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医学生・研修医の方へ

平成23年医学生セミナー感想文

※統一を図るため、文意に影響しない範囲で修正を加えている場合があります。

春期

【鹿教湯三才山リハビリテーションセンター】

5年生の1年間、大学病院で各診療科を回り、私は様々な患者さんを担当させていただきました。実習では患者さんとのかかわりは1、2週間程度しかなく、急性期の治療を終えた後、どのような治療が行われているのかとても気になっていました。大学での講義や実習でリハビリを学ぶ機会がほとんどなかったので、一度リハビリの現場を見学し、どのようなことが行われているのか、また医師として何が求められているのか知りたいと思い、平成23年3月7日~11日の5日間、実習させていただきました。

鹿教湯病院では、ひとりの患者さんに対して、医師、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、臨床心理士、医療ソーシャルワーカー、義肢装具士など様々なスタッフが連携してチーム医療が展開されていました。例えば、カンファレンスでは、時間をかけて患者さんの性格、ADL、生活習慣、経済状態、家族のサポートなどいろいろなことを踏まえて、その人らしさが生かせる環境づくりやケアについてそれぞれの専門の立場から意見を出し合っていました。今までどうしても病気のことについて目が向きがちで、あまり患者さんの生活について考えることをしていなかった自分を反省しました。また、リハビリ医師はリハビリ担当に全て任せするのではなく、ひとりひとりの患者さんのリスクを評価・管理すること、お互いの立場を尊重しコミュニケーションを円滑にし、何でも意見が言い合えるチームをオーガナイズする力が求められていると感じました。

三才山病院ではALSや筋ジストロフィーなど神経難病の患者さんの病棟を見学させていただきました。見学前はとてもシビアな現場を想像していました。しかし、実際は人工呼吸器をつけている患者さんが多いものの、病棟内は明るく、あまり病院を思わせない雰囲気がしました。また、患者さんがパソコンを駆使して、デザインや映画を楽しんでいたりするなど、残された機能を活用して日々の生活を楽しんでいる様子がわかりました。

今回の実習では病院内だけでなく、地域の保健・福祉の現場を見学することができました。具体的には老人保健施設や特別養護老人ホーム、グループホーム、訪問看護、訪問リハビリを見学させていただきました。今まで保健・福祉のことについてはあまり勉強しておらず、基本的なこともよくわかっていませんでしたが、それぞれの現場で丁寧に説明してくださったので、理解が深まりました。訪問看護、リハビリでうかがった患者さんは障害を抱えながらも、ご家族の献身的な介護で病院にいらっしゃる患者さんよりもリラックスしているように見受けられました。しかし、これらのケースはあくまで理想像であり、在宅で快適に生活するには様々な問題をクリアしないと難しいことがわかりました。これからますます高齢化が進み、地域で生活する患者さんが増えることを考えると、医療はひとつの病院や診療所単位で考えるのではなく、地域の福祉、介護現場も含めたトータルな視点で考えること、そしていかに情報共有を行っていくのかが課題だと思いました。

5日間と限られた時間でしたが、実習を通じて様々な現場を見学し、多くの方から現場に直結した生のお話をうかがう機会を得ることができたのが、自分にとって大きな糧となりました。

【東京厚生年金病院-1】

午前中、回復期リハビリ病棟で見学では、患者さんのご家族との面談に同席させていただき、大学での実習や4学部合同PBLにはない貴重な経験をすることができました。ご主人と息子さん双方の意見に理解を示し、解決策を提案するリハビリ医の姿に心を打たれると共に、退院後の生活や家族の介護の問題も考えなければならない難しさも痛感いたしました。

午後は急性期病棟の診療を見学しました。リハビリ依頼の患者さんを一人ずつ診察し、本当にリハが必要かどうか、どのようなリハビリが必要なのかを多方面から判断し、他科の医師や患者さんに説明するところを見学させていただきました。リハビリを望まない患者さんや、リハビリが危険な患者さんを守るためにも、専門的知識と豊富な臨床経験を持つリハビリ専門医が必要だということ実感しました。

また、カンファレンスだけではなく、随時、他の職種の方々と患者さんについて意見を交換なさっている場面を拝見し、職種間の垣根が低くチーム医療が円滑に行われていることが伝わってきました。

