な事柄から最近の話題まで、幅広い内容が扱われ、ワークショップやハンズオンセミナーでは、臨床に即した、実際の検査手技についての講習や症例検討が行われ、会場は予定表を片手に移動する多くの参加者で賑わいました。特別講演では、Gastone G. Celesia先生(Loyola University)が最近の視覚誘発電位(VEP)の知見を中心に、Zsolt Garami先生(University of Texas-Hauston)が脳卒中急性期における経頭蓋ドップラーエコーの有用性について、それぞれ貴重な講演をしてくださいました。

 一般演題では、基礎・臨床医学両面において多くの興味深いポスター発表がなされ、活発な討論が繰り広げられました。討論の中では、鋭い質疑応答のみならず、今後の研究発展に寄与するコメントも多く交わされ、当学会やそれぞれの専門領域を盛り上げていこうという機運が感じられました。

 次回の第37回学術大会は、2007年11月21日から23日まで、栃木県総合文化センターで開催される予定です。神経生理学はリハ医学において、生体機能や障害の機序を明らかにする研究はもちろんのこと、機能障害の評価、治療効果判定などの客観的指標として、非常に重要な分野です。次回も、より多くの皆様に参加をお勧めします。

医学生リハセミナーに参加して

横浜市立大学

 私は医学部入学前に福祉機器に関わる仕事をしており、ずっとリハに興味を持っていました。しかし、大学の講義ではリハに関わるものは少なく、リハセミナーのポスターを発見したときには嬉しくなり今回参加させていただきました。

 大学病院では、病棟の回診から外来診察、義肢装具クリニックなどの臨床の場で、小児から高齢者まで幅広い疾患を実際に見ることが出来ました。その中で実際に患者さんの話を聞いたり、許可をいただいて身体を触らせていただいたりして、大学の授業だけでは学びきれないものを学べました。特に、リハ医学とは患者さんの悪い部分を見つけて治す治療の医学とは違い、完全には回復しきれない状態で如何に患者さんの可能性を最大限に引き出しQOLを高めるかということであるということを教えていただき、その為には患者さんとのコミュニケーションやセラピストなど医療チームの充実が本当に重要であるということを改めて実感できました。外来診察においても一人ひとりの患者さんに十分な時間を取っており、先生方が一人ひとりの患者さんの情報を細かく把握しているのが印象的で、なかには何十年も関わっている患者さんもいるというのも驚きでした。

 横浜市立大学リハ科は関連施設が多いのも特徴的ということで、今回は横浜市総合リハセンターと横浜市南部地域療育センターも見学させていただきました。リハの領域は、医学から社会福祉の分野まですべてが幅広く関わってこそ真のリハが成り立つものだということを痛感し、このようなリハの充実が全国に拡がっていって欲しいと思いました。

亀田総合病院

 たとえ機能回復の可能性が少なくても、リハスタッフの何とかしようという絶対にあきらめない姿勢は、これから私が医師人生を歩む上での大きな励みになりました。片足が動かなければ、他の機能や、道具を使いつつ、その障害を補っていく。患者さんが歩きたいとおっしゃれば、できる手段を考えて努力する。たとえ歩くことができなかったとしても、患者さんと共に考え、共に努力して立ち向かっていく姿は、ある意味で生き甲斐を作ったり、人間関係を広げたりと、大きな力を生んでいると思います。一方で、歩きたくないけれども、日常生活をできる限りこなしたいという患者さんに対しては、早めにオーダーメイドで車椅子を処方し、車椅子を便利に使えるよう指導しつつ、上肢の機能を高める訓練をする。家族の方の要求にも必ず耳を傾け、皆が喜べるような目標を設定する。一人ひとりの違ったニーズを満たすため、家族、社会、環境などの背景も考えながら、教科書には載っていないような考え方で目標設定をし、多職種のスタッフがそれぞれの専門領域を生かして、皆が目標に向かって努力をする。リハは、本当にすばらしい職業だと思いました。本当の医療のあるべき姿は、ここにあるのではと強く感じました。

 この度のセミナーを通して、多くの先生方、スタッフの方々のように、将来は、疾患だけをみるのではなく、患者さんの全身を診療でき、家族や社会のことも考えられるリハ医になりたいと思いました。このように考えられる機会を与えてくださったことに、大変感謝しております。

金沢大学

 私が今回のセミナーに参加した理由は、BSLでリハ部を見学したときに「リハ医療とは人間らしさを求める医療である」という言葉を聞き、そういう医療に携われたらすばらしいと思い、実際リハ医がどういうことをしているのかを知りたかったからです。

 1日目は加賀市民病院、2日目は大学病院で主に急性期リハの外来、回診を見学しました。患者さんを診ているうちに急性期リハ医は、術前・術後の呼吸の管理(指導)をしたり、急性期患者さんの運動療法や作業療法などを処方して、理学療法士(PT)や作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)につなげる役割を担っていることが分かりました。3日目はやわたメディカル病院で回復期リハを見学しました。そこでは、患者さんはリハのために入院していて、患者さん一人につきそれぞれ医師、看護師、PT、OT、ST、ソーシャルワーカーが一人ずつ担当しチームを作っていて、患者さんの障害を把握し、より良い日常生活、社会生活が送れるようにチームでカンファレンスを行っているのを見て、これがチーム医療なのかと実感しました。

