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下肢切断のリハビリテーション診療指針

下肢切断者のリハビリテーション診療は、リハビリテーション科医にとって極めて重要な診療領域の一つであり、日本リハビリテーション医学会専門医制度卒後研修カリキュラムにおいても、大項目として位置づけられています。しかしながら、これまで本分野においては統一的な診療指針が示されておらず、各施設が独自に指導・対応を行ってきたのが実情です。また、下肢切断症例の経験数には施設間で大きな差があり、限られた経験のみで研修を終え、専門医資格を取得せざるを得ない状況も散見されました。

こうした状況を踏まえ、日本リハビリテーション医学会専門医会(当時)はSpecial Interest Group (SIG) として「切断・義肢SIG」を設置し、日本リハビリテーション医学会専門医会学術集会や秋季学術集会において、下肢切断者のリハビリテーション診療に関する研修会を継続的に開催してきました。そして、診療内容の標準化と教育の質の向上を目的として、印刷物としての『下肢切断のリハビリテーション診療指針』を作成・配布する方針が決定され、「下肢切断のリハビリテーション診療指針策定委員会」が組織されました。委員会では、診療内容について綿密な検討を重ね、各委員が分担して委員会案を作成しました。その後、広くパブリックコメントを募集し、寄せられたご意見を反映させたうえで、このたびようやく本診療指針の完成に至りました。 本指針が、全国のリハビリテーション科医をはじめとする関連診療科の医師ならびに関連職種の皆さまに広くご活用いただき、下肢切断者のQOL(生活の質)向上に寄与することを、心より願っております。

 

下肢切断のリハビリテーション診療指針策定委員会 2025年5月末

「下肢切断のリハビリテーション診療指針」の利用者対象

想定される読者:主にリハビリテーション診療に携わる医療職としています。
対象とする疾患:下肢切断全般としています。

作成組織

本指針の作成主体は公益社団法人日本リハビリテーション医学会診療ガイドライン委員会の下部組織である下肢切断のリハビリテーション診療指針策定委員会となります。日本リハビリテーション医学会より、下肢切断のリハビリテーション診療に熟達している専門医から委員が選出されました。

作成組織 委員(敬称略、順不同)

作成主体(統括委員会)
公益社団法人日本リハビリテーション医学会 診療ガイドライン委員会
中村 健(統括副理事長:横浜市立大学医学部リハビリテーション科学教室)
城戸 顕(担当理事・委員長:奈良県立医科大学リハビリテーション医学講座)
津田英一(前担当理事:弘前大学大学院医学研究科リハビリテーション医学講座)
宮越浩一(前診療ガイドライン委員会副委員長:亀田総合病院リハビリテーション科)
松元秀次(前診療ガイドライン委員会副委員長:茨城県立医療大学医科学センター)

下肢切断のリハビリテーション診療指針策定委員会

城戸 顕(担当理事:奈良県立医科大学リハビリテーション医学講座)
菊地尚久(委員長:千葉県千葉リハビリテーションセンター)
荒川英樹(副委員長:宮崎大学医学部附属病院リハビリテーション科)
河津隆三(副委員長:小倉リハビリテーション病院リハビリテーション科)
尾川貴洋(委員:愛知医科大学医学部リハビリテーション医学講座)
幸田 剣(委員:和歌山県立医科大学リハビリテーション医学講座)
田中洋平(委員:JR 東京総合病院リハビリテーション科)
寺門厚彦(委員:鉄道弘済会義肢装具サポートセンター付属診療所)
德永美月(委員:北九州市立総合療育センターリハビリテーション科)
戸田光紀(委員:兵庫県立リハビリテーション中央病院リハビリテーション科)
西嶋一智(委員:宮城県 リハビリテーション支援センター)
濱田全紀(委員:岡山大学医学部整形外科学教室)
古澤義人(委員:東北大学医学部リハビリテーション医学講座)
堀 諒子(委員:産業医科大学医学部リハビリテーション医学講座)
渡邊友恵(委員:中部ろうさい病院リハビリテーション科)
木下 篤(前委員長:かがわ総合リハビリテーション病院)
宇山恵子(広報アドバイザー:東京科学大学)

作成方法

下肢切断のリハビリテーション診療指針策定委員会として、2022 年より作業が開始されました。感染拡大状況を鑑みて、委員会は主にオンライン会議にて開催されました。委員会では、タイムスケジュール、内容項目の立案、本文の記述方法、校閲方法、パブリックコメントの方法などについて検討がなされました。各委員によりエビデンスや、関連する指針などの情報収集が行われました。可能な限り科学的根拠に基づくものを目指しましたが、それが十分でない場合には、委員会内でのコンセンサスに基づいた記述としました。また、項目ごとに参考文献を記載しています。

利用にあたっての注意

本指針は、下肢切断のリハビリテーション診療について、現時点(2025年5月)での一般論をまとめたものとなります。今後医療の進歩に伴い、診療指針も変更されていくことが予想されます。本印刷物により統一された質の高い下肢切断のリハビリテーション診療が行われることを期待します。

下肢切断のリハビリテーション診療指針策定委員会 2025年5月末

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