お昼の休憩時間には、リハビリ科志望の研修医の先生に理学療法室・作業療法室などを案内してもらい、また研修生活について直接質問することができ、ホームページには載せられていない情報も得ることができました。

【東京厚生年金病院-2】

私は、脳卒中の分野の医師として働きたいと思っています。一つの信条があって、研修は、脳卒中の急性期から回復期までを一気通貫でできる病院を選びたいと考えています。

2011年5月、東京厚生年金病院リハビリ科のセミナーに参加しました。朝一番の仕事は、リハビリ科の病棟カンファで、医師、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士と、全スタッフで行われる生きたチーム医療でした。

この日は患者・家族との面談にも立ち会いました。退院後の自宅での生活など、社会的背景を話し合う様子は、医師と患者が「人」として対峙する理想の姿として私の目に写りました。

午後はリハビリ科以外の患者の摂食機能回診を見学しました。同病院の特色ある取り組みであり、歯科口腔外科の医師と一緒に行われていました。脳卒中後や術後の誤嚥性肺炎予防にも興味がある私にとって、この取り組みには感銘を受け、自分の大学病院にも薦めたい取り組みであると思いました。

一日の最後に、理学療法士の学会発表の予行を見学しました。理学療法士だけでなく、医師、作業療法士、言語聴覚士等スタッフ全員が参加し討論していました。リハビリ部門のレベルは、スタッフ全員のたゆまぬ学びによって支えられていると実感しました。

【東京大学】

この度は4日間ありがとうございました。私はまだ4年生の春休みで、学校でBSLも行っておらず知識不足な状態にもかかわらず受け入れて頂いてありがとうございました。

リハビリがまずどういうものであるか、漠然とした偏ったイメージしかなかったので、実際に作業療法、理学療法などを間近で見せて頂けたことや、リハビリを開始するにあたっても客観的な評価の仕方など知らなかったのでとても新鮮でした。東大では急性期の患者さんのリハビリが中心でしたので、4日間という実習の期間の間にリハビリによって患者さんが回復していく姿などは見られなかったのですが、患者さんのライフスタイルを聞き出し、目標をたてているのが医師だとは知らなかったので驚きました。

また、先生の装具診療やリハビリ外来、小児整形外科外来では、大変珍しい症例の患者さんにお会いできとても刺激的でした。先生のとても丁寧な解説で、どういったことが患者さんに起きていて、それをどうやって改善していこうかということを知識がない私にも理解ができました。同じようにわかりやすい丁寧な解説で小さな患者さんやそのご家族に接していらっしゃり、患者さん本人やご家族がとても納得して装具をつけたり、治療を受けたり、先生との外来でお話することでそれぞれが抱える不安を解消しているのかなと思いました。珍しい症例の患者さんほど、不安が大きく、相談できる相手は少ないのではないかと思いますが先生の患者さんはそこまでケアされているのではないかなと感じました。

先生方のベッドサイドでの診察に連れて行っていただきリハビリは本当にどのような科でも必要になるということを実際に見学させていただくことができました。急性期の病院だと難しいと思いますが、治療して、そこでおしまいではなくライフスタイルや家庭環境など患者さん一人ひとりに寄り添った医療であるリハビリは患者さんにとってはそこから社会に戻っていくために本当に大切であると思いました。学校のBSLではまわらない科であるのでリハビリについて考えるとても良い機会になりました。本当にありがとうございました。

【藤田保健衛生大学&七栗サナトリウム-1】

3日間リハ医について見せてもらい、リハビリ医の立ち位置や必要性についてより深く知ることができました。ありがとうございました。

【藤田保健衛生大学&七栗サナトリウム-2】

本当に3日間親切に教えてもらい、体験もいろいろな分野でさせてもらえたので充実した日程で過ごせました。先生たちから聞いた実際のおもしろく深い話も大変ためになり、驚きと新たな発見でした。