 普段講義などでは、疾患があれば診断して治療するということまでしか教わっていませんでしたが、このセミナーではその後のこと、すなわち障害の把握をし、患者さんがその障害をもちながら生きていくための訓練や援助をすること(リハ)はとても重要であり、必要なことだと教わりました。

鹿児島大学

 4月に入学したばかりの医学科1年生ですが無理を言ってこの度の夏期リハセミナーに参加させていただきました。ヘルパーや看護助手として、デイケア施設や入院病棟で働いた経験があるので、障害やリハを身近に感じていたため、とても勉強になりました。霧島リハセンターでは沢山の患者さん、PT、OTそれになんといってもドクター達までがリハ室でとても長い時間を過ごしていることに驚きました。以前の病院ではリハ室で医師を見かけることもめったになく、患者さん達は数十分のリハが終わったら、そそくさとまた自分のベッドに戻って一日中過ごすといった姿とはとても大きな差があり、これがリハの本来の姿なのだと感激しました。

 デイケアで働いていた時は何らかの理由で入院した利用者さん達が必ずADLが大幅に落ちた状態で退院してくる事実にいつも疑問を感じていたので、「病院が寝たきりを作っている」というリハ医としての言葉、「現在は専門性重視の縦の考え方でリハの考え方は横の考え方、みんながリハの意識を持って医療を行なえば沢山の患者が救われる」という話など心に響くお話を沢山伺うことができ、とても考えさせられ、勉強になる4日間でした。

 将来離島医療に携わることを夢見る私にとって、過疎化・高齢化の進む離島での医療はリハがとても重要な位置を占めることになると思うので、今回はとても貴重な体験でした。1年生という立場で医学的なことはまだまだわからないことだらけでしたが、リハの心を日本全国へ・世界へ発信していくのだという鹿大リハ科の意気込みを感じることができました。これから勉強に励み、将来どんな形で医療に携わるにしろ、ここで学んだリハの心を忘れず、医療を行っていきたいと思います。

教育委員会 医学生リハセミナー担当 中馬孝容

質問箱:CPG

最近、CPGという言葉をよく耳にしますが、どのようなものでしょうか。また、CPGとリハビリテーション医学との関連についても教えてください。

A CPGはcentral pattern generatorの略語です。頸・腰髄膨大部に存在する歩行、呼吸、咀嚼運動などのリズミックなパターン運動を惹起する神経回路網のことで、脳や感覚入力から独立してパターン運動を誘発するジェネレーターということができます。中枢パターン発生器という日本語訳が使用されることがありますが、定着しておらず‘CPG’が一般的です。

歴史的な背景をお話しますと、CPGの前身となる概念が最初に提唱されたのは1911年のことで、Brownらは除脳ネコの実験から屈筋と伸筋の興奮を交互に引き起こすhalf-centerが脊髄内に存在するという仮説を発表しました。1970年代から、より下等な脊椎動物(ヤツメウナギやイモリなど)を用いた研究が行われ、末梢神経や上位中枢からの入力を遮断した状態でも歩行様運動が誘発されることが明らかになりました。Grillner1)は、上位ニューロンからの単なる神経ネットワークやhalf-center modelとはやや異なり、脊髄内の複数のburst generatorの相互作用によりリズミックな屈筋・伸筋の筋活動が誘発されるというコンセプトを提唱しました。その後、リズム運動を誘発する脊髄内のイオン機構や神経ネットワークの解明がすすみ、これらにまつわる神経機構のことがCPGと称されるようになりました。

CPGがヒトに存在するか否かはしばらく議論の的でしたが、1998年にDimitrijevicら2)は完全対麻痺患者の腰髄膨大部付近を一定の周波数で硬膜外電気刺激を行い、リズミックな歩行様運動を誘発することに成功しました。この事実は、ヒトの脊髄内の神経群が脳から独立してリズミックな運動を惹起しうるという証拠を示したことになります。Yangら3)は、ハーネスで支持された乳児がゆっくり動くトレッドミル上で歩行様の下肢の交互運動を行ったと報告しました。足底や股関節からの感覚入力刺激がCPGを賦活化させたと考えられます。

このような研究を背景に、近年CPGの賦活を介して歩行機能の向上を図るべく、リズミックな運動がリハビリテーションに応用されています。部分免荷トレッドミル訓練やペダリング訓練は歩行不可能でも座位が可能であれば施行可能です。特に前者では脊髄損傷患者で多くのエビデンスが蓄積されました。最近では脳卒中患者、脳性麻痺児でも効果が示されています。

文献

  1. Grillner S: Neurobiological bases of rhythmic motor acts in vertebrates. Science 1985; 228: 143-149
  2. Dimitrijevic MR, et al: Evidence for a spinal central pattern generator in humans. Ann N Y Acad Sci 1998; 860: 360-376
  3. Yang JF, et al: Infant stepping: a method to study the sensory control of human walking. J Physiol 1998; 507: 927-937

