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資格・制度

専門医広告と専門医認定制協議会の経緯について

日本リハビリテーション医学会
常任理事 専門医認定制協議会評議員
江藤 文夫

平成14年4月から,厚生労働省は医療法で定める広告規制に関して,専門医告示をもって広告可能な専門医資格を認定する団体の基準を定め,これを満たす学術団体が認定する専門医の広告を条件付で可能にしました.なお,専門医の広告に関する外形基準となる9項目については,本学会誌の39巻8号434頁(認定医の資格更新に関する措置について)で紹介しています.

専門医認定制協議会は,昭和55年以来活動してきた学会認定医制協議会を母体とし,平成12年4月から名称を改めて発足した組織です.日本リハビリテーション医学会は学会認定医制協議会の設立当初より会員として参加しており,専門医制度については専門医認定制協議会の方針を尊重する立場にあります.

以下に,これまでの経緯と関連する事項を紹介します.

  1. 昭和55年9月,認定(専門)医制度を有する20学会の関係者30名が集まり,情報交換会議を開催.翌年11月,加盟22学会による第1回学会認定医制協議会の総会を開催.

  2. 昭和60年8月,日本医学会からの呼びかけに基づき,いわゆる三者懇談会(日本医師会,日本医学会,学会認定医制協議会)の第1回会議開催.この懇談会では,専門医(認定医)制度のあり方,社会から容認される制度の育成などが自由討議の形で論議され,以後今日まで定期的に開催.

  3. 昭和63年2月,診療科名等の表示に関する検討会(厚生省,日本医師会,日本歯科医師会などからの13名の委員で構成)の報告書が発表されたことを機に,各学会での認定医制度施行が急増.学会認定医制協議会の加盟会員も昭和61年度の27学会から平成2年度には42学会に増加.

  4. 平成6年4月,三者懇談会では基本的領域診療科として14領域をあげ,13学会(その後15領域,14学会)の認定(専門)医を日本医師会長・日本医学会長・学認協議長の三者により承認(いわゆる三者承認).また同時に,医療法に基づく標榜診療科目と認定医表示とは切り離すこと,基本領域診療科の認定医を重複して表示することはできないこと,更新が認定されないものは表示を撤去すること,診療報酬とは関連しないことを三者間で確認.(平成14年4月現在で三者承認者数は150,462名).

  5. 平成12年4月,学会認定医制協議会は,第三者的な性格と機能の拡充を図るために機構改革を行い,名称を専門医認定制協議会と改称.

専門医認定制協議会では事項別専門委員会が設置され,その中に区分検討委員会があります.学会ごとの制度の調整・整備を協議するために,協議群として第Ⅰ群(基本的領域の学会で,三者承認対象の学会群),第Ⅱ群(subspecialtyの学会で,基盤とする領域の認定に上積み研修方式の学会群),第Ⅲ群(Ⅰ及びⅡ群以外で,これから位置づけが協議される学会群)に分けて,関連学会群による部会方式で調整が進められてきました.

本学会は当初,第Ⅲ群に分類されていましたが,区分検討の協議が進むにつれ,形成外科,救急医学とともに基盤領域が特定できないことから,協議会として基本領域群への追加が了承されました(三者承認の枠外として,平成14年度総会決定).ちなみに,「本学会がどの群に属するのが適当か」という問題については本学会の役員会でも議論され,第Ⅰ群が適当という方向で意見が集約された経緯があります.

なお,専門医告示の外形基準の第1項は「学術団体として法人格を有していること」ですが,本学会は既に社団法人各を有する団体として活動してきました.一方,専門医認定制協議会が専門医制度の認定に関わる第三者機関として機能するためには,それ自体が法人格を有する機構であることが条件とされ,平成14年度に有限責任中間法人日本専門医認定制機構が設立されました.そのため,専門医認定制協議会は現会員(50学会)がすべてこれに入社した時点で発展的に解消される方向にあり,本学会も同認定制機構の社員となる予定です.