【藤田保健衛生大学&七栗サナトリウム-3】

リハビリのイメージとして、歩行訓練や食事介助をすると思っていました。しかし、患者さんのQOL向上のために行う訓練に様々な前準備が必要ということが分かりました。錐体路異常でも、精神的な疾患、消化器系の疾患・・・どの病気とも繋がっていることを体で感じることができ良かったと思います。今回体験して思ったことは、実際に行うことに喜びを感じたことで、ただ見ているだけでなく、ふれることができ良かったです。リハビリの患者さんには嚥下に問題があったり、歩行が困難であったりと症状が様々で、その方にあわせた医療を行わなければならないため、様々な技術が必要であることと同時に、医者間で自分の手技の向上を行わねばなりません。そういった点から、リハビリ医は大変だと思いました。患者さんやその方の家族との接点が多い科であり、他の医療者との連携が必要とされる科であることが分かりました。貴重な体験をさせていただきありがとうございました。今後の学習に生かしていきたいと思います。

【藤田保健衛生大学&七栗サナトリウム-4】

リハビリ科がこんなに奥深いとは思っていなかったのですが、いろいろな発見があり新鮮でした。まだ大学で授業をやっていないのですが、今回でとても興味がわきました。

リハビリ医のおもしろさがとてもよくわかる実習でした。プリズムやミラー訓練を見させて頂き、リハビリの可能性は無限大だと思いました。また先生方の受け持ち患者さんと直接お話させて頂いて、患者さんの状態やお気持ちが少しわかった気がしました。もう少し欲を言わせて頂けるならば、言語聴覚士の仕事をされている様子をもっと見たかったです。筋電図では、神経を探すのに時間がかかり、被験者に申し訳ないなと思ったのと同時に、自分もされてみて患者さんは苦痛だろうなと思いました。いろいろと先生方に教えて頂いた中でわからないことばかりで、特に一度勉強した解剖の知識がゴッソリ抜けていることに焦りました。今回とてもモチベーションが上がったので,帰ったらよく勉強しようと思いました。きっとリハビリ医は今回私たちが見たような楽しいだけのお仕事ではないのだろうと思いますが、将来の一つの選択肢の一つとして真剣に考えてみたいと思いました。

【藤田保健衛生大学&七栗サナトリウム-5】

参加型の内容で楽しく学ぶことができました。リハビリ医療の最先端の方々と交われて刺激的でした。半側空間無視、プリズム体験が印象的でした。学校でのポリクリとはまた違った体験ができ、リハビリ医学への興味が高まりました。また,ぜひセミナーに参加したいです!2日間大変お世話になりました。ありがとうございました!

【藤田保健衛生大学&七栗サナトリウム-6】

初めてリハビリの現場を見学・体験させていただき、全てが患者さんのQOLを考える立場から成り立っていることを実感でき、興味が強くなりました。実際に病棟を見学させていただいて、患者さんがベットから起き上がり、部屋の外で過ごせる環境作りの大切さを感じることができました。リハビリというとお年寄りが辛そうにしているイメージが強かったのですが、訓練室でも廊下でも、みなさんが積極的に少しでも回復したいという思いを持ってリハビリに取り組んでいらっしゃるように感じました。筋電図やプリズム、ミラーやIVESなど患者さんが実際にどんな体験をされているのか、自分の身をもって知ることができて良かったです。また、PT・OTの方とリハビリ医の仕事の違いや、PT・OT、リハビリ医の(グループ)チーム医療のあり方が少し理解できたように思います。来月ポリクリでリハビリ科を回るのがとても楽しみになりました。今回たくさん体験させて頂いたことを大切に、病気から社会的不利まで考えられるようになっていきたいと思います。先生方には温かく御指導いただき、ありがとうございました。

夏期

【藤田保健衛生大学&七栗サナトリウム-1】

元々リハビリ医学には興味があったので、どれも印象深く思えました。

ロボットに関しては本当に未知の世界だったので、その技術や発想には衝撃を受けました。機会があれば実験段階の装具の体験をしたいです。嚥下については今まであまり興味がなかったのですが、身近なところから論理だてて考えることが新鮮で楽しかったです。

【藤田保健衛生大学&七栗サナトリウム-2】

リハビリ医学・医療に興味が出ました。

七栗サナトリウムの見学をさせていただき、臨床(回復期リハビリ)の実際や全容をみせていただけた気がします。今後、このような施設が増加し、利用者もたくさん増加することと思います。その中で、この七栗サナトリウムは臨床・研究・教育を兼ね備えた、貴重な施設であると思われます。