(川崎医科大学 青柳陽一郎)

医局だより:札幌医科大学

札幌医科大学リハビリテーション部

 札幌医科大学リハ部の歴史は、1951(昭和26)年に整形外科外来に隣接して作られた整形外科理療室に始まり、当時は筋性斜頸、内反足、先天性股関節脱臼などに対する徒手療法が主体だったようです。1966(昭和41)年に初代部長として、故 河邨文一郎整形外科学講座教授が就任されました。河邨先生は、札幌オリンピックのテーマソングでもあった「虹と雪のバラード」の作詞者としても有名ですが、東京に次いで早くから療育の充実に力を注ぎ、北海道のリハの礎を作り、第7回のリハ医学会学術集会も開催されました。

 歴史は古いのですが、2005(平成17)年に現在の石合純夫教授が、リハ医学初代教授に就任し、教室としてはまだ産まれたばかりともいえます。大学の中央診療部門の一つとして、専有病床も持ち、保健医療学部と連携もとれるため、幅広い診療活動・教育・研究を行っています。もともとは、切断や脊髄損傷などの整形外科理学療法、呼吸理学療法、ハンドセラピーなどを得意としてきましたが、エンジニアとバイオメカニクスの専門家も参加するシーティング外来や、精神科医師によるリハ外来、慢性疼痛に対する集団療法など、特徴ある専門診療も行っています。さらに、高次脳機能障害を専門とする石合教授のもと、脳血管障害、外傷性脳損傷、認知症等に対する認知リハへの挑戦も進行しています。

 北海道の札幌を除いた地区では、医師不足は深刻で、リハ医は札幌も含めてさらに希少な存在です。2003(平成15)年からは、保健医療学部と共同で北海道リハビリテーション支援センターに指定されています。二次保健医療福祉圏に設置された広域支援センターへの支援を行っていますが、リハの可能性を知ってもらうという、基本的なことがまだまだ必要な段階です。東京の38倍以上の面積を持ちながら人口は半分以下である広々とした北海道ですが、その分恵まれているとはいえない環境で、地域リハに奮闘している他職種に対して力になれるよう、今後も支援が必要であると考えています。また、日本リハ医学会より古い歴史をもつ北海道リハビリテーション学会の事務局も置かれており、関連多職種が集える地域リハの貴重な場となっています。他科出身の医師が多いことも当部の特徴です。そのため、より多角的な視点で研修を積めると考えています。一緒に勉強したいと興味を持ってくださる方や北海道が好きな方、教授と鉄道を語りたい方など、是非お問い合わせください。

(土岐めぐみ)

札幌医科大学リハビリテーション部科
〒060-8543 札幌市中央区南1条西16丁目
Tel 011-611-2111、Fax 011-618-5220

広報委員会より

 昨年はリハ医療に大きな打撃を被った診療報酬の改定がありました。そこで今回の特集では診療報酬の改定の影響と今後の対応について、リハ関連学会の代表の方に執筆をお願いいたしました。今回のような改悪は絶対避けなければならず、リハ医学会は関連学会(リハ病院・施設協会や各療法士協会)と連携を図りながら、次回の改定に向けて検討を進めているところです。本年6月には第4回のISPRMの学会が隣国のソウルで開催されます。住田先生が会長で開催される第44回日本リハ医学会学術集会とともに、多くの学会の先生方の参加をお願い申し上げます。昨年も医学生リハセミナーに多くの学生が参加し好評でした。本号に参加した学生の感想文が掲載されています。今年はさらに多くの病院でリハセミナーが開催される予定ですので、お知り合いの医学生がいたら参加を勧めてください。広報委員会は今後も会員の皆様に有益で新しい情報をお伝えする努力をして参ります。皆様からのご意見とリハニュースに対するご支援をよろしくお願いいたします。

(猪飼哲夫)

事務局だより

 冒頭に事務局員の異動について紹介させていただきます。昨年5月17日付で岡本佳奈子さんが採用されました。主な担当業務は、専門医会、診療ガイドライン委員会等の業務で、本医学会のために前向きに活躍しております。また、昨年10月1日付で臼井幹郎が採用されました。今後ともよろしくお願いいたします。■学会の事務については前の職場の先輩諸氏が他の学会に勤務されており、学会の事務の流れ等について多少聞き及んでおりましたが、実際自分が本医学会に勤務して見てなるほどと思いつつ、勤務しているのが正直なところです。■私はなんの知識もない人間ですが、進み行く高齢化社会の中で本医学会は、今後社会に大きな役割を担うことになると感じております。社会貢献をして行くためには組織運営の強化が求められ、我々事務局員も関係の諸先生方にできるだけ負担のかからないように合理的・効率的に支援して行く必要があると考えております。■更に、公益法人制度の改正または本医学会のネットワークシステムの構築等本医学会の業務も多種多様で次から次と事務局員が先生方のご協力とご理解の基に対応しております。これらの業務を進めつつ、一方では事務体制の見直しも今後十分検討して行く必要があると考えております。■最後に、学会誌上でもお願いしておりますが勤務先、住所変更等の場合は速やかにご連絡をお願いいたします。

(事務局長 臼井幹郎)