実際に見て楽しかったのは、半側空間無視のプリズムメガネです。ああいう発想で、低コストで患者の役に立つようなものを自分たちでも開発することができたらいいなと思いました。大変お世話になりました。ありがとうございます。

【藤田保健衛生大学&七栗サナトリウム-3】

半側空間無視実習では今までいろいろとあった疑問を解決でき、さらに持ちにくかったイメージを実験で体感することによってつかむことができ、とてもおもしろかったです。装具と車椅子の実習でも患者さんの大変さを少しでもかいまみることができ、貴重な体験ができたと思っています。

一言にリハビリと言っても多岐にわたる分野があり、それをいろいろと組み合わせて治療方針やリハビリ計画をたてていくことはとても難しく、おもしろいものだろうと思いました。お忙しい中、本当にありがとうございました。

【藤田保健衛生大学&七栗サナトリウム-4】

七栗での実習では、多くのことに驚かされました。

まず、スタッフの充実ぶり。綺麗で明るい院内、そして病院全体に満ちあふれている活気に感動しました。今まで見たことのない数の療法士やスタッフの方々が治療にあたっており、ケアの充実を垣間見ることができました。明るく、広く、患者さんがやる気になれるこのような施設が全国各地にあれば、多くの方々のQOLを高めることができるようになると思います。

このような機会を設けて頂いて本当に感謝しています。今回の経験を自分の将来に還元できるように、学んだことを復習し、自分の頭でしっかりと考えていきたいと思います。

【藤田保健衛生大学&七栗サナトリウム-5】

先生方、忙しい中、教えて下さりありがとうございました。

見てみたかったミラーセラピーを見せていただきありがたかったです。話には聞いていたのですが、「動かしていないのに動かした気になってしまう」という本当に不思議としか思えない体験でした。また、「家でもできる」「簡単につくれる」という点も魅力でした。

装具の種類もいろいろあり、実際につけている状態とつけていない状態の歩き方の違いが印象に残りました。また、実際につけてみることで、それぞれに特徴があり、どのような人にどの装具を使うかの見極めが大切という言葉がとても身にしみました。

本当にありがとうございました。

【藤田保健衛生大学&七栗サナトリウム-6】

今回、2日間リハビリに関して勉強させていただいて、ポリクリの実習では習えなかったことや、時間的制約があってあまりできなかったことが多くできました。

車椅子の座り心地1つに関しても、色々なクッションや工夫がなされることで、患者さんにとって大きな変化をもたらすということがとても印象的でした。先生に教えていただいた画像診断に関しても、臨床に直結する話をしていただいて、とても勉強になりました。

ここで得た知識を基礎に、将来に役立てていきたいと思います。ありがとうございました。

【藤田保健衛生大学&七栗サナトリウム-7】

1日という短い時間でありながら、実習を受け入れて下さりありがとうございました。実習前からの丁寧な対応に感謝しております。

専門のリハビリ施設を実習させていただくのは、初めてでしたが、リハビリ環境の違いにまず驚きました。療法士等の人数確保から廊下の広さ、リハビリ器具、手技などありきたりのリハビリとは異なる環境でのリハビリ治療に感動しました。

リハビリ科医も候補の1つとして、しっかり考えていきたいと思います。今回は本当にありがとうございました。

【第19回伊豆リハビリテーション夏期セミナー】

三日間のセミナーのうち、イントロダクションがあった一日目に参加できずに残念でしたが、多くの先生方のミニレクチャーなどはとても興味深く受講することができました。大学にはリハビリの教室もないのでリハビリの講義を受けることはありませんし、またリハビリ医学が多くの科の患者さんに関わることもあり、先生方の講義の内容は様々で、それぞれの先生方の様々な経験など他では伺うことのできないようなお話がたくさん聞けてよかったです。大学で受ける系統講義とは全く違う、先生方のリハビリへの熱い思いのこもった講義でした。

また、夜の宴会などで聞いた、先生方同士の情報交換のようなお話や、患者さん同士のネットワークのお話や、それを繋ぐこと、次にこういうことをこういう患者さんに考えている、といったお話は、疾患からの急性期や回復期といった身体的なことだけでなく、患者さんの社会的なことを大きく含んでいることがとても新鮮で、患者さんの社会的な部分にも関わっていくことのできるリハビリ医というものに私は魅力を感